【特別区経験者】一次試験から二次試験(面接試験)までにすること②
今回は、二次試験に向けた効果的なリサーチについて解説いたします。
リサーチを通じて、自治体に関する情報を把握することで、面接での質疑応答のレベル向上を図ることができます。
また、リサーチを通じて得た知見は、面接試験に限らず、最終合格後の区面接でも役に立ちます。
それでは、早速、内容に入っていきましょう。
リサーチ①:自身が携わりたい職務について、具体的な情報を確認しよう。
二次試験の面接では、第一志望先の管理職が面接官を務めるケースが多いです。
職務経歴書で、「携わりたい職務」として挙げた事項について、第一志望先の公開情報(HP)をリサーチしておくことを推奨しています。
リサーチ対象は、部署、事業、施策といった現状と、総合計画、個別計画、予算書、行政評価などの計画・予算等における記載です。
なぜリサーチを推奨するかというと、
面接試験において、携わりたい職務を説明する中で、
「なぜ携わりたいのか?」、「どのように携わりたいのか?」といった点を説明する必要が生じるからです。
このとき、既に取り組んでいる事業や施策などを説明した上で、現状の課題を説明することができれば、説得力が増して、高い評価を得ることができます。
また、携わりたい職務の予算規模や直近の目玉事業などを把握しておくことで、自信を持った回答をすることができます。
ポイントは、準備不足で抽象的な説明しかできない他の受験生に比べて、相対的に有利な立場に立つことができる、ということです。
現職の管理職である面接官からすれば、この受験生はきちんと調べてきているんだなと分かれば、安心して具体的な質問を重ねることができます。具体的な質問に対して安定したやりとりを行うことができれば、その分、高い評価を得ることができるようになります。
採用する側からすれば、実務家を求めているわけですから、地に足の付いた議論をできる受験生の評価は自ずと高くなる、という算段です。
リサーチ②:議会だよりを使って、区のホットトピックを確認しよう
上記に加えて、議会でどのようなトピックが熱く論じられているかを確認しておきましょう。その上で、携わりたい職務に関連するものがあれば、どのような点に課題があるか、区として、どのような対策をとっていくと述べているかを確認しましょう。また、区長がどのような回答をしているかは重要ですので、押さえておいてください。
議会だよりは、1年分を確認すれば足りると思います。
どこの区も、区民向けの周知を図る観点から、区のHPに議会だよりを掲載しています(名称は区によって様々です)。
区の職員として働くということは、議会に対して説明できるように業務を行うということでもあります。その点を意識した準備を行って回答に反映していくことで、面接官の心証を良くするという副次的な効果を期待することができます。
なお、区報で調べてもよいのですが、区報は情報量が多く、発行回数も多いため、短期間で調べるのには向いていない部分があります。とはいえ、区面接で、区民向けの周知の改善に関して、区報の良い点・悪い点などを求められることがありますので、目を通せるようであれば1年分を確認しておくと望ましいでしょう。
リサーチ③:実際に志望区を訪れて、フィールドワークをしてみよう
フィールドワークについては、時間に余裕があれば、自身が携わりたい職務に関する部署や公共施設などに行くことも有用だと思います。
どのような点が良いか、どのような点に改善が必要か、など自分なりの問題意識を持って望みましょう。複数のエリアや建物を巡って、比較できるように準備することができると望ましいです。
ただ、二次試験まで残された時間は多くありませんから、時間がかかるようであれば、無理して行う必要はないと考えています。
区面接までに1回は行けると望ましいのですが、社会人の場合は、なかなか厳しいところがあると思います。
だからこそ、公開情報を活用して、時間と手間をかけすぎないで、効果的な対策を進めていきましょう。