特別区経験者の合格体験記⑲(論文が苦手です。有効な対策はありますか?)
論文対策に苦手意識や不安感を持っている方は多いようです。
私の経験上、
テキストや参考書に書いていることを一通り身に付ければ、
十分に合格レベルに達することができます。
ただ、論文対策が苦手な方は、
継続的に学習を進めることができていないようです。
論文は、あくまでも論文試験の答案を書くことが目的ですので、
当日に何を書くかを決めているようでは、合格は見えてきません。
事前に当日に書くべき内容を準備しておくことが決定的に重要だと思います。
そのためには、
①文体を固めること、
②事前に書く構成と参考答案集を準備し、インプットしておくこと
の2点が重要です。
<①文体を固めることについて>
論文でよくある対策として、
参考答案を収集して丸暗記&テーマの数だけ同じ事を繰り返す、
というものがあります。
この方法は、
既に文体が固まっていて、一定の分量を書ける実力がある方
には有効だと思います。
なぜなら、
そういう方は、
書いている内容から、自分に必要な構成や書くべきネタを認識し、
そこに重点を置いた理解と暗記ができるからです。
他方、
文体が固まっていない方が同じ方法を採ってしまうと、
当日に別のテーマが出題されて、どうしてよいか分からず、
不十分な答案を書いてしまう、というリスクが伴います。
「文体を固める」とは、
自分にとって無理のない書きやすい文体、
すなわち、試験当日に書ける文体を身に付けよう、ということです。
私の場合、
学生時代は元々長い文章を書けませんでしたが、
職務を通じて、官公庁用の文体を身に付けることができていました。
このため、「文体を固める」という点については、
試験対策においてアドバンテージがあった状況でした。
もちろん、報告書等を作成できるビジネス用の文体を身に付けているのであれば、
論文試験対策としては十分だと思います。
このように、身に付けている文体が小論文向けの文体であれば、
そのままそれを用いて試験対策を進めることができます。
ですが、身に付けている文体がエッセイ調などであって、
論文向きでない場合もあります。(私の友人はそうでした)
この場合、模範答案・参考答案の文体を参考に、
自分にとって試験本番に書きやすい文体を身に付けるとよいでしょう。
<②事前に書く構成と参考答案集の準備について>
具体的には、ネタ集、つまり、行政課題に関するテーマごとに参考答案がついている参考書の内容を書く構成に沿って整理します。
ネタ集になる参考書は色々とありますが、
「書く構成」をしっかりと意識して提示してくれる参考書は、それほど多くないと思います。
私の場合、
大型書店に行って、公務員試験向け&昇任試験向けの論文対策のコーナーにある参考書全ての目次に目を通して、自分が求める基準を示してくれる参考書を探しました。
公務員試験向けの論文対策本は、答案の書き方など参考になる部分をまとめているものはありましたが、私が求めている「特別区経験者の書く構成を示したネタ集」になるものはありませんでした。
そこで、昇任試験向けの論文対策本を探したところ、
「特別区経験者の書く構成」を端的に説明して、具体的な答案の書き方まで解説している本(『昇任試験合格論文の絶対ルール』)を見つけましたので、この本の習得に時間をかけて取り組むことにしました。
とはいえ、この本にも不十分な部分があります。
特別区に限った対策本ではないため、
通常の市役所や県庁レベルに合わせた記載内容が混ざっている点です。
ですが、不満があるのはそれくらいで、
出題テーマについて、職務経験論文にも通じるテーマも取り扱っています。
この一冊のおかげで、
職務経験論文も課題式論文も構成で悩むことはありませんでした。(ただし、初学者の方や公務員経験がない方が、いきなり使いこなすのは結構ハードルが高いので、クルセダーズが読みやすく、ほぐして書いてくれた論文テキストを使用することをオススメします)
なお、
事前準備の段階で、答案の構成を意識して準備することにより、
当日の構成に迷わなくなるというメリットに加えて、
把握すべき行政課題及びそれの解決に向けた方策をまとめてインプットできる、
というメリットがあります。
そうすることで、
覚えなければならない範囲を区切ることができたのは助かりました。
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