全体像が分かれば、SNS×アフィリエイトで自由が叶う! 大道芸人から年商1億超えを実現した思考と行動の教科書
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はじめに
ここまで本書を手に取ってくださった皆さま、ありがとうございます。
本書は、「ビジネスの全体像」を理解し、SNSやアフィリエイトをはじめとしたWebビジネスで成果を出すための指南書です。
なぜ、あえて「全体像」なのか。
理由は非常にシンプルで、多くの人が部分的なノウハウには飛びつくものの、俯瞰的な戦略を知らないまま突き進んでしまうからです。
そして、部分的な手法だけを追い求めるうちに「なぜ、稼げるときと稼げないときの落差が激しいのか」「なぜ、こんなにフォロワーがいるのに売上につながらないのか」という堂々巡りに陥ってしまうのです。
私自身も、かつては全体像をしっかりとは掴めていませんでした。
SNSフォロワーの数ばかりを追いかけていた時期もあれば、広告にひたすら投資してみたものの、なぜかリターンが伸び悩む瞬間もありました。
そんな暗中模索の連続の中で、少しずつわかったことがあります。
それは、「ビジネスを安定的に成長させるには、全体の流れを把握して“自分に足りない部分”を補う必要がある」ということです。
本書の構成では、「はじめに」を皮切りに、第六章までで“ビジネス全体像”を掘り下げ、最後にまとめとしての「終わりに」を用意しています。
それぞれの章で、集客・教育・販売・フォローといった流れをどのように回し、どうやって成果を高めていくのかを解説します。
加えて、「好きなことを仕事にする」「自分の得意分野を武器にする」「単価アップや自動化でビジネスを伸ばす」といった具体的なテーマもお伝えします。
同じような悩みを持つ方々が、「本当に行動すれば自分も変われるかもしれない」と感じていただける内容を目指しています。
書籍のゴール:なぜ“ビジネス全体像”を知ることが成果への近道なのか
この「はじめに」では、本書のゴールや全体の狙いを大きく二つの観点からお話しします。
一つ目は、「なぜ、“全体像”が結果を伸ばす決め手となるのか」という点です。
少し想像してみてください。
もしもあなたが、カレーライスを作ろうとしているとします。
ところが、レシピの一部である「肉の選び方」だけを学び、残りの工程は全く知らない状態だとしたらどうでしょうか。
肉だけは素晴らしいものを使っても、スパイスの配合や野菜のカットの仕方、煮込む時間などを全く考慮しなければ、おいしいカレーは完成しません。
これと同じことが、ビジネスにも当てはまります。
SNSのフォロワーを増やすことばかりを頑張っているのに、商品設計や教育(価値観の共有)フェーズが抜け落ちている人。
広告費は潤沢にかけているのに、商品やサービスが顧客にとって魅力的に見えるようなブランディングが行われていない人。
セールストークを練習しすぎるあまり、むしろ顧客の本質的な悩みが理解できなくなってしまった人。
こうした方々の多くは、「ビジネス全体の流れ」を理解していないがゆえに、一部のテクニックに偏りがちなのです。
ビジネスとは、本来「集客 → 教育 → 販売 → フォロー」の流れが一本の線でつながっているものです。
そして、その流れのどこかが極端に弱いと、その時点で大きな成果は望めなくなります。
例えば、優れた商品やサービスを持っていても、集客力が低ければ存在を知ってもらえない。
せっかく集客が上手くいっていても、教育のプロセスが足りずに顧客が「買う理由」を持てないまま離脱してしまう。
あるいは、販売した後のフォローを一切行わないので、顧客との関係が一回で切れてしまう。
こうした理由で、多くの個人ビジネスは収益の安定化が実現できずにいます。
二つ目の観点は「小さく早く失敗する」「自分の強みを見極めて行動する」という考え方です。
多くの人は、失敗を恐れてなかなか行動できません。
しかし、本書で何度も強調するように、失敗こそが最速の学びです。
一度の失敗で落ち込む必要はありません。
小規模でテストをして、すぐ改善を図り、次に活かす。
その結果としてビジネスモデルが洗練されていくのです。
加えて、「自分の強み」を正しく理解することも重要です。
SNS運用が得意、動画制作が得意、セールストークやコミュニケーションが得意――そうした個人の特色をどこに配置すれば、最も成果を上げられるのか。
全体像が見えているからこそ、自分の強みを最大限発揮できる立ち位置を見つけられるのです。
著者・チエロの自己紹介と、本書を通じて伝えたいこと
ここでは、著者の簡単な背景と、本書の執筆動機についてお話しします。
私(以下、チエロと呼びます)は、もともと大道芸のパフォーマーをしていました。
大学生の頃、数百円の投げ銭が唯一の収入源だった時期もあります。
時給に換算すると、五百円以下の日もしばしば。
「好き」を貫くのはとても楽しく刺激的でしたが、現実問題として生活や学費をまかなうのは容易ではありませんでした。
しかし、そこで学んだのは「人を惹きつけるためには、仕掛けとストーリーが不可欠」ということ。
路上で芸を披露するときも、ただパフォーマンスするだけでは誰も足を止めてくれません。
前振りをして雰囲気を作り、「いま何が起こっているのか」を分かりやすく伝えないと、通りすがりの人に興味を抱いてもらえないのです。
また、どんなに面白い芸ができても、相手の心に刺さらなければ「次はない」。
そうして試行錯誤を重ねるうちに、私は人を集める技術だけでなく、相手の心を掴む「物語づくり」の重要性に気づきました。
その後、社会人経験を経てWeb業界に足を踏み入れたときに、私はあの大道芸での経験が大いに役立つと感じました。
Webの世界においても、単に情報を発信したり広告を打つだけでは、人はなかなか集まってくれないからです。
彼らが本当に求めているものは何か。
私自身がどういう人間で、どんな思いでその商品やサービスを提供しているのか。
そうしたストーリーやメッセージをしっかり届けられたときに初めて、「この人に依頼したい」「この人から商品を買ってみよう」と思ってもらえるのです。
本書のテーマは、「自分の好きや強みを活かして、安定して稼げるビジネスモデルを作る」ということ。
ここでいう「ビジネスモデル」とは、難しい経営理論の話だけではありません。
もっと身近なレベルで、「SNSで集めたお客さんにどんな価値を提供し、その結果どうやって利益を得るのか」を筋道立てて考える力です。
これを身につけておくだけで、「あれもこれも試したけどダメだった」という遠回りが劇的に減ります。
路上パフォーマー時代の苦労と、そこから学んだ「人を惹きつける本質」
大道芸をはじめたばかりの頃、私はほとんど観客を集めることができませんでした。
当たり前ですが、街中で突然パフォーマンスを始めても、最初は誰一人立ち止まらないのです。
演技が始まって五分ほど経過しても、目の前を通り過ぎる人の足は止まりません。
ここで私が得た一番大きな学びは、「見ず知らずの人を足止めするには、その人にとって“一瞬で興味をひく”要素が必要だ」ということでした。
また、その興味は刹那的なものなので、次の瞬間には離れていってしまうかもしれない。
だからこそ、最初の一歩目で視線を集めたら、二歩目、三歩目で物語を語りかけ、興味の種を芽吹かせる必要があります。
同じことがSNSでも起こっています。
タイムラインには、友人や有名インフルエンサー、企業など、膨大な情報が流れています。
その中で自分の投稿を“いかにして”見てもらうか。
一度プロフィールを覗いてもらったら、そこから“いかにして”ファンになってもらうか。
フォロワーが何人増えようと、その人たちが自分の価値観に共感し、「あなたから買いたい」「あなたの話をもっと聞きたい」と思ってくれなければ、ビジネスは続きません。
路上パフォーマーとしての苦労の時期は、収入的にはきついものでした。
しかし、その過程で私は、「人間の注意や関心は有限である。だからこそ、最初の数秒が勝負になる」と知りました。
目立つ仕掛けを用意するのはもちろんのこと、その先にストーリーがなければすぐに飽きられる――この構図は、オンラインでも全く同じなのです。
とはいえ、本書は単に「目立てばいい」という安易な話をするのではありません。
確かに一時的に注目を集めることは重要ですが、その先の「教育」や「販売」フェーズにおいて「顧客にどんな価値を提供するのか」を考え抜かなければ、成果にはつながりません。
SNSでいくらバズっても収益がほぼゼロの状態を脱せない人と、フォロワー数はそこまで多くなくても安定して収益を伸ばす人の違いは、まさにこの「ビジネス全体の設計」の有無なのです。
本書では、それをいかに設計し、いかに実践していくかを具体的に解説していきます。
本書で取り上げる構成と、あなたへのメッセージ
本書は全八章構成になっています。
以下のように、前半では「全体像の大切さ」や「人を惹きつけるコツ」といった土台を固め、中盤から後半にかけて「集客→教育→販売→フォロー」の具体的な流れと、各ステップで押さえるべきポイントを説明します。
「単価アップ」や「自動化」など、ビジネスを大きく飛躍させる方法もお伝えしますので、きっと有益な知見が得られることでしょう。
本書のゴールは、「それぞれの読者が自分のビジネスモデルを自力でデザインし、安定収益を得るきっかけをつかむ」ことです。
特定のノウハウの型を紹介するだけでなく、あなたが自分の強み・経験・価値観を踏まえて「自分ならではの戦略を立てられる」ようになることが、最終的なゴールといえます。
ですから、この本を読む際は「どれか一つのテクニックを完璧に身につけるぞ」というよりは、「自分には今どの部分の要素が足りていないだろうか」と俯瞰して眺めるつもりで取り組んでみてください。
そして、各章の終わりにある「この章のポイント」などを手がかりに、小さくテストしてみたり、すぐに実践に移してみたりすると効果的です。
もちろん、行動に移す際には失敗もあるでしょう。
しかし、「小さく早く失敗して学ぶ」というサイクルが、ビジネス成長の一番の近道なのです。
あなたに“全体像”を伝えたい理由
最後に、この「はじめに」を締めくくるにあたって、もう一度強調しておきたいことがあります。
それは、「全体像を描くことで、ビジネスは初めて“安定”と“拡大”の両立が可能になる」ということです。
SNSやアフィリエイトなど、どのようなビジネス形態であっても、収益化が思うように進まない大きな理由の一つは、「何が欠けているのか」がわからないまま試行錯誤している点にあります。
例えば、以下のようなケースが典型的です。
集客力は高いものの、教育フェーズがないのでフォロワーが商品に興味を持ってくれない
有益なコンテンツを作るのが得意なのに、集客のノウハウがなくて誰もそのコンテンツに辿り着けない
単価の高い商品やコンサルを提供しているが、フォローの仕組みがなくてリピーターが少ない
これらの問題は、いずれも個別の技術(集客、商品設計、フォローアップなど)の問題であると同時に、「全体像を理解していない」ことに根本的な原因があります。
本書を通じて、あなたにはまず「自分がどの部分に強みを発揮できるのか」「どの部分が弱いのか」を客観的に整理していただきたいと思っています。
そして、そのうえで弱い部分に注力して学び・行動を繰り返し、ビジネスの弱点を一つひとつ克服していただきたいのです。
本書への期待と、次のステップへ
きっとあなたは、「もっと自由に働きたい」「自分の好きや得意をお金に変えたい」「SNSを通じて多くの人に価値を届けたい」といった思いを抱いていることでしょう。
これらは決して夢物語ではなく、正しいステップを踏めば誰でも実現しうるものです。
大道芸というオフラインの世界から、たった数年でWebビジネスを中心とした収益モデルを構築した私の経験は、その一例にすぎません。
実際に、私は午前中だけの稼働で月商一〇〇〇万円を達成することができました。
もちろん、どのような形でビジネスを展開するのかは人それぞれ違います。
しかし、「全体像をつかみ、弱い部分を着実に補強していく」というアプローチであれば、再現性は高いのです。
この「はじめに」を読んで、本書の意図やゴールを少しでも感じ取っていただけたら嬉しく思います。
それでは、次章から本格的に、なぜ「全体像」がこれほど重要なのか、具体的に何をすればビジネスが飛躍していくのかを詳しく見ていきましょう。
あなたのビジネスが安定し、「行動することへの恐怖が薄れ、むしろチャレンジが楽しくなる」――そんな未来をイメージしながら、ぜひ読み進めてみてください。
最後に、本書を読む中で不明点があれば、必ず手を止めて「自分にとってなぜこの部分が難しく感じるのか」を考えてみてください。
そこには大きなヒントがあります。
また、気になる部分は付箋やメモを取り、あとから何度でも読み返してください。
「全体像」とは、一度で完璧に把握できるものではなく、読み返すたびに「なるほど、今の自分にはここが必要だ」と気づくことが増えるものです。
あなた自身のビジネスが、そして人生そのものが、大きく変わるきっかけとなることを願っています。
さあ、まずは次の章で「なぜ“全体像”が重要なのか」を掘り下げていきましょう。
第一章:なぜ「全体像」が重要なのか
本章では、ビジネスにおいてなぜ「全体像」を把握することが重要なのかを掘り下げていきます。
多くの人が最初にぶつかる壁は、「とりあえずフォロワー数を伸ばす」「とりあえず広告を打つ」といった“局所最適”のアプローチです。
しかし、これでは成果が頭打ちになりやすく、安定した売上や継続的な成長を手にするのは難しくなります。
そこで、「部分的なノウハウ」に走るのではなく、ビジネス全体の流れを見据えることが飛躍のカギとなるのです。
以下では、三つの小見出しに分けて「局所最適と全体像の違い」「集客・教育・販売・フォローが繋がると起こる変化」「“表面的な数字”から卒業するメリット」について解説していきます。
そして本章の最後に、「全体像を知る → 弱点を把握 → 短期で改善する流れ」を押さえることで、どのようにビジネスが好転していくかのポイントをまとめます。
「局所最適」では成果が伸び悩む理由
まず、ほとんどの人がハマりがちな落とし穴として、「局所最適」という考え方があります。
言い換えれば、ビジネス全体の流れを知らないまま、目の前に見える課題だけに注力してしまう状態です。
例えば、SNSでフォロワーを増やすことばかりに力を入れるケースを想像してみてください。
フォロワー数を増やすためには、日々の投稿や拡散しやすいコンテンツ作りが必要です。
これ自体は確かに大事な要素ではありますが、肝心の「フォロワーとどのように関係性を深めるか」「商品やサービスをどう伝えていくか」が抜け落ちていると、「ただ拡散している人」で終わってしまいがちです。
実際に、「フォロワーは何万人もいるのに、商品を出すときだけ売れない」という嘆きの声はよく耳にします。
これは局所的には「集客の数字を伸ばすこと」に成功しているものの、売上につながる仕組みが構築されていない典型例です。
言い換えれば、「ビジネス全体の中でSNS集客の位置づけをどうするか」が明確ではないということでもあります。
また、広告運用についても同じことがいえます。
広告を使えば一時的にアクセスを爆増させることは可能です。
しかし、アクセスを集める先の商品が曖昧だったり、購入後のフォローが全くなかったりすると、広告費は出ていくばかりで安定したリターンが見込めません。
結果として、「広告運用は怖い」「コストばかりかかってしまう」という印象になってしまうのです。
こうした局所最適の状態は、特定の要素にのみ焦点を当ててしまうため、売上が「急に伸びたり急に落ち込んだり」を繰り返してしまいます。
特に個人ビジネスや副業で取り組んでいる人は、生活やモチベーションの安定にも大きく影響が出るでしょう。
このように、継続的な成果を出すためには、どこか一部分だけを頑張るのではなく、「すべてが連動する流れを意識する」ことが不可欠なのです。
では、具体的に「全体像」を把握するとはどういうことでしょうか。
ビジネスをシンプルに分解すると、「集客 → 教育 → 販売 → フォロー」という流れが一本の線でつながっている状態をイメージしてください。
ここでいう「教育」とは、見込み客があなたの商品やサービスに“納得するためのプロセス”を指します。
SNSでの発信やブログ記事、メールマガジン、またYouTubeやTikTokといった動画を通じて、「この人(この商品)は自分の悩みを解決してくれそうだ」と思ってもらう段階です。
もし「集客」のみをやっていて「教育」がなければ、相手は「何を売られているのか?」「なぜ必要なのか?」を理解できません。
反対に、「教育」がしっかりしていても「集客」が弱ければ、見込み客の母数が少なくなり、ビジネスとしては規模が小さくなります。
また、「販売」を通じて商品を提供しても、その後の「フォロー」がなければ、リピーターにならずに一度きりで関係が終わることも多々あるのです。
「局所最適」から脱却して「全体像」を意識することで、こうした“どこかが欠けている”状態を避けられます。
では、全体がつながると具体的に何が起こるのか。
次の小見出しで詳しく見ていきましょう。
集客・教育・販売・フォローが繋がると何が起こるか
ビジネスの流れをひとつの線として捉え「集客 → 教育 → 販売 → フォロー」を連動させると、大きく三つの変化が訪れます。
一つ目は、「無理なセールスをしなくて済む」という変化です。
集客段階では、あなたの発信や広告を見て興味を持った人が集まります。
そこから教育段階をしっかり踏むことで、「なぜこの商品が必要なのか」「買うとどんな未来が得られるのか」を自然に理解してもらえるわけです。
この状態になって初めて、販売段階でのセールスはスムーズに進みます。
「買いませんか?」と強引に迫らなくても、相手はもう十分納得しているので、むしろ「ぜひ売ってください」と言ってくるほどです。
二つ目は、「顧客満足度が高まり、リピートや紹介につながる」という変化です。
販売後にフォロープログラムを用意しておくと、購入した人がさらに商品を使いこなし、より大きな成果や喜びを得られます。
その結果、「この人からまた買いたい」「知人にも勧めたい」という思いが自然と湧き上がるのです。
たとえば、オンライン講座を販売したならば、受講者限定のコミュニティを開設して質問に答えたり、追加のコンテンツを配信したりするだけで、満足度は大きく変わります。
三つ目は、「安定した収益構造が築ける」という変化です。
集客だけが強みの人は、一度大きく当てることができるかもしれませんが、教育やフォローの仕組みがないためにリピーターが育ちづらい傾向があります。
しかし、全体像を踏まえたビジネスモデルを設計しておけば、新規顧客を獲得しながらリピーターも生み出し、かつ商品単価を上げることも視野に入れられます。
こうなると、「翌月は売上ゼロでどうしよう」という不安から抜け出し、長期的に成長を見込める状態へと移行するのです。
具体的に言えば、たとえばあなたがSNSで発信を始めて二〇〇〇人のフォロワーを集めたとします。
そこで終わるのではなく、フォロワーの方々が抱える悩みをリサーチしてコンテンツを作り、興味を持った人には無料相談や説明会などの「教育の場」を用意する。
そして十分な納得を得たうえで販売を行い、購入後もコミュニティや追加サポートでフォローする――この一連の流れが整っていると、集客から販売、さらにその先の継続的な関係構築までが一本化されます。
そうなれば、突発的なトラブルや市場の変化にも柔軟に対応しやすくなるでしょう。
“表面的な数字”に踊らされなくなるメリット
ここでいう“表面的な数字”とは、たとえば「フォロワー数」や「PV数」「いいね数」など、SNSやブログで表面的に見える指標を指します。
もちろん、それらはまったく無意味というわけではありません。
しかし、「フォロワー一万人いるのに、ほとんど収益が上がらない」という悩みを抱える人を、私たちは珍しくもなく見かけますよね。
この裏側にあるのが、前項でも触れた「教育・販売・フォローが欠けている」ケースです。
フォロワーは集まったものの、肝心の商品(あるいはサービス)を理解してもらえていなかったり、商品設計が曖昧だったりするのです。
一方で、フォロワー数は二千人程度でも、そのコミュニティがとても濃い関係性を築いている場合、「しっかりと教育を重ねた上で商品を販売することで、大きな売上を達成する」ことが往々にしてあります。
このように、表面的な数字だけを追うのをやめ、全体像に基づいて「どの段階で何をすべきか」を明確にしていくと、結果として売上と顧客満足度の両方が伸びるのです。
そして、単発的な成功や一瞬のバズに依存せず、長期的に安定収益を狙えるようになるでしょう。
さらに、表面的な数字から卒業するメリットとして、自分の精神的な安定も挙げられます。
SNSでフォロワーが増えるのは確かに嬉しいものです。
しかし、急にフォロワー数が減ったり、思ったような反応が得られなかったりすると、それだけで落ち込んでしまう人は多いでしょう。
一方で、ビジネス全体の流れができていれば、多少フォロワー数が変動しても、大きく売上が落ち込むことはありません。
むしろ、「少数でも本当に価値を理解してくれるお客さまに届けられれば、ビジネスは成立する」と分かっているので、必要以上にSNSの数字に一喜一憂しなくて済むのです。
もちろん、これは「SNSでバズを狙うな」ということではありません。
バズること自体は一つの強力な集客手段にもなりますし、知名度を高めるチャンスにもなります。
ただ、それをゴールにするのではなく、「バズをどう全体像の一部として活かすか」を考えることが大切なのです。
成功者の多くは、バズを入り口に「教育」や「販売」に自然とつなげる導線を持っています。
この導線を持たずにバズだけを狙うと、たとえ一時的に大きな数字が出ても、そのあとに何も残らず沈んでしまいがちです。
この章のポイント
ここまでの内容をまとめると、次の二点が本章の核となります。
「全体像を知らないまま局所的なテクニックに飛びつくと、安定して成果は出ない」
「集客・教育・販売・フォローを一本につなげれば、売上も顧客満足度も安定し、“表面的な数字”に振り回されない」
さらに付け加えるならば、「全体像を知る → 弱点を把握 → 短期改善」のフローは、ビジネスを成長させるうえでとても重要です。
なぜなら、失敗の原因が「どの段階で起きているのか」さえ分かれば、改善策を立案しやすいからです。
たとえば、集客はうまくいっているが商品が売れないのであれば「教育不足」かもしれませんし、商品が売れたけどリピートが少ないなら「フォローの仕組み」が弱い可能性があります。
全体像が見えていない人は、こうした分析ができずに「もっとSNSを頑張ればいいのか?」「いや、広告を増やすか?」と右往左往してしまうのです。
それよりも、「自分がどのステップで顧客を逃しているのか」を具体的に把握するほうが、飛躍的に行動の精度を高められます。
本書では、このあと各章で「全体像」をさらに細かく紐解き、「どのように各ステップを強化すればよいか」を掘り下げていきます。
一つ覚えておいていただきたいのは、「一朝一夕で完璧なビジネスモデルは作れない」ということです。
これは当たり前といえば当たり前ですが、多くの人が「今すぐ結果を出したい」という焦りから、“局所最適”に走ってしまいがち。
しかし、長期的に見ると遠回りになってしまうことが多々あります。
少しずつでも全体の流れを意識し、足りない部分を補っていく姿勢こそが、結果として最短ルートであなたのビジネスを成長させてくれるでしょう。
ここまで読んで、「もしかすると自分はSNSフォロワー数ばかりに目が行っていたかもしれない」「広告費の投入をやたら増やしていたけれど、そもそも教育やフォローをきちんと設計していなかった」と気づいた方もいるかもしれません。
その気づきは、きっと今後のビジネスに大きく役立つはずです。
次章では、著者である私が、路上パフォーマーというオフラインの世界から学んだ「人を惹きつける力」と「お金の本質」についてお話しします。
なぜ路上パフォーマーの話が出てくるのかと思われるかもしれませんが、そこには「人の注意を引き、興味を持ってもらい、価値を感じてもらう」というビジネスの根幹が詰まっています。
第ニ章では、それをオフラインで体得した体験をベースに、オンラインビジネスにも通じるヒントをたっぷりお伝えしますので、楽しみにしていてください。
第二章:路上パフォーマー時代に学んだ「人を惹きつける力」と「お金の本質」
路上パフォーマーとして活動していた時期は、まさに「好き」という情熱だけで突っ走っていた時代でした。
しかし、その情熱だけでは実際の生活をまかなえず、経済的な苦労が常につきまとっていました。
それでも、路上という限られた舞台で、全く知らない通行人を惹きつけ、少しでも投げ銭をいただくためには何が必要か――この問いに向き合ううちに身についたスキルは、「オンラインの世界」でも大いに活きることになります。
この章では、大学時代に月収五百円で苦しんだエピソードや、観客零人からスタートした路上パフォーマンスで学んだ集客の真理、そしてお金を稼ぐことの本質といったテーマを掘り下げます。
オフラインとオンラインは一見異なる世界のように見えますが、「人を惹きつける仕掛け」や「相手に価値を伝えるポイント」は意外なほど共通しているのです。
大学時代、月収五百円に苦しむ日々――「好き」だけでは食べていけないリアル
大学時代、私は路上パフォーマンスが好きで、週末になると街角に立っては大道芸を披露していました。
投げ銭で少しでも生活費や学費の足しになればと思って始めたのですが、結果は厳しく、ひと月の収入が五百円という衝撃的な状況も珍しくありませんでした。
もちろん、常に五百円というわけではなく、日によっては二千円ほど投げ銭をいただけることもありました。
しかし、トータルで見れば、「路上パフォーマンスでは生計を立てられない」というのが当時のリアル。
いくら好きでやっていても、家賃や光熱費、食費などを考えれば五百円では焼け石に水でしかありません。
では、なぜそれでも続けられたのか。
ひとつは、「好き」という想いが強かったからです。
音楽やパフォーマンスを通じて、人々の笑顔を見られることは大きな喜びでした。
しかし、その反面、どうやって収益をあげるかという視点が欠けていたのも事実です。
当時の私は、商売やマーケティングについてほぼ何も知りませんでした。
やがて私は、「好き」だけでは先行きが見えないことに気づきました。
もちろん、好きでなければ続けるモチベーションが保てないという面もありますが、「好きなことを仕事にする」ためには、それ相応の工夫や戦略が必要なのだと痛感したのです。
そして、この現実を踏まえて、少しずつ「どうすればより多くの人に注目してもらえるか」を考え始めるようになりました。
そこで私が最初に試行錯誤したのは、パフォーマンスそのものを進化させるというより、「演出や空間づくり」に注力することでした。
例えば、ほんの数秒でも視線を止めてもらうために、派手な衣装を用意したり、看板を立てて簡単な自己紹介を記載してみたり、MCトークの合間に観客とコミュニケーションをとれるよう工夫したり。
こうした小さな変化が積み重なって、徐々に投げ銭の額も増えていきました。
まだまだ五百円から脱却できない日もありましたが、「パフォーマンス以外の部分を整えると収益に直結する」という感覚が芽生えたのは大きな進歩でした。
この経験は、のちに「SNSでフォロワー数が増えない」「集客しても売上が伸びない」と悩む方に対して多くの示唆を与えています。
本質的に、「自分の魅力をどう見せるか」「相手に何を感じてもらうか」が重要であって、そこを考えずにただ“好きなこと”をやっているだけでは、なかなか成果は出ないのです。
「路上で学んだ集客の真理」と「SNS集客」の共通点
路上パフォーマンスの世界では、「最初の数秒間で観客の足を止められないと、そのまま通り過ぎてしまう」という厳しい現実があります。
そこから学べるのが、「いかにして一瞬で興味を惹くか」という命題です。
オフライン×オンライン共通の“数秒”ルール
路上での数秒は、オンラインでもほぼ同じように機能します。
SNSのタイムラインや動画プラットフォームなどでは、人々は膨大な情報を高速で流し見しています。
その中で、「一瞬で『面白そう』『もっと見てみたい』と思ってもらわなければ、すぐにスクロールされてしまう」のです。
路上パフォーマー時代、私は最初の十秒ほどの演技や演出が勝負だと考えていました。
曲をかけるタイミングや、自己紹介の声の張り方、道具を落とすギャグなど、細かい工夫を凝らすことで、「通り過ぎるつもりだった人の足を止める」努力をしていました。
SNS投稿や動画の冒頭数秒もまったく同じで、冒頭で相手を惹きつける仕掛けがなければ、最後まで見てもらうことは難しいでしょう。
感情に訴えるストーリーテリング
また、演技中によく取り入れたのが、「ストーリーテリング」です。
大道芸には派手なアクションや技術が求められるイメージがありますが、実はそれだけでは飽きられるのも早い。
そこで、ちょっとしたエピソードをMCに織り交ぜて、観客が「演者の人柄や背景に興味を持つ」ように仕立てると、最後まで見てくれる確率が上がると気づいたのです。
この発想は、SNSやブログなどでも活用できます。
単に情報を羅列するだけではなく、自分がなぜそれをやっているのか、どんな想いを抱いているのかを物語として伝えることで、フォロワーが「この人の話をもっと聞きたい」と思うようになる。
結果として、商品やサービスの価値も理解されやすくなるわけです。
即時コミュニケーションの重要性
路上では、観客からダイレクトに反応が返ってきます。
盛り上がっていれば拍手や声援があり、微妙だと感じれば人々はすぐに離れていきます。
この「即時のフィードバック」をどう捉えるかが、パフォーマンスのブラッシュアップに直結していました。
SNS上でも、コメントやリアクション、エンゲージメントの数値として即時フィードバックが得られます。
そこで重要なのが、「常に改善し続ける姿勢」です。
路上と同じく、反応が薄いのは自分の表現が刺さっていないサイン。
そこから学んで、次の投稿や動画に活かすというサイクルを回すことで、やがて「大当たり」の投稿やコンテンツが生まれるようになります。
小さく早く失敗する――路上で観客零人でも学べたこと
私が最初にパフォーマンスを始めた頃は、文字通り「観客零人」という場面も多々ありました。
最初は恥ずかしいし、挫折感も大きいのですが、「この失敗を成長に変えられないか」と考えるようになると、一気に世界が変わってきます。
失敗を学びに変える思考
路上パフォーマーにとって、観客がゼロというのは、ある意味で究極の失敗です。
だれも足を止めないということは、「何かの要素が決定的に足りていない」というシグナルです。
最初は「もっと派手にやればいいのか?」と考えるかもしれませんが、実際には「場所の選び方が悪かった」「時間帯が悪かった」「導入の声かけが弱かった」といった要因が見えてきます。
そうした要因を細かく洗い出し、一つずつ修正していくことで、わずかずつでも観客数は増えていきます。
SNSやアフィリエイトの世界でも、投稿や広告が全く反応を得られなかったり、販売ページのCV(コンバージョン)がゼロだったりする失敗は珍しくありません。
しかし、その失敗をただ嘆くだけでは意味がない。
「なぜ反応がなかったのか」「どの部分を変えれば次は結果が出るか」を考え、小さくテストと改善を繰り返せば、いつかブレイクスルーの瞬間が訪れます。
継続が生む信頼と学習曲線
観客零人の日が続いても、諦めずにパフォーマンスを続けていると、不思議なことが起こります。
「あ、この人見たことあるな」という通行人が、興味を示して足を止めてくれるケースが増えてくるのです。
これは、「何度も路上に立ち続ける」という継続そのものが信頼を生むからかもしれません。
オンラインでも同じで、最初は全然伸びなかったブログやYouTubeチャンネルが、投稿や更新を続けるうちに、徐々に「あれ、この人よく見るようになったな」「意外と面白いかも」と認知されていく。
もちろん、ただ続ければよいというものではありませんが、失敗を学びに変えつつ継続することで、学習曲線が安定して上向くという点は共通しています。
目の前にいるお客さんへ「価値」をどう届けるか
路上パフォーマンスは、言ってしまえば「現場主義」の極地です。
その場その場で通行人の様子や反応を見ながら、何をするか決めなければなりません。
人数が少なければパーソナルなトークを増やし、大勢が集まっているならより派手なパフォーマンスを交える――こうした臨機応変な対応が求められます。
そして、最終的には「目の前にいる人に、何をどう感じてもらいたいか」が勝負を決めます。
楽しさや感動、意外性や共感など、相手が受け取る価値は様々ですが、いずれにせよ「相手の気持ちを優先して考える」ことが欠かせません。
オンラインでも“お客さん”は画面の向こうにいる
SNSやブログ、YouTubeなど、オンラインの場合は「目の前にいる」という感覚が薄れがちです。
しかし、実際には画面の向こう側にも、一人ひとりが存在しています。
そこで重要なのが、「個々の悩みや興味にどう寄り添えるか」を常に意識することです。
炎上商法などでは一時的に注目を集められるかもしれませんが、長期的に見ると「顧客に真摯に向き合う姿勢」がリピーターやファンを生み出す鍵となります。
また、オンラインにはコメント欄やレビュー欄など、直接の声が届く仕組みがあります。
路上と同じく、こうしたフィードバックを積極的に受け止め、相手がどんな価値を求めているのかを探ることで、商品やサービスの内容をブラッシュアップできるでしょう。
対価をいただくための“信頼”を築く
路上パフォーマー時代、投げ銭をいただく際には常に「ありがたい」という気持ちがありました。
芸を見せること自体は無償のパフォーマンスですが、投げ銭は対価ともいえます。
その対価をいただくためには、「自分の芸が相手にとって価値がある」と認めてもらう必要があります。
同じく、商品やサービスを販売する際に重要なのは、「相手にとってお金を払うだけの十分なメリットがあると感じてもらうこと」。
このメリットを認識してもらうためには、過去の事例やコンテンツの一部公開、そして自分自身の熱意やストーリーなど、あらゆる手段で信頼を構築する必要があります。
「価格が高いから売れない」わけではなく、信頼や価値の提供が不足しているから売れない――この原理は、路上もオンラインも変わりありません。
この章のポイント
「人を集める仕掛け」はオフラインもオンラインも共通している。
小さな成功や失敗を積み重ねることで、自分なりのビジネススタイルを見出していく。
ここまで見てきたように、大学時代に路上パフォーマーとして奮闘した経験は、SNSやアフィリエイトを含むWebビジネスの世界でもそのまま活かせる要素に溢れています。
一瞬で通行人の足を止める技術、失敗から学ぶ姿勢、相手の感情に寄り添うストーリーテリング、そして「いかにして対価をいただくか」という視点。
これらを総合的に捉えれば、アフィリエイトやSNS運用がただの技術論ではなく、「人を惹きつけ、必要な情報や価値を提供するビジネス」として理解できるはずです。
実際、多くの人が「売れない」「稼げない」と悩むとき、その根底には「誰に、どんな価値を、どうやって伝えるのかが整理できていない」という問題が潜んでいます。
路上での観客零人の体験は、人を惹きつけられないという現象を痛感させてくれました。
しかし、そこから逃げずに地道に学んだ結果、徐々に観客数も投げ銭も増え、「自分は一度で魅了できるような演出が好きなんだ」「人との距離が近いMCが得意なんだ」と気づくことができたのです。
「好きなことを仕事にする」ためには、同時に「相手にとってどんな価値があるのか」を見極める力が不可欠です。
それを培うための手がかりは、オフラインの路上でもオンラインのSNSでも共通しています。
次章以降では、こうした「人を惹きつける力」をビジネスモデルの全体像にどう組み込んでいくか、具体的なフレームワークやステップを解説していきます。
もし、あなたが今、SNSやアフィリエイトで稼げずに苦しんでいるなら、一度「路上パフォーマーの視点」で考えてみるのも面白いでしょう。
「フォロワーは増えたけど、なぜか商品が売れない」「投稿を見てくれているはずなのに反応が薄い」といった状態は、まさに「通りすがりの人が足を止めてくれない」路上の状況にそっくりです。
その状況を打開するには、派手な見せ方を工夫したり、ストーリーを語って共感を誘ったり、相手が欲しいと思う価値を具体的に示したり――あらゆる試みを繰り返すしかありません。
「小さく早く失敗し、そこから学んで改善を重ねる」という考え方は、第1章でも触れたようにビジネスを加速させる最短ルートです。
路上での失敗体験が、結果として「集客力」や「価値提供力」を大きく向上させてくれました。
あなたがオンラインの世界で、あるいはリアルな世界で活動するにしても、失敗を恐れないマインドや目の前の相手に響く表現を磨き続けることが、結局は最も確実な成功への道筋となるのです。
第三章:ビジネスモデルを作るための基礎設計――「集客→教育→販売→フォロー」
ここまでの章で、「全体像」が重要である理由や、人を惹きつけるためにどのような原理原則が働くのかをお話ししてきました。
この第三章では、ビジネスモデルを具体的に作り上げるうえで欠かせない「集客 → 教育 → 販売 → フォロー」の四つのステップを、それぞれの特徴や考え方、実践のポイントとともに掘り下げていきます。
この四つは、言い換えれば「あなたと顧客が出会ってから継続的な関係を築くまで」の流れそのものです。
いずれか一つでも弱いステップがあると、全体の売上や顧客満足度にも影響が出てしまいます。
本章を読むことで、「自分の強みをどこに活かすのか」「どこが弱点になりやすいのか」を明確にし、改善への道筋を描いていただければと思います。
集客:誰を、どのように集めるのか
まずは「集客」のステップです。
多くの人がビジネスを始めるとき、「どうやってお客さんを集めたらいいのか」が最大の悩みの一つになるでしょう。
やり方はさまざまですが、大きく分けると「SNS」「ブログ」「広告」などに代表されるオンライン手法と、オフラインでのイベントや交流会などが考えられます。
オンライン手法は、初期投資が比較的少なくても多くの人にリーチできるという強みがあります。
一方で、オフラインは濃いコミュニケーションがとりやすく、即時に信頼関係を構築しやすいというメリットがあるでしょう。
どちらを使うにせよ大切なのは、「自分が理想とするお客さまをどのように見つけ、どのように接点を作るか」を明確にすることです。
SNS、ブログ、広告など、それぞれの特徴と活かし方
一 SNS
SNSにはツイッターやインスタグラム、ティックトック、フェイスブックなど、さまざまなプラットフォームがあります。
「SNSの最大の強みは拡散力とコミュニケーションの即時性」です。
一つの投稿がバズれば、一気に多くの人に認知される可能性があります。
しかし、注意すべきは「バズがゴールではない」という点。
SNSはあくまでも集客の入口であって、そこから「教育」や「販売」へとつなげる導線づくりが必要です。
二 ブログ
ブログは腰を据えて文章を読む層を獲得できるのが強みです。
SEO(検索エンジン最適化)を工夫すれば、検索から安定したアクセスを得ることができます。
しかし、短期的な爆発力はSNSに比べるとやや弱いかもしれません。
その代わりに、「コンテンツの蓄積」というメリットが大きく、書けば書くほど資産となっていくのが特徴です。
三 広告
広告は、一気にアクセスを増やしたい場合に有効です。
グーグル広告やフェイスブック広告、インスタ広告などを活用することで、狙ったターゲットにアプローチできます。
ただし、広告費をかける以上、「広告費をかける価値を生む商品設計」や「魅力的なオファー」がないと、投資が回収できずに終わってしまいます。
結局、どの手法がベストかはビジネスモデルや商品特性、あなたの強みにも左右されるでしょう。
たとえば、「自分はショート動画作りが得意だ」という人はティックトックやリールを中心に攻めるのが良いかもしれません。
逆に、文章で価値を伝えるのが得意な人はブログやツイッターをメインに据えると効果的です。
広告に強い人は短期間で集客数を伸ばせますが、同時に「教育」や「販売」の仕組みがしっかりしていないと赤字リスクも高いです。
自分の強み(例:ショート動画)をどう位置づけるか
集客で大事なのは、「自分の得意な武器を“正しい場所”で使う」ことです。
ショート動画が得意なのに、ブログばかり書いていては効率が悪いかもしれません。
また、文章を書くのが得意なのに、動画にこだわり続けてモチベーションを下げるのも得策ではありません。
重要なのは、自分の得意や好きなスタイルと、見込み客(ターゲット)の行動パターンが合致するプラットフォームを見つけることです。
たとえば、美容やファッションなど「視覚的な情報」が重要な分野では、インスタグラムやショート動画が効果を発揮します。
逆に、ビジネスやマネタイズ系など「理論や手順をしっかり説明する必要がある」分野では、ブログやツイッター、あるいはロングフォームの動画が向いているでしょう。
集客段階で大切なのは、「自分が発信しやすい」という視点も見落とさないこと。
継続できなければ意味がありません。
SNS運用に苦手意識があるなら、最初から複数のプラットフォームに手を出すのは控えたほうがいいかもしれません。
まずは一つ、手応えを掴んでから徐々に広げるほうが、結果的に良い成果を得やすくなります。
教育:お客さまに「納得」してもらうステップ
集客がうまくいき、いくつかのSNSフォロワーやブログ読者、あるいは広告であなたを知った人が出てきたとしても、「本当に買ってもらう」ためには、もう一段階必要なステップがあります。
それが「教育」です。
ここでいう「教育」とは、偉そうに教え込むというより、「相手があなたの商品やサービスの必要性を理解し、納得できる状態を作ること」を指します。
コンテンツ作成、ストーリーテリング、価値観の共有
一 コンテンツ作成
教育を行うためには、「何をどう伝えるか」が重要です。
例えば、ブログの記事やSNSの投稿、あるいはメールマガジン、動画コンテンツなど、あなたが発信できる手段はいろいろあります。
ここで大切なのは、「読者(視聴者)が一歩先の行動を取りたくなるような情報を提供する」ということです。
ただの豆知識や感想文ではなく、見込み客の悩みや興味を直接刺激するような情報や、実際の事例を交えた具体的なノウハウを提供すると良いでしょう。
二 ストーリーテリング
「教育」フェーズにおいて効果的な手法の一つが、ストーリーテリングです。
自分自身の体験談や、クライアントの成功事例などを物語として紹介すると、読む人は「自分にもできそうだ」「この人の言うことをもっと知りたい」と感じやすくなります。
特に、人は論理よりも感情で動く生き物です。
論理的な説明だけでは響かなかったとしても、物語(ストーリー)を通じて感情移入することで、自然と興味を深めてもらえるのです。
三 価値観の共有
教育段階で、もう一つ大切なのが「価値観の共有」です。
これは、「私がどんな想いでこのビジネスをしているのか」「私のサービスが社会にとってどう役立つのか」といった部分をしっかり伝えるということ。
価格が安いからとか、表面的にお得感があるからだけではなく、相手が共感した価値観に基づいて「これなら自分の未来を変えてくれそうだ」と信じられれば、自然と購買意欲は高まります。
教育不足が起こす「売れない」現象
もしあなたが「集客はうまくいっているのに、なぜか商品が売れない」と感じているなら、それは多くの場合「教育不足」が原因かもしれません。
フォロワーやリスト(メールアドレス等)は十分にあるのに、そこから先のステップで相手が「買う理由」をしっかり理解していないのです。
そのまま闇雲にセールスをかけても、「よくわからないからいいや」と逃げられてしまうかもしれません。
教育不足の兆候としては、以下のようなことがよく見られます。
メールマガジンやSNS投稿がただの告知ばかり
自分が提供する商品やサービスの強みを、ちゃんと相手視点で説明できていない
値段や機能ばかりを強調し、ストーリー性や価値観の共有が乏しい
こうした状態では、相手は「ふーん、そうなんだ」と他人事のまま終わってしまいます。
逆に、「自分に関係がある」「これを買えば自分の悩みが解決する!」という手応えを感じてもらえれば、価格の問題などは二の次になりやすいのです。
販売:ただ売るだけではない“セールスデザイン”
「集客→教育」の流れを経て、相手が「あなたのサービスは良さそうだ」と思い始めた段階で、ようやく「販売」のステップに入ります。
このとき重要になるのが、「セールスデザイン」という考え方です。
セールスデザインとは、単に「買ってください」と言うのではなく、相手がスムーズに購入決断できるように仕組みを設計することを指します。
価格設計、商品設計、販売心理
一 価格設計
価格はただ安ければいいというわけではありません。
むしろ、安くしすぎると「本当に価値があるのか?」と疑われてしまうケースもあります。
もちろん、相場との兼ね合いや自分のブランドイメージなどを考慮しつつ、「相手が払う金額以上の価値が得られる」と思える価格設定を目指すと良いでしょう。
二 商品設計
商品設計とは、「どんなサービスやコンテンツを、どのような組み合わせで提供するか」ということです。
例えば、オンライン講座だけを売るのか、それともコミュニティや個別サポートなども付けるのか。
物理的な商品であれば、セット販売やサブスクリプションなど、販売形態を多角的に検討できます。
ここで大切なのは、「顧客が求める結果を達成するまでを想定して設計する」ことです。
ゴールを明確にし、顧客がそのゴールに近づける手段として商品を提示することで、説得力が格段に増します。
三 販売心理
セールスの際に役立つ心理的要素は、数多く存在します。
「希少性」「限定性」「社会的証明(お客さまの声やレビューなど)」「権威性(専門家としての実績など)」などを活用することで、相手は安心感や緊迫感を得て、購入を決断しやすくなります。
しかし、「心理テクニックばかりに頼ると、根本的な価値提供を疎かにしてしまう」ので注意が必要です。
最終的には、相手が「自分の未来を本気で変えたい」と思ってこそ商品を買うのだ、という点を忘れないようにしましょう。
信頼構築と単価アップのコツ
「販売」のステップでは、さらに「信頼構築」を意識することで、単価アップやクロスセル(関連商品販売)、アップセル(上位商品販売)をスムーズに行えるようになります。
たとえば、あなたが提供するサービスのクオリティや実績を小出しに見せることも有効です。
無料コンテンツでもいいから相手に体験してもらい、そこで「なるほど、この人のサービスは信頼できる」と思ってもらえれば、高額商品に進んでもらいやすくなります。
逆に、いきなり高額商品だけを提示すると、相手は「いまいちどんな価値があるか分からないし、不安だ」と感じてしまうかもしれません。
だからこそ、「小さく体験してもらう→大きな契約へ繋げる」という流れが理にかなっているのです。
フォロー:リピーターや紹介が生む“自動化”への入り口
最後のステップが「フォロー」です。
実は、この部分を意識的に行っている人は意外と少なく、ここを強化するだけで売上が何倍も変わるケースがあります。
フォローとは、「商品やサービスを購入してくれたお客さまとの関係を維持し、さらなる成果や満足度を得てもらうこと」。
具体的には、追加オファーやコミュニティ運営、サポートの継続などが挙げられます。
コミュニティ運営、追加オファー、口コミ
一 コミュニティ運営
商品を買ってくれた人だけが参加できる限定コミュニティや、会員制サイトを用意すると、お客さま同士で情報交換が始まります。
これにより、「一人ひとりの悩みを解決しやすくなる」「顧客満足度が高まる」というメリットがあります。
また、コミュニティから新しい商品アイデアが生まれたり、既存商品の改良点が見つかったりすることもしばしば。
さらに、コミュニティ内で成功事例がシェアされれば、それが自然と口コミにつながっていきます。
二 追加オファー
一度購入してくれたお客さまは、あなたのサービスに対して一定の信頼を持っています。
そこで、関連商品や上位サービスの追加オファーを出すと、「もっと成果を伸ばしたい」「より深く学びたい」というモチベーションを持っている顧客が検討してくれる可能性が高まります。
このとき、安易に「とにかく売り込む」のではなく、相手の状況やニーズに合わせた提案が重要。
「あなたのこの課題を解決するには、こちらのサービスがぴったりですよ」と具体的に説明できれば、スムーズにアップセルやクロスセルが成立します。
三 口コミ
フォローをしっかり行うと、「この商品、すごく良かったよ」という口コミが自然に広がりやすくなります。
特に、コミュニティや追加サポートで満足度が高いと、顧客は自発的に人に勧めたくなるものです。
こうした口コミは、「新規集客のコストを削減し、ビジネスを加速させる」大きな要因になるでしょう。
何より、口コミは押し売り感が少なく、信頼度が高いため、紹介された側も安心してあなたの商品やサービスを検討できます。
「一度売って終わり」にしないための仕組み化
多くの人は、「商品が売れたらそこでビジネスの一連の流れが終了」と思いがちです。
しかし、本書で繰り返し述べてきたように、「一度売って終わり」ではなく、そこからが本当のスタートなのです。
フォロー体制を整えることで、リピーターが増え、口コミが広がり、さらなる追加オファーによって売上が安定しやすくなります。
特に、「自動化」を視野に入れるなら、フォローの仕組み作りは欠かせません。
オンライン上の会員サイトやチャットツールなどを活用して、自分が常に直接対応しなくても、顧客が情報交換や学習を進められる環境を整備すると良いでしょう。
これにより、あなたが忙しくて手が回らないときでも、お客さま同士で高め合ってくれるようになります。
この章のポイント
最後に、本章の重要なポイントを改めて整理しておきましょう。
「集客 → 教育 → 販売 → フォロー」を一本の線として捉え、各ステップが連動する仕組みを作る
「自分の強み」をどこに生かすか考え、SNSやブログ、広告などを賢く選ぶ
「教育」では単に情報提供するだけでなく、ストーリーテリングと価値観の共有によって相手に納得感を与える
「販売」ではセールスデザインが大切。価格設計や商品設計、販売心理を踏まえ、スムーズな意思決定を促す
「フォロー」をしっかり行うことで、リピーターや口コミが増え、ビジネスの安定と自動化を後押しする
この四つのステップを最初から完璧に回すのは難しいかもしれません。
しかし、章を追うごとに繰り返しお伝えしているように、「小さく試して改善する」ことが重要です。
自分の苦手なステップが見えてきたら、そこを重点的に学んだり、外部の力を借りたりして補うと良いでしょう。
たとえば、集客は得意だけど教育が苦手という人は、「商品やサービスの価値を魅力的に伝えられる人」と提携することも一つの手です。
自分一人で全部やろうとせず、コラボレーションや外注を活用することで、全体の流れを最適化できることも多々あります。
ビジネス全体を縦に捉え、どこが弱点か、どこでリソースを集中すべきかを常に意識する――これこそが、「思考の全体像」を活かす最大のメリットです。
その結果、あなたのビジネスは大きく進化し、「何が原因で売上が上がらないのか分からない」という状態から卒業できるはずです。
次章では、さらに「行動量」と「失敗を恐れない姿勢」に焦点を当て、「成果が出る人と出ない人の差」を掘り下げていきます。
どれだけ優れたビジネスモデルを理解していても、実行しなければ成果は生まれません。
行動量を増やすコツや、失敗を学びに変える思考法など、より実践的なヒントを提供しますので、ぜひ楽しみに読み進めていただければと思います。
第四章:成果が出る人と出ない人の差――「行動量」と「失敗を恐れない姿勢」
前章までで、ビジネスモデルを構築するうえで欠かせない「集客→教育→販売→フォロー」の一連の流れと、その重要性について見てきました。
しかし、いくら優れたモデルを理解していても、実際に「行動する」ことがなければ成果は生まれません。
また、行動に対して腰が重くなってしまう原因として、「失敗を恐れる気持ち」や「恥ずかしさ」「責任を負いたくない」といった心理的ブレーキが大きく関与しています。
そこで本章では、「成果が出る人と出ない人の差」を浮き彫りにしながら、行動量を増やす方法や失敗を恐れずに進むためのマインドセットを解説していきます。
「自分には難しそう」「もっとノウハウを集めてから動きたい」と考えている方にも、「一歩踏み出してみよう」と思えるような具体的ヒントをお伝えしますので、ぜひ最後まで読んでみてください。
「明日から100%完璧」より「今日から1%実践」
まず、成果を出すための第一歩として、「完璧を目指すよりも、少しずつ実践を重ねる」という考え方が欠かせません。
多くの人は、ビジネスや副業に取り組む際、「しっかり準備してから始めたい」「もう少し学んでから行動しよう」という気持ちを強く抱いています。
これは決して悪いことではありませんが、「学んでいるだけで何も動けない状態」が長く続くと、いつまで経っても成果は得られないままです。
たとえば、「SNSを活用して商品を販売したい」と考えながらも、投稿内容に悩みすぎたり、プロフィールを完璧に整えようとしすぎたりして、一向にアクションを起こせないケースは珍しくありません。
しかし、一度投稿してみないことには、実際の反応や手応えは分からないのです。
もちろん、最初の投稿は不安がつきまとうでしょう。
「誰にも見向きされなかったら恥ずかしい」「批判されたらどうしよう」など、マイナスなイメージも浮かびます。
しかし、ここで重要なのは、「行動しないまま時が過ぎるリスク」と「行動して失敗するリスク」を比較してみることです。
行動しないままでは、ゼロのまま何も進展しない可能性が高い。
一方で、行動して失敗したとしても、新しい発見や学びを得られるチャンスがそこにはあります。
つまり、失敗しても一歩進むかもしれないが、行動しないままでは一切進まないのです。
完璧主義がチャンスを奪う理由
完璧主義の人ほど、「より良い結果が出せる状態になるまで何もしたくない」という心理に陥りやすいと言われます。
しかし、実は成功している人たちを見ると、最初から完璧な状態で始めたわけではないことが多いのです。
実践してみて試行錯誤を繰り返し、徐々にクオリティを高めていったからこそ、成果を積み上げられています。
完璧を求めるばかりにスタートできない状態を、よく「三日坊主になることすらできない」と揶揄することがあります。
三日坊主になったとしても、少なくとも三日は行動できています。
しかし、完璧を求めすぎる人は、「いつまで経っても行動ゼロ」という極端な現象に陥りやすいのです。
たとえ今日一%しか改善できなかったとしても、一ヵ月続ければ三〇%の進歩になります。
それゆえ、明日から百%の理想形を目指すよりも、「今日からできる一%の実践」が結果を大きく左右するわけです。
「一歩目」が最大の難関
行動量を上げるうえで最大の難関は、「最初の一歩を踏み出すとき」にやってきます。
これは、多くの人が共通して感じるハードルで、「とにかく何かを始めてみる」ことに対して心理的抵抗が強いからです。
しかし、この最初の一歩さえ乗り越えれば、後は少しずつ慣れていくケースがほとんど。
一例として、SNS発信を始めたいのに投稿がなかなかできない人は、まず「試しに一回投稿する」と決めてください。
投稿のクオリティやいいね数などを気にしない。
結果がどうであれ、「一度投稿した」という事実は揺るぎないものとなり、自信の土台となります。
これがまさに、「今日から一%実践」を積み重ねる考え方です。
小さくテストを重ねることで“勝ち筋”を見つける
次に、成果を出す人と出ない人の差を分ける大きな要素として、「小さなテストを重ねて学習し、早めに“勝ち筋”を見つける」姿勢が挙げられます。
失敗が怖いからこそ、小規模で試す
ビジネスで大きなリスクを負うのが怖いと感じるのは、ごく自然なことです。
しかし、だからといって何もせずに安全地帯にとどまると、成長や発見はほぼ得られません。
そこで有効なのが、「小規模でテストをしてみる」というアプローチです。
例えば、新商品を開発した場合に、いきなり大量生産して大々的に販売するのではなく、まずは少量をテスト販売して顧客の反応を見る。
SNSで新しいコンテンツを作る場合も、一度投稿して反応を確かめ、ダメならすぐに修正する。
こうした「小さく早く失敗して学び、次に活かす」サイクルを回す人は、失敗を恐れながらも実行を先延ばしにしないため、成果を手に入れやすいのです。
一方で、失敗を徹底的に避けようとして大規模な準備を整えすぎると、「いざ世に出してみたら需要がなかった」という事態に直面したとき、ダメージが非常に大きくなります。
こうした最悪のシナリオを避けるためにも、小さなテストは有効な手段といえるでしょう。
検証と改善のサイクルが成果を最速で引き寄せる
小さなテストを重ねるメリットは「検証と改善を短いスパンで繰り返せる」ことです。
実際にやってみて初めて、「あ、ここを変えたほうがいいかもしれない」「思ったよりもこの部分が受けている」などのリアルな反応が分かります。
このリアルなデータをもとに修正を加えることで、「次の行動でより高い成果を狙える」わけです。
たとえば、価格設定をどうすべきか悩んでいる場合でも、一度テスト的に価格を設定して販売し、その売れ行きや問い合わせ数、顧客の反応を確かめると良いでしょう。
すると、想定より安く見られているか、あるいは高すぎると思われているかが分かってきます。
ここを理解せずにただ「自分が思うベストプライス」を押し通しても、的外れになってしまうかもしれません。
このように、「行動→検証→改善→行動」のサイクルを短期間で回すことが、成果を最速で手にする秘訣です。
逆に、行動しないまま頭の中でシミュレーションだけしていると、現実とのギャップに気づけないため、修正や改善が大幅に遅れてしまうのです。
ノウハウコレクターから脱却する方法
ビジネスに関するノウハウや情報は、今やインターネット上に無数に存在します。
さらに書籍や講座、セミナーも数え切れないほどあり、「学ぼうと思えばいくらでも学べる」時代です。
しかし、多くの人がハマりがちなのが、「ノウハウばかり集める」いわゆるノウハウコレクターの状態です。
学ぶこと自体を目的化しない
ノウハウコレクターの大きな特徴は、「学んで満足」してしまう点にあります。
もちろん勉強自体は素晴らしいことですが、学んだ内容を実践しないままでは、何も成果が生まれません。
この状態が長引くと、「あれだけ学んだのに稼げない」「もっと良いノウハウがあるはず」と新たな情報を探し続け、堂々巡りになってしまうのです。
ここで大切なのは、「学びの目的は、行動と結果を変えるため」という原則を再確認すること。
どんなに素晴らしい本を読んでも、講座を受けても、それを行動に移さなければビジネスは変わりません。
逆に、多少不完全なノウハウでも、自分で実践してみることで何らかの結果と学びが得られます。
“1冊や1講座につき一アクション”をルールにする
ノウハウコレクターから抜け出すための具体策として、私は「新しい知識を得たら、一つだけでもすぐ行動に移す」ルールを推奨しています。
たとえば、ビジネス関連の本を一冊読み終わったら、その本の中から「これならすぐに実践できそう」というものを一個だけ選んで、当日中に試す。
セミナーを受講したら、その日のうちに学んだポイントを一つだけでもブログやSNS投稿に反映させてみる、など。
このように、「学ぶ→一アクション→結果検証」の流れを作ると、ノウハウの吸収率が格段に上がります。
また、やってみると初めて気づくことが多く、「自分にはこの手法が合っている」「ここを修正すればもっと良くなる」といった発見が得られやすいのです。
結果として、「次はどんな知識が必要か」が自然に見えてきて、情報を取りに行く姿勢も能動的かつ目的志向になります。
マインドセット:失敗からの学びを積み上げる思考術
行動量と失敗への捉え方は、成功者とそうでない人の間で大きく異なるポイントです。
ここでは、「失敗をどう捉え、どう次に活かすか」という思考術を掘り下げていきます。
失敗は回避すべき敵ではなく「材料」になる
私たちは小さい頃から、失敗に対して「恥ずかしい」「情けない」「周りに迷惑をかけてしまう」という負の印象を植え付けられがちです。
しかし、ビジネスの世界で成功している人々は、失敗をまったく別のものとして捉えているケースが多い。
彼らにとって失敗とは、「成功に必要な材料」であり、「改善のヒント」をくれる重要な情報源です。
たとえば、広告を出して全然反応が取れなかった場合。
「やっぱり自分には向いてない」「もうやめよう」というネガティブな結論に至るのではなく、「なぜ反応が悪かったのか? ターゲット設定? クリエイティブ? あるいは商品自体?」と分析し、次の一手を考えます。
こうした姿勢が、失敗をそのままにせず、「成功へのステップ」へと変換しているわけです。
失敗への恐怖を薄める「段階的チャレンジ」のすすめ
それでも失敗が怖いという方におすすめしたいのが、「段階的チャレンジ」という考え方です。
これは、いきなり大きな勝負に挑むのではなく、小さいステップから段階を踏んでハードルを上げていく方法。
たとえば、SNSで大々的に商品を宣伝するのが怖ければ、まずは身近な友人や少人数のコミュニティで反応を見てもらうとか、限定公開の投稿をしてみるとか。
そうして少しずつ「小さい場での失敗や成功」を経験し、徐々に自信とデータを積み重ねながらチャレンジの幅を広げていくのです。
段階的に難易度を上げていくと、失敗したときのダメージも小さく済むため、恐怖を感じにくくなり、「もう一度やり直してみよう」という前向きな気持ちを保ちやすくなります。
行動量と失敗をコントロールするという発想
成果には運やタイミングの要素も絡みますが、「行動量」は自分でコントロールできる部分です。
そして、行動量が増えれば増えるほど、失敗の回数もある程度は増えますが、それに比例して成功のチャンスも拡大します。
言い換えれば、「失敗の数は挑戦の裏返し」とも考えられます。
失敗から得られる学びが大きければ大きいほど、次の挑戦に活かすことができるため、長期的に見れば失敗は「必要なコスト」と捉えてもいいのです。
成功者が多用する言葉に、「打席に立つ回数を増やせ」という表現があります。
これはまさに、「ヒットを打つためには三振を恐れずに打席に立つしかない」という考え方です。
つまり、「三振しない」ことを目標にするのではなく、三振も含めて打席に立つ機会を増やし、ヒットやホームランを狙うわけです。
心の抵抗を下げるための習慣づくり
とはいえ、頭では分かっていても、いざ行動に移す段階で心のブレーキが働いてしまうこともあるでしょう。
そこで効果的なのが、「小さな行動を毎日積み重ねる習慣」を作ることです。
毎朝起きたら一投稿でもいいからSNSに書き込む
一日一度は顧客や見込み客とコミュニケーションを取る
一週間に一度は新しいアイデアの小テストを行う
このように、「行動」を日常の一部として仕組み化すれば、わざわざ大きなモチベーションを奮い起こさなくても継続しやすくなります。
結果的に、失敗が怖いという感情も少しずつ薄まり、「やってみたら意外と大丈夫だった」という成功体験や、「失敗しても致命傷にはならなかった」という実感が積み重なり、前向きになれるのです。
この章のポイント
ここまで「行動量」と「失敗への向き合い方」を中心に解説してきました。
最後に、本章の要点をまとめると、次の二つがキーポイントになります。
「成果は運要素もあるが、行動量は自分でコントロールできる」
「恥ずかしさ」「恐れ」に打ち勝つ具体的ステップとして、小さくテストし、失敗を学びに変える」
成功者とそうでない人の差は、しばしばスキルや才能、運の有無といった外的要因に目が向けられがちです。
しかし、実際には、「とにかく打席に立ち、失敗を恐れずに行動し、そこから学んでリカバリーするサイクルを回せるか」こそが決定的な違いを生んでいます。
本章で紹介したように、「今日から一%の実践を積み重ねる」「小さくテストしてすぐに改善する」「ノウハウコレクターを卒業して学びを行動につなげる」「失敗をチャンスと捉える」といった考え方や手法は、誰にでもすぐに取り入れることが可能です。
もしあなたが、「自分はまだまだ勉強不足」「やっぱり失敗が怖い」と感じているなら、ぜひ本章の内容を思い出してみてください。
ビジネスや副業は、一回の成功だけでゴールではありません。
長期的に成果を積み重ねるためには、失敗に対する捉え方や行動量をどうマネージするかがカギとなります。
次章では、具体的な収益化事例を示しながら、「午前中だけの仕事で月商一〇〇〇万円を生む仕組み」や「好き×強みを掛け合わせたマネタイズ」のコツなど、より実践的なノウハウに踏み込んでいきます。
そこでも、行動量や失敗を恐れない姿勢がいかに大事なのかが再度浮き彫りになるはずですので、ぜひ引き続き読み進めてください。
第五章:具体的な収益化事例――コンテンツ販売・広告運用・コンサル
この第五章では、ここまで学んできた「全体像の思考」や「行動量」「失敗を恐れない姿勢」を、どのように具体的なビジネス収益に結びつけていくのかを詳しくご紹介します。
特に、「ひとり社長、かつ午前中だけの仕事で月商一〇〇〇万円を生む」という、ある種理想的とも言えるライフスタイルをどのように実現できるのか――その裏側を「コンテンツ販売」「広告運用」「コンサル提供」「企業案件」など具体的な領域ごとに掘り下げていきます。
多くの人が副業やフリーランスで「やりたいことを仕事にする」夢を抱えながら、なかなか収益化できずに悩みます。
しかし、「自分の強みを活かす」「小さく試して失敗を糧にする」「ビジネスの全体フロー(集客→教育→販売→フォロー)を整える」という考え方を徹底すれば、誰にでもチャンスは広がっています。
本章でお伝えする事例は、あくまでひとつの参考例であり、あなたが同じように実践できる要素を数多く含んでいます。
ぜひ「自分ならこの部分はこう真似できそうだ」「ここは自分の強みを当てはめられるかも」とイメージしながら読み進めてください。
著者の実体験から学ぶ:ひとり社長、かつ午前中だけの仕事で月商一〇〇〇万円を生む仕組み
ここでは、実際に私(チエロ)が構築してきたビジネスモデルのエッセンスをご紹介します。
“ひとり社長”でありながら、また“午前中だけの仕事”でありながら、月商1000万円というインパクトのある数字を達成するには、それなりの仕組みが必要です。
TikTokやSNSでの集客
一 ショート動画の爆発力
「ショート動画の特徴は、一瞬のインパクトで広く拡散されやすい」こと。
たとえば、ティックトック(TikTok)やインスタのリール、YouTubeショーツなどでは、ほんの数秒の動画で視聴者を惹きつけられれば、一気にフォロワー数が伸びる可能性があります。
私の場合、大道芸の延長線上で「短い時間でインパクトを与える演出」が得意だったこともあり、ショート動画との相性は抜群でした。
二 ブランディングとストーリーテリング
しかし、動画がバズったとしても、そのまま売上になるわけではありません。
大事なのは、「自分がどんなキャラクターで、何を提供しているのか」をストーリーとして示すこと。
見る人に「この人のコンテンツをもっと知りたい」「この人から学びたい」と思ってもらえるようなブランディングを継続的に行うと、フォロワーが一時的なファンではなく、いずれ商品を購入してくれる可能性の高い見込み客へと育ちます。
三 SNS連携とコミュニティ化
ティックトックの短い動画では、詳しい説明をするのが難しい場面も多々あります。
そこで、「動画を見てもらったら、プロフィールリンクからブログやメルマガ登録フォームへ誘導する」など、他のSNSやメディアに連携する導線を用意します。
とくに、私の場合は「コミュニティや無料の勉強会」を実施し、そこに集まった人たちがさらに深く学べる場を提供。
単純にフォロワー数を増やすだけでなく、関係性を濃くすることを意識しました。
自社コンテンツ(講座・note・Brain など)の販売
一 小さな成功体験を商品化
多くの人が「商品を作るのは難しそう」「コンテンツ販売ってハードルが高い」と思いがちです。
しかし、実は「少し前の自分が知りたかった情報」をまとめるだけでも、立派な商品になります。
例えば、私が最初に販売したのは「ショート動画で集客を伸ばす基礎講座」のようなコンテンツでした。
数〇週間でフォロワーを爆増させた事例や、バズる動画の作り方をわかりやすくまとめ、リーズナブルな価格帯で提供したのです。
二 noteやBrainなどのプラットフォーム活用
「自分のサイトで決済システムを構築するのは難しい」と思う方も安心してください。
最近はnoteやBrainなど、コンテンツ販売を簡単に始められるプラットフォームが増えています。
私も初期はnote、Brainを活用し、販売ページの作成や決済などを効率化。
プラットフォームが持つ集客力も手伝って、思いのほかスピーディに売上が伸びていきました。
三 値上げと上位商品の導入
初期のコンテンツがある程度評価されると、徐々に「もっと専門的な内容を学びたい」「コンサルしてほしい」という声が集まり始めます。
そこで、コンテンツ自体のアップデートや、より高額なコンサルサービスを立ち上げる流れに自然と移行します。
「最初から高額商品を作るのは抵抗がある」という場合でも、小さな商品から始めて実績と自信を積み上げ、少しずつ価格帯を上げていくのも賢い方法です。
アドアフィリエイト・コンサル提供・企業案件
一 アドアフィリエイト(広告運用)の魅力
一般的なアフィリエイトは、商品リンクをブログやSNSでシェアし、それを見た人が購入すれば報酬が入る仕組みです。
一方、「アドアフィリエイト」とは、広告を使って商品やサービスを拡散し、成果報酬を得る手法を指します。
広告運用に慣れていない方は最初抵抗を感じるかもしれませんが、集客→教育→販売の流れを設計しておけば、広告費を投下しても十分なリターンが期待できる場合があります。
私の場合、ショート動画のノウハウを活かして広告用の動画を作り、短期間で大きく売上を伸ばすことができました。
二 コンサル提供
コンテンツ販売を通じて、「もっと直接指導を受けたい」「個別に相談したい」というニーズが生まれると、コンサル提供に展開する道も開けます。
コンサルの利点は、単価を高く設定しやすいということ。
その代わり、顧客へどれだけ深くコミットできるか、問題解決にどれほど具体的に寄り添えるかが問われます。
私の場合は、オンラインミーティングを定期的に行い、SNS運用やビジネスモデルの作り方を直接指導する形で成功事例を生み出し、さらに口コミが広がる好循環を作りました。
三 企業案件
個人で活動していても、企業案件を獲得することは十分可能です。
たとえば、SNS運用に長けているなら、「企業の公式アカウントをコンサル・運用代行する」というサービスが考えられます。
また、アドアフィリエイトの知見があれば、企業の商品を広告配信で広める役割を担うこともできるでしょう。
企業側は、最初は「フリーランスに任せるのは不安」という場合もありますが、コンテンツ販売やコンサル実績など、「自分の得意領域を証明」できる材料を積み上げていけば、信頼度は上がります。
「好き」×「強み」を収益に変えるコツ
上記のように、一口に「稼ぐ手段」と言っても無数に選択肢があります。
そのなかで重要なのは、やはり「自分が好きなこと」と「自分が強みを発揮できること」を見極める力です。
これまでの章でもお伝えしてきたように、個人がビジネスで成功し続けるためには、「長く続けられるモチベーション」が欠かせません。
単純に「儲かると聞いたから」と飛びついても、自分に合わないと苦痛が大きく、長期的に稼ぎ続けるのは難しいでしょう。
自分の得意ジャンルを武器にする
ここで重要なのが、「得意ジャンルや過去の経験をどう活かすか」という視点です。
たとえば、私は大道芸というオフラインでのパフォーマンス経験を持っていました。
その「短い時間で相手の心をつかむ技術」が、ショート動画との相性が良かったのです。
あなたにも、これまで積んできた経験や技術があるはずです。
それは学生時代の部活かもしれないし、過去に働いたアルバイトで培った接客スキルかもしれない。
あるいは子育てや家事の知恵、車やバイクの整備が得意、英語やデザインができる――何でも構いません。
「自分にとっては当たり前でも、他の人にとっては貴重なノウハウ」というケースが数多く存在します。
マネタイズの複線化と優先順位づけ
ひとたび「自分の強み」を活かす軸が見つかったら、そこから「どうやってマネタイズするか」を複数パターン考えてみると、ビジネスの安定度が増します。
以下のようなモデルをイメージすると良いでしょう。
基礎講座(低単価)
中級講座(中単価)
コンサルや継続サポート(高単価)
コミュニティやメンバーシップ(サブスク)
企業案件やアドアフィリエイト(短期集中で大きな売上を狙う)
とはいえ、最初から全部を同時にやる必要はありません。
「まずは1つ売れる商品を作る → 売れる実感が得られたら別の商品も追加」という流れで、徐々に複線化するのがおすすめです。
同時進行で手を広げすぎると、どれも中途半端になってしまいがちなので、優先順位を常に意識してください。
「横転」の思考――得たノウハウを他の媒体にも応用する
実際にビジネスを軌道に乗せてくると、「今度はYouTubeでも展開したい」「リアルセミナーを開催したい」など、新たなアイデアが浮かんでくるでしょう。
ここでポイントになるのが、「横転の思考」です。
「横転」とは、「あるプラットフォームや商品で得たノウハウを、別の形で横に転用する」こと。
たとえば、ショート動画でバズるノウハウを磨いたら、それをYouTubeのショーツやインスタリールに横展開する。
あるいは、コンテンツ販売で培った販売ページの作り方やセールスコピーの知識を、コンサル案件に応用する――そうした“再利用”の意識を持つと、短期間で新しい市場にもアプローチしやすくなります。
具体的には、以下のような例が挙げられます。
TikTokでバズった動画のスクリプトを再編集し、YouTubeショーツでも公開する
コンテンツ販売で成功したランディングページの構成を、別ジャンルの商品ページにも当てはめる
オンライン講座で使用した資料をまとめて、企業向けの研修教材として販売する
このように、「一度作った仕組みやノウハウを、いかに再利用するか」を常に意識すると、労力を抑えつつ売上の上乗せが狙えます。
コミュニティ型ビジネスへの展開――“集めるだけ”から卒業
いろいろな収益手段を試すうちに、「顧客同士が交流し、情報や経験をシェアする場を作れないか」と考えるようになる人も少なくありません。
これが、いわゆるコミュニティ型ビジネスの発想です。
コミュニティが生む利点
一 学びと実践をサポートする
コミュニティ内では、メンバー同士が互いの学びを助け合ったり、成果を報告し合ったりできます。
これにより、一〇人の顧客に対して一〇回フォローする必要があるところを、メンバー同士が半自動的に情報交換してくれるようになり、運営側の負担が大幅に減る場合があります。
二 リピート率アップ
コミュニティに参加していると、その場が心地よいものになれば、継続率が高くなります。
受講期限が終わったら即退会、という形ではなく、「居心地の良いサロン」「成長し続けられる場」として長期間所属してもらいやすくなるのです。
三 追加商品やサービスの自然なクロスセル
コミュニティ内でメンバーの悩みや目標を日常的に把握できるので、「このタイミングでこのサービスを紹介すると役立ちそうだ」という気づきも生まれます。
また、メンバー同士の交流のなかで、別の高額商品や企業案件の提案がスムーズになることも多々あります。
“集めるだけ”から卒業するメリット
これまでにも何度か述べてきたように、「フォロワーを増やすだけ」や「たまたまバズるだけ」では、長期安定のビジネスにはなりにくいです。
コミュニティ型のビジネスを展開すると、「一度きりの購入では終わらない」関係性を育むことができます。
これは、ビジネスとしての安定感が高まるだけでなく、「お客さまの成果に最後までコミットできる」という大きなメリットにもつながります。
例えば、オンラインサロンや会員制コミュニティでは、商品を買って終わりではなく、「学習の継続」「成果の共有」「成功体験の再現性」を提供しやすいです。
成功体験の共有が生まれると、そこから新たな学びや仲間意識が生まれ、さらに強固なコミュニティとなっていきます。
結果的に口コミや紹介も増え、「自分自身はそれほど広告を打たなくても、コミュニティメンバーが勝手に広報してくれる」という現象が起こるわけです。
もちろん、コミュニティを維持するには運営者としての心配りや、適切なルール作り、メンバー同士の衝突を避けるための調整など、さまざまな課題が出てきます。
しかし、それらをクリアしていけば、「集めるだけ」から卒業して、安定的かつ長期的に成長し続けるビジネスモデルを構築できるのです。
この章のポイント
最後に、本章の重要なポイントを改めて整理しましょう。
「コンテンツ販売」や「広告運用」「コンサル」など、収益化の手段はさまざま。自分の強みと結びつけて選択するのが重要
「好き×強み」を武器にすることで、長期的にモチベーションと成果を両立できる
マネタイズは1つずつ軌道に乗せ、徐々に複線化していくことで安定度が増す
「横転の思考」によって、既存のノウハウやコンテンツを別媒体や別商品に再利用し、効率的な拡大を図る
コミュニティ型ビジネスを導入すると、“集めるだけ”から卒業し、顧客と継続的な関係を築きやすくなる
ここで紹介した事例や手法は、あくまでひとつの成功パターンですが、多くのビジネスパーソンが同様のステップを踏んでいます。
最初から何もかも一度に真似するのは難しいかもしれませんが、「自分の得意や好きなことを活かして小さく始める」という点だけでも、すぐに取り入れられるでしょう。
いずれにせよ、ビジネスの全体像を理解し、どこで何をするかを戦略的に考えることが鍵になります。
「好きだけどどう稼げばいいかわからない」「SNSのフォロワーは増やせたのに売上が伸び悩む」といった方は、ぜひ本章の事例をもとに、自分の強みを再確認してみてください。
次の第六章では、さらに「月収一〇〇万円・月商一〇〇〇万円の壁をどう超えるのか」というテーマに切り込みます。
具体的には、単価アップのシナリオ設計や、自動化・外注化の手法、そして「やりたいこと」と「稼ぎたいこと」を両立させる考え方などを探っていきます。
ビジネスをさらなる高みへと引き上げたい方や、既にある程度の成果を出しているが「次のステージ」を目指す方にとって必須の内容ですので、お楽しみに。
第六章:月収100万・月商1000万の壁を超える仕組み化と単価アップ
これまでの章で、ビジネスの全体像や基礎設計、そして行動量の重要性などをお伝えしてきました。
本章では、「さらに高みを目指すために欠かせない仕組み化と単価アップ」というテーマに深く踏み込みます。
個人や少人数でビジネスを運営していると、売上がある程度伸びた段階で「なかなか次のステージに行けない」という壁にぶつかることが多いものです。
ここでは、その壁を突破するための具体的な考え方や戦略を解説していきます。
なかでも、「単価アップ」というのは多くの人にとってハードルが高いと感じられるポイントでしょう。
「高い金額を提示したらお客さんが離れてしまうのでは?」「自分にそんな価値があるのだろうか?」といった不安が頭をよぎるかもしれません。
しかし、正しいステップと仕組みを踏めば、高単価商品を提供することはお客さまやビジネス双方にとって大きなメリットとなり得ます。
また、同時に大事なのが「仕組み化」です。
月収五十万や月収百万円までは個人の力でなんとか頑張ることはできるかもしれません。
しかし、さらに上の月商一〇〇〇万円規模を安定的に維持しようと思ったら、自分一人の稼働だけでは限界があります。
いかに外注やチームビルディング、ツール導入などを活用し、「自分がいなくても回る仕組み」を作るかが肝です。
それでは、以下の三つの小見出しに沿って、具体的な戦略を順番に見ていきましょう。
単価アップのシナリオ設計――なぜ高単価を恐れてしまうのか
まずは、なぜ多くの人が「高単価」を恐れてしまうのか、その心理的な壁を紐解いていきます。
それを乗り越えるためには、「セールストークとブランディングの強化」「お客様と深く繋がる教育・販売フェーズづくり」が欠かせません。
セールストークとブランディングの強化
一 高単価を恐れる根本原因
高単価を設定するとき、多くの人が感じるのは「こんな値段で本当に買ってもらえるのか?」という不安です。
その背景には、「自己評価の低さ」や「相手が高いと感じたらどうしよう」という恐れが潜んでいることがほとんど。
しかし、この不安は裏を返せば「自分が提供する価値をしっかりと伝えきれていないかもしれない」という表れでもあります。
二 ブランディングが先か、価格設定が先か
結論から言えば、「ブランディングと価格設定は同時進行」で考えるのが理想です。
ブランディングがしっかりしていれば、高単価でも「やっぱりこの人にお願いしたい」と思ってもらいやすくなります。
反対に、価格を高く設定してもブランディングが弱いと「なんでそんなに高いの?」と不信感を抱かれがちです。
つまり、「高単価を支えるだけのブランドイメージ」を構築することが先決なのです。
三 セールストークを変えるだけでも印象は大きく変わる
セールストークとは、文字通り「販売時のトーク(文章・口頭問わず)」ですが、実はブランディングとも密接に関連しています。
たとえば、自分の経歴や実績を魅力的に語り、「なぜこの商品にそれだけの価値があるのか」をロジカルかつストーリー性をもって伝えるだけで、相手が抱く印象はガラリと変わるのです。
ここで重要なのは、「相手が求めている成果や未来を軸に、価値を提示する」こと。
価格だけでなく、価格以上のメリットが得られると相手に確信してもらうことが重要になります。
お客様と“深く繋がる”教育・販売フェーズの作り方
一 商品の背景や想いをしっかり語る
高単価商品を提供する際に効果的なのが、「商品の背景や想い、こだわり」をしっかり語ることです。
これは単なる自己満足のためではなく、購入者にとって「なぜあなたから買うべきなのか」を納得するための材料でもあります。
市場に似たような商品やサービスが溢れているからこそ、あなた独自のストーリーや価値観に共感してもらうことが、高単価への抵抗感を減らす大きなポイントとなるのです。
二 コミュニケーションの密度を高める
高単価商品を提案する場面では、メールやチャットなどテキストベースのやり取りだけでなく、Zoomや対面での相談など、コミュニケーションの密度を高める手段を用意しておくとよいでしょう。
なぜなら、高価格帯の商品ほど購入を決断するハードルが上がるため、「相手が直接質問し、不安を解消できる場を設ける」ことが極めて重要だからです。
特に、相手の悩みや目的を丁寧にヒアリングし、それに合わせて商品内容をカスタマイズできる余地があれば、より納得感を得られやすくなります。
三 教育フェーズの強化が高単価のカギ
前章でも触れたように、「教育フェーズ」が弱いと、どんなに良い商品やサービスでも高単価では売れません。
なぜなら、お客さまは高価格を払う動機として、「それだけの価値がある」と感じる確かな理由を求めるからです。
ブログやSNS、メールマガジン、セミナーなどを通じて、あなたの提供価値を理解してもらう施策を徹底しましょう。
価格を上げるより先に、教育フェーズを見直して「この商品は他にない独自の価値がある」と認識してもらう流れを作るのです。
コンサルやサービス提供の限界を突破するには
単価アップを考えるうえで、コンサルやサービス提供モデルをメインにしている人が特に直面しやすい問題があります。
それは、「自分の稼働時間が増えすぎてしまい、体力的・時間的に限界が来る」ということです。
ここでは、その限界を突破するために必要な、「外注化・チーム化・組織化」と「自動化の導入」について見ていきましょう。
外注化・チーム化・組織化を視野に入れる
一 「自分だけ」で頑張る限界
個人ビジネスで月収五十万や月収百万円を目指すまでは、正直「自分一人」で頑張っても到達できることがあります。
しかし、月商一〇〇〇万円レベルになると、どうしても自分一人のリソースでは足りなくなるケースが多いです。
そこで、「外注化やチームビルディング」が必要になってきます。
たとえば、デザインや動画編集、事務作業、カスタマーサポートなどは、専門家やアシスタントに任せることで、あなた自身はより高付加価値の仕事に集中できるようになるでしょう。
二 チームを作るメリット
人を雇う、あるいは外部スタッフと契約すると、コスト面の負担が気になるかもしれません。
しかし、「あなたの時給がより高い仕事に集中できる」ことを考えれば、むしろプラスになることが多いです。
また、チームがあると他の人の視点やアイデアが加わり、新たなプロジェクトや商品開発にも取り組みやすくなります。
チームビルディングでは、信頼関係やコミュニケーションが極めて大切ですが、そこで得られるリターンは計り知れません。
三 組織化のステップ
外注化やチーム化を進める際は、いきなり大人数を抱える必要はありません。
むしろ、「必要最低限の業務から順に外注し、少しずつ拡大する」ほうがリスクを抑えられます。
最初は週に数時間だけ手伝ってもらう程度でも、あなたの作業負担が軽減され、その分の時間で高単価コンサルや新規事業の検討に回せるとしたら、十分にメリットがあるといえるでしょう。
自動化を進めるためのツール選び・導入手順
一 自動化とは何か
自動化と聞くと、システムやAIなどを想像する人もいるかもしれません。
確かに、それらを使うことで一気に省力化できる場面もあるでしょう。
しかし、「自動化の本質」はツールやシステムだけに依存することではなく、仕組みを作ることです。
具体的には、次のようなステップを踏むとスムーズに自動化を進めやすくなります。
業務をすべて書き出し、優先順位と重要度を整理する
繰り返し発生するタスクや、マニュアル化できる作業を洗い出す
ツールや外注化で代替できる部分を明確にする
小さく導入テストをして不具合がないか検証する
問題なければ本稼働に移行し、都度フィードバックを回す
こうしたプロセスを踏むことで、「自分しかできない仕事」と「他の人やシステムに任せられる仕事」が分離され、あなたが本当に注力すべき領域を確保できるのです。
二 具体的なツール活用例
たとえば、決済や会員管理などはオンラインで自動化しやすい分野です。
サブスクリプションモデルを取り入れる場合、特定のツールを活用すれば、顧客が自動的に決済され、メンバーサイトにログインできる仕組みを整えられます。
メールマガジンやチャットツールなども、シナリオを設定しておけば顧客の行動に応じて自動でメッセージを送信するなど、「顧客との接点を手間なく継続」できるのが魅力です。
三 導入手順と注意点
自動化ツールは数多く存在しますが、「一気にすべて導入しようとしない」のがポイントです。
一つ導入するたびに、現場との連携やトラブルシューティングをきちんと行い、使いこなせるようになってから次の導入を検討するほうが失敗が少ないでしょう。
また、どんなに優れたツールでも、顧客体験(CX)が損なわれては本末転倒です。
自動化と顧客満足度のバランスを考えながら、「必要な部分だけ着実に導入する」ことが成功への近道です。
「やりたいこと」と「稼ぎたいこと」を両立させる思考
月収百万円や月商一〇〇〇万円を目指す中で、もう一つよくある悩みが「自分の大事にしたい価値観を捨てないままスケールするには?」という問いです。
ビジネスを大きくすると、どうしても効率性や売上重視になりがちで、「本当にやりたいことを見失ってしまうのではないか」と感じる方も多いでしょう。
ここでは、「価値観を軸にしながら成長を目指す方法」と「クライアントファーストと自己実現のバランス」について考えてみます。
自分の大事にしたい価値観を捨てずにスケールさせる方法
一 価値観とは“あなたらしさ”の根幹
ビジネスを拡大していくと、多くの選択肢が生まれます。
そのときに「やるべきこと」と「やりたいこと」がズレてしまうと、仕事への熱意やモチベーションが下がってしまうこともあります。
しかし、「自分の価値観を軸に据えたビジネス展開」を心がければ、どれだけ規模が大きくなっても、軸がブレにくくなるのです。
二 価値観をビジョンに落とし込む
単なる「好き嫌い」や「やりたいことリスト」だけでは、組織化や外注化が進むにつれて他の人に共有しづらいです。
そこで、「自分の価値観をビジョンとして明文化する」ことが効果的。
「なぜこのビジネスをしているのか」「このビジネスを通じて世の中をどう変えたいのか」など、言語化できれば、スタッフやクライアントとの共有もしやすくなり、ブレが減ります。
三 スケール戦略と価値観の統合
スケールアップの戦略を考える際、つい「売上」や「マーケット規模」だけに目が行きがちです。
しかし、そこで「自分の価値観に合わない販促方法やコスト削減」が必要とされるときは要注意。
もし違和感があるなら、「別の方法でスケールできないか」を模索しましょう。
たとえば、無理に低価格大量販売で市場を取りに行くのではなく、高単価で少数の顧客により濃密なサービスを提供し、口コミで広げる道もあります。
「自分らしく稼ぐ」というのは、こうした柔軟な思考の中で生まれるのです。
“クライアントファースト”と“自己実現”のバランス
一 クライアントファーストとは何か
ビジネスでお金をいただく以上、「クライアントの成果を最優先に考える」という姿勢は大切です。
しかし、それが行き過ぎると「自分の健康や生活を犠牲にしてでもクライアントのために働く」という状態になりかねません。
また、クライアントの要望がどんどんエスカレートしてしまい、気づいたときには自分の方が心身ともに疲弊している、ということもあるでしょう。
二 自己実現の重要性
一方で、ビジネスを続けるうえでは「自分自身が成長し、満足感を得ること」も大切です。
特に、クリエイター的な要素が強い仕事や、コンサル系の仕事では、自分がワクワクしなければ良いアウトプットはできません。
そこで考えるべきは、「クライアントファーストと自己実現を両立させる仕組み」をどう作るか、という視点です。
三 両立させるための具体策
たとえば、「あらかじめ契約内容を明確化する」ことで、クライアントの無制限な要求を抑えつつ、必要十分なサポートはきちんと行う方法があります。
期限や回数、内容などを事前に定義し、その範囲で成果を出すことに集中すれば、あなたもクライアントも納得感を得やすいでしょう。
また、「あなた自身が興味を持てる案件を選ぶ」というのも大事な戦略です。
仕事を選べるようになることこそ、高単価を設定する意味でもありますし、自己実現度合いの高いビジネスを続けるモチベーションにもなるのです。
この章のポイント
本章の要点をまとめると、次のようになります。
「高単価」への恐怖は、自己評価やブランディング不足から来ることが多い。セールストークと価値伝達を強化すれば乗り越えられる
月収百万円・月商一〇〇〇万円を安定して稼ぐには、自分の稼働時間だけでは限界がある。外注化・チーム化・自動化で仕組みを作り、自分のコア業務に集中する
やりたいことと稼ぎたいことを両立させるには、価値観をビジョン化し、それに沿ったスケール戦略を練り、クライアントファーストとのバランスをとる
いずれも、“個人”ビジネスの限界を打破し、より大きな売上・安定収益を狙うための施策です。
ただし、最初からすべて完璧にできるわけではありません。
「小さく早く失敗する」という考え方をもとに、まずは自分がすぐに取り組める一歩を探してみてください。
例えば、今まで自分の時間を売るコンサルモデルばかりだった人なら、まずは外注化やツール導入でリソースを空け、その空いた時間を使って新たな高単価商品を設計してみるのはいかがでしょうか。
あるいは、まだ月商が五十万円~百万円の段階で、これから拡大を目指したいという人は、「フォロー体制」や「自動化の導線」を見直すだけでも売上は大きく変わります。
どんなビジネスでも、「仕組み」を意識しないと、いずれ自分自身がボトルネックになりかねません。
自分が動いている間しか売上が立たないのでは、仮に体調を崩したときやプライベートで忙しいときに大きく収入が落ちてしまいます。
これは非常にリスクの高い状態です。
しかし、仕組み化を進めて「自分がいなくても回る部分」を育て、さらに高単価の商品を通じて「少数の顧客から十分な収益を得る」ことができれば、ビジネスに安定と余裕が生まれます。
その余裕が、次の新しい挑戦や自己実現の機会を与えてくれるのです。
次章である「終わりに」では、本書全体を振り返りつつ、「好きなことを仕事にする」最終的なゴールとは何か、そして「行動」によってどう人生が変わるかを締めくくりとしてお話しします。
ここまで読んでくださったあなたは、もう気づいているかもしれません。
「ビジネスとは、自分と顧客の未来を作るクリエイティブな営みである」ということを。
どうか、この章で得た考え方やアイデアを、自分のビジネスモデルに当てはめてみてください。
高単価と仕組み化は、決してお客さまから搾取する手段ではなく、むしろ「Win-Winの関係」を築きながらあなた自身が自由に生きるための手立てなのです。
終わりに
ここまで本書を読み進めてくださり、誠にありがとうございます。
本書では、「ビジネスモデルの全体像を理解すること」の大切さを何度も強調してきました。
それは、たとえ有用なテクニックをいくつ知っていても、集客・教育・販売・フォローが連動していなければ、成果を大きく伸ばすことは難しいからです。
また、「好きなことを仕事にしたい」「自由な働き方を実現したい」という方に向け、失敗を恐れずに小さく早くテストを重ねていく重要性についてもお伝えしてきました。
そして、フォロワー数やPV数などの表面的な数字だけを追いかけるのではなく、いかにして「顧客に深く寄り添い、価値を感じてもらうか」が鍵になるという話も繰り返してきました。
最初のうちは誰しも、成果がなかなか出ずに焦ったり、いろいろな情報に手を出して迷走してしまったりするかもしれません。
しかし、ビジネスモデルの「全体像」を見通して行動すれば、少しずつあなたが行うことの優先順位は明確になり、結果として売上や自由な働き方への道が開けていくはずです。
この「終わりに」では、本書を通じて伝えたかったエッセンスを改めて整理し、「好きなことを仕事にする」というゴールと、そこに至るまでの行動、そしてその先の未来についてお話しします。
「好きなことを仕事にする」を実現する最終的なゴールとは
多くの人が望む、「好きなことを仕事にしたい」「自分の得意を活かして生きていきたい」という目標。
これらを叶えるために副業や起業を始め、SNSやアフィリエイト、コンテンツ販売などに挑戦している人は少なくありません。
しかし、ここでしばしば誤解されるのが、「好きなことなら努力しなくても楽勝で稼げる」という幻想です。
実際には、「好き」を軸としながらも、その「好き」を“顧客にとっての価値”へと転換しなければ、ビジネスとして成り立たないのが現実です。
たとえば、絵を描くのが好きな人が、その絵をオリジナルグッズとして販売する場合、お客さまが「このグッズを使うと自分の生活がこう変わる」「この絵を見ると心が癒やされる」と感じてくれてこそ、購入してもらえるわけです。
ただ「絵を描くのが好き」だけでは、なかなか売上につながりにくいのです。
そこで必要なのが、「顧客目線での商品設計」と「継続的にファンを惹きつける仕掛け作り」です。
これまでの各章で述べたように、集客して教育し、販売し、フォローするという一連の流れをシステム化するからこそ、「好き」×「ビジネス」の方程式が完成するのです。
そして、その仕組みを軸にスケールアップや自動化を検討すれば、より大きな収益を得ながら自分の時間も確保できるようになるでしょう。
では、なぜ「好きなことを仕事にする」ことがそんなに大切なのでしょうか。
理由は人それぞれですが、多くの場合、好きなことには「情熱と探究心が尽きない」という特徴があります。
ビジネスはうまくいくときもあれば、壁にぶつかるときもある。しかし、そもそも自分がワクワクできる領域であれば、試行錯誤を楽しんで続けやすい。
結果、他の人よりも深い知識やノウハウを身につけることができ、独自の価値を生み出せるのです。
また、「好き」だからこそ、長期的に見たときにストレスを少なく事業を続けられるのもメリットです。
世の中には、「儲かりそうだから」と始めたビジネスで、すぐに燃え尽きたり、やる気を失ってしまう人が少なくありません。
その点、好きな分野であれば、自分が楽しいと感じることから離れずに済むため、挫折しにくく、モチベーションを高く維持しやすいのです。
最終的なゴールは、「自分が心から取り組みたいと思える仕事を通じて、顧客にも大きな価値を与え、対価として十分な収入を得る」という姿でしょう。
本書で示したビジネスモデルの全体像を踏まえつつ、自分の「好き」をどのように顧客の求める価値に変換し、どのように安定した収益源にしていくか。
そのプロセスこそが、「好きなことを仕事にする」ための王道だといえます。
あなたも“行動”を積み重ねれば必ず変われる――著者からのメッセージ
ここまで読んできて、「自分にはまだできないのでは?」「周りの人はもっと才能があったり、特別なスキルを持っているのでは?」と思う方もいるかもしれません。
しかし、本書で何度もお伝えした通り、「ビジネスの成果は行動量とテストの回数に大きく依存する」のです。
著者である私自身、もともとはただの大道芸パフォーマーで、月に五百円しか稼げないこともありました。
そこから様々な失敗を重ね、ウェブの世界で集客やコンテンツの売り方を学び、少しずつビジネスモデルを確立してきたのです。
その過程で、あるとき「集客ばかりやってもダメなんだ」「教育や販売、フォローの仕組みをセットで考えないとムラが出る」と痛感し、少しずつ全体像を意識できるようになりました。
そして、行動量と改善サイクルを増やすにつれて、「失敗が怖い」という感情は徐々に薄れていきます。
なぜなら、失敗はむしろ大きな学びを得るチャンスだとわかってくるからです。
例えば、広告を打ってみて赤字になったとしても、それは「こういうクリエイティブやターゲティングはダメなんだ」とわかる貴重なデータです。
そのデータをもとに改善すれば、次はもっと効果的な施策を打てる可能性が高くなります。
「行動は裏切らない」。
この言葉を聞いたことがあるかもしれませんが、本書の内容を実践してみると、まさにその通りだと実感できるはずです。
どれだけ優秀な頭脳を持った人でも、行動しなければビジネスは動きません。
逆に、特別な才能がなくても、「小さく早く失敗して学ぶ」姿勢を貫けば、少しずつ確かな成果が積み上がるでしょう。
さらに、行動を重ねていくうちにあなた自身の強みや適性もクリアに見えてきます。
「やはり、自分には動画制作が向いていたんだな」と気づくかもしれませんし、あるいは「意外とSNSよりもブログで長文を書いたほうが反響が大きい」とわかることもあるでしょう。
こうした発見は、やってみないと得られません。
「頭で考えているだけでは、いつまで経っても仮説は仮説のまま」なのです。
もし、あなたが「まだ一歩踏み出せない」とためらっているなら、ぜひ一度、ほんの小さな行動でもいいので始めてみてください。
SNSなら、まずは一日一回投稿してみる。
商品アイデアがあるなら、友人や知人に試しに見せて反応をもらってみる。
そうして生まれた失敗や成功体験が、次の行動へとあなたを導いてくれます。
最後に:本書を活用し、最初の一歩を踏み出したその先へ
本書は、「集客 → 教育 → 販売 → フォロー」というビジネスモデルの全体像を軸に、あなたが「好きなこと」を仕事にして安定収益を得るための具体的なステップをまとめたものです。
最後に、これをどう活用し、あなたの人生を変える最初の一歩につなげていけばいいのかをお伝えしたいと思います。
一 自分のビジネスに落とし込み、足りない部分を補う
まずは、「集客・教育・販売・フォロー」のうち、自分がいまどこに課題を抱えているかを振り返ってみてください。
たとえば、「SNSでフォロワーは増えてきたけれど、商品が全然売れない」なら、教育や販売のステップに不足があるかもしれません。
あるいは、「商品は売れるけれどリピーターが育たない」という場合は、フォロー体制を強化する必要があるでしょう。
本書で解説してきた各章の内容を再度読み直し、「自分のビジネスモデルをどうアップデートすればいいか」を洗い出してみてください。
そうした作業をするだけでも、次に打つべき手がクリアになるはずです。
二 行動しながら学び、継続的に改善する
次に、一度で完璧にしようとは思わず、小さいステップを踏みながらテストを繰り返しましょう。
もし新しいSNSの運用を始めるなら、まずは1日1回、2週間ほど投稿してみて反応を確かめる。
「教育フェーズを強化するためにメルマガやブログを書こう」と決めたなら、最初は週1本からでもいい。
大切なのは、「行動→結果を分析→改善」のサイクルを継続的に回すことです。
このとき、たとえ大きな失敗をしても、それは貴重な学びの材料。
一度で成功しないのは当たり前という前提で、長い目で見ることが重要です。
三 「好き×価値提供×仕組み化」で未来を広げる
最後に、好きなことを仕事にしたいなら、ぜひ「好き×価値提供×仕組み化」の視点を意識してください。
好きなことを軸に、顧客が求める価値を見いだし、それをビジネスモデルに組み込む。
そして、「自分が得意なことだけに集中できる仕組み」や「リピートや口コミが生まれやすい仕組み」を整備していくのです。
これが本書で何度も強調してきた、集客・教育・販売・フォローの一貫システム。
ビジネスの世界は常に変化しています。
新しいSNSが登場したり、広告手法がアップデートされたりと、テクニック面では日々新しい情報が出てくるでしょう。
しかし、「人は価値を感じたものに対価を払う」という原理原則は変わりません。
あなたの発信やコンテンツが、相手の悩みをどう解決し、どんな明るい未来をもたらすのか。
その核心をしっかり押さえていれば、どんな変化の波が来ても柔軟に対応できるはずです。
四 本書を読み返し、次なる一手を考える
もし今、あなたの頭の中に「やるべきこと」がいくつも浮かんでいるのだとしたら、ぜひ「行動の優先順位」を決めてみてください。
優先順位の決め方がわからなければ、改めて「全体像」を思い出し、いま自分が一番力を入れるべきステップはどこなのかを確認する。
そして、一つひとつを落ち着いて実行し、結果を見ながら修正していくのです。
その過程で、本書を何度でも読み返してください。
「目次や各章のポイントを眺めるだけでも、頭が整理される」ことはよくあります。
1回読んだだけでは理解できなかった部分が、実際に手を動かしてみた後に読み返すと「なるほど、こういうことだったのか」と腹落ちするケースも珍しくありません。
以上が、本書を締めくくるにあたって伝えたいメッセージです。
「行動しなければ、すべては絵に描いた餅である」――これはビジネスの世界だけでなく、あらゆる領域に共通する真理ではないでしょうか。
本書が、あなたのビジネスや人生の一助となり、少しでも「やってみよう」「次のステップに挑戦しよう」という気持ちを高めるきっかけになれば幸いです。
あなたが、「好きなことを仕事にし、自由な働き方を実現し、周囲の人にも喜ばれるビジネスを展開する」その未来は、必ずや訪れます。
本書との出会いが、その未来へと続く大切な一歩となることを心から願っています。
これまで読んでいただき、本当にありがとうございました。
さあ、次はあなた自身が行動を起こす番です。
小さく早く行動し、失敗から学び、全体像を活かして成長し続ける――このサイクルを習慣化しさえすれば、あなたのビジネスはどこまでも伸びていくでしょう。
チエロ