【特別区経験者】上位合格する受験生は、政策課題論文のどちらを選ぶか?【令和元年度~令和5年度編】
特別区経験者採用試験の政策課題論文では、2題が示されて、そのうち1題を選択して解答する形式となっています。
試験問題は事前公表されていませんから、
どちらを選択するかを試験当日に決める必要があります。
試験当日は、そこまで冷静ではない状態なわけですから、
あまり時間をかけずに決めて、後で別の方を選択して、途中答案になってしまった、
決めるのに時間をかけ過ぎてしまったせいで、答案が文字数不足になってしまった、
など、残念な結果になってしまった受験生も少数ですが、存在しています。
トラップというわけではないですが、
当日に決める際の判断材料を提供するのが今回の解説です。
令和の5年分について、どのような判断基準で選択するかをお伝えします。
◆2019年(令和元年度)
(1)組織力の向上について
(2)地域コミュニティの活性化について
→両方とも典型問題です。
どちらを選んでも特に問題なかったと思います。
恐らく(2)の方が、
答案を書きやすいと感じて選んだ受験生が多かったと思います。
両方とも書けそうば場合は、
時間を決めて、シンプルな答案構成をしてみましょう。
より内容が充実させられそうか、
書きやすい方を選択すれば、後悔しない判断ができることでしょう。
◆2020年(令和2年度)
(1)住民意識の多様化と自治体職員の役割について
(2)若者の区政参加と地域の活性化について
→これも、両方とも典型問題です。
(1)の「住民意識の多様化」、
(2)の「若者の区政参加」について、
それぞれ、どの程度、具体的な内容を書くことができるか、
によって選ぶ題が決まったことと思います。
◆2021年(令和3年度)
(1)インターネットを活用した誰もが利用できる行政手続に向けた取組について
(2)持続可能な財政運営と区民サービスについて
→(1)は形を変えたデジタル対応化の出題です。
行政手続という点に絞った方策が求められるため、
書きやすい人にとっては書きやすく、
書きにくい人にとっては書きにくいタイプの問題です。
(2)は典型問題です。
全体的にしっかりと事前準備していた方にとっては、
取り組みやすい出題だったことと思います。
やや(2)を選んだ受験生の方が多かったと思います。
◆2022年(令和4年度)
(1)シティプロモーションについて
(2)複雑化・多様化する区民ニーズへの対応について
→(1)は時々出題される「具体的な政策テーマ」です。
このため、(1)を準備した受験生は多くなかったと思います。
論文のテーマとして準備可能でしたが、
優先順位は高くないテーマだったからです。
以上から、典型問題である(2)を選んだ受験生が多かったと思います。
(2)は、制約条件が弱く、幅広く書くことができるテーマのため、
意外と課題と方策を書くのに手間取るタイプの出題です。
◆2023年(令和5年度)
(1)図書館機能の充実について
(2)これからのイベント実施のあり方について
→(1)は、ややビックリ系の出題でした。
特別区人事委員会が、予備校の予想を外しにきたのでは?と思ったくらいです。
準備していた受験生は多くなかったことでしょう。
ただ、ポイントが絞られている分、
実は意外と書きやすいテーマだったと思います。
以上から、(2)を選んだ受験生が多数派だったと思います。
しかしながら、(2)は、
「これからの」、「あり方」という条件を満たす必要があり、
実は意外と書きにくいタイプの出題だったと思います。
どちらを選んでも一長一短の状況だったといえます。
その分、形式を守って、ある程度の内容をまとめることができる実力のある受験生に有利な結果になったと思います。