【社会人経験者】最小の労力で最大の成果を得るための『参考書ルート』(一般知能編)
試験対策に付ける「時間」と「お金」がない社会人経験者の受験生にとって役立つことを目指して、以下、主に特別区経験者採用試験の対策をベースとしつつ、
社会人経験者試験全般で合格できる実力を身に付けるための参考書ルートをご紹介します。
【前提】
本稿では、一般教養(五肢択一式)について、以下の2つの分野を取り扱っています。
①知能分野
文章理解(英文を含む)、判断推理(空間把握を含む)、数的推理、資料解釈
②知識分野
社会科学、人文科学、自然科学、社会事情(時事)
【参考書ルート:択一試験@知能分野】
(1)文章理解(英文を含む)
○東京リーガルマインド『公務員試験 本気で合格! 過去問解きまくり! 【3】文章理解』
大手予備校であるLECの過去問集です。
文章理解は解き方を実践で覚えていくことが重要です。
一定の分量と様々なタイプの問題をこなすために最適です。
受験先の試験問題が分からない場合は、地方上級などの標準的な問題を解けるように準備しておくことが有効です。
また、公務員クルセダーズにおいては、市役所志望・県庁志望であっても、地方上級の試験を解いた後に、国家公務員試験の問題を解くことをオススメしています。
地方と国家の試験問題を比較することを通じて、俯瞰的に試験問題をみることができるようになるからです。
※苦手な方は、場当たり的に、なんとなく解いていることが多いです。
このため、安定して6~8割程度を得点することができていません。
文章理解は、できれば満点を狙いつつ、安定的に8割程度の得点を目指す必要があります。
苦手な方は、標準的な解き方をインプットするための本を使うのも有用です。
○瀧口 雅仁『公務員試験 文章理解 すぐ解ける〈直感ルール〉ブック[改訂版]』
○鈴木 鋭智『公務員試験 無敵の文章理解メソッド』
※どちらでも可。
英語対策については、英単語を1つずつ覚えるよりも、短めの英文(200字程度)を定期的に読むことが試験対策として有効です。
資格試験や大学受験の経験がある方は、その際に使い込んだ参考書を使うことをオススメしています。
○松本 茂 (著, 監修)他『速読速聴・英単語 Core1900』
○風早 寛『速読英単語 必修編』
※どちらでも可。
(2)判断推理(空間把握を含む)、数的推理、資料解釈
○畑中敦子『畑中敦子の社会人採用 数的処理ザ・ベスト』
特別区、東京都のほか、多様な自治体や国家公務員の経験者採用試験の問題を解説しています。
タイトルに「数的処理」とありますが、これは「判断推理(空間把握を含む)、数的推理、資料解釈」を含んだ意味合いで、公務員試験業界では使われています。
ですので、この1冊を繰り返して演習することで、実力を向上させることが可能です。
※苦手な方は、上記に加えて初心者向けの高卒程度試験の参考書に取り組んでもよいと思います。
ただ、苦手だからこそ、取り組む範囲を区切って、何度も繰り返すことが重要と考えます。
社会人経験者採用試験では、択一試験は足切り又は配点少なめのところが多いです。
確実に択一試験を突破するために対策することは重要なのですが、択一対策しすぎないことも、受験戦略上、重要になってきます。
択一対策は成果が出やすいので、ついついやりがちですが、そこに偏ることなく、論文対策、面接対策とのバランスをみながら対策するようにしましょう。
○畑中敦子『畑中敦子の初級ザ・ベストNEO 数的推理/資料解釈』
○畑中敦子『畑中敦子の初級ザ・ベストNEO 判断推理』
公務員試験経験者の方は「慣れ」や「勘」を取り戻すことを意識するとよいでしょう。
全くの初学者の方は、各科目の各テーマに慣れるだけで精一杯!という期間が続くことになると思います。そのような場合は、ひとまず全部に目を通すことから始めてください。択一試験を突破するために、全てのテーマを解ける必要はありません。自分が解けるテーマを徐々に拡大していくつもりで、地道に取り組んでいただければと思います。
(3)一般知能(全般)向けの演習教材
○TAC出版『特別区 科目別・テーマ別過去問題集(Ⅰ類/事務)』
特別区の問題は、他の職種と比べて、基本的な良問が多いことで有名です。大卒程度の試験対策においても、まず特別区の問題を解けるようになることが出発点になるほどです。
(1)、(2)の演習を通じて一定の実力を身に付けた段階で挑戦してみることをオススメします。大卒程度の基本的な問題を解けるようになることで、特別区経験者採用試験の問題を解くために必要な実力を身に付けることができます。