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MAMA2024を見て感じた、強いファンダムになるために必要なこと
先日、大阪・京セラドームでMAMA2024が開催されました。
MAMAは韓国の代表的な音楽授賞式。
KPOPのスター達がチームのプライドをかけた渾身のステージを
見せてくれる、韓国エンタメ好きにはとんでもなく楽しい音楽のお祭りです。
最も栄誉ある賞とされているのが「今年の歌手賞」「今年の歌賞」「今年のアルバム賞」「今年のアイコン賞」の4つで、それ以外にもたくさんの賞があるんですが、これらは審査員による審査、音源・アルバムの販売数などによって決まります。
またそれとは別にファン投票だけで決まる賞があります。
今年は世界中のファンによる投票で決まる「FAN'S CHOICE」「VISA FAN'S CHOICE」、
そして日本からだけ投票できる「PONTA PASS GLOBAL FAVORITE ARTIST」
という3つの賞がありました。
このファン投票に関しては、
例年10月下旬くらいから各ファンダムが投票モードに入ります。
ファンダムの圧倒的な熱量を見せつけたBTS・ARMY
私はここ数年、あまり投票などには関わらないように生きてきたのですが
(夢中になりすぎて日常生活に支障をきたすので)
今年はXでMOAさん達の悲痛な叫びを見かけて、
つい投票に参加してしまいました。
投票開始以来、トゥバちゃん達が1位だった「PONTA PASS賞」で
2位に陥落してしまったと言うではないですか。
「日本のモアだけが贈れる賞なのに!」
「トゥバちゃんを無冠で帰らせるなんてありえない!」
そんなコメントを見ていたらいてもたってもいられず、PONTAパスのアプリをダウンロードし、毎日投票することに……。
結果的に、トゥバちゃん達は「PONTA PASS」と「FAN’S CHOICE」の2つを受賞することができ、ホッと一安心。
少しは役に立てたかな?と思えて、幸せな気持ちになりました。
私みたいに投票はあんまり……と思っていたファンに、投票を促し、細かいやり方をわかりやすく説明する投稿をアップしてくれたMOAさん達に感謝です!
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投票してよかったなあと思いました。
私もMOAの一員になれたかな?
そんなMAMA2024で事件(?)が起きました。
「VISA FAN’S CHOICE」賞では、下馬評で受賞するだろうと思われていた
グループを押さえて、BTSのジミンちゃんが大賞を獲得したんです!
ジミンちゃんは現在兵役中です。
入隊前にたくさん作品を作って、兵役中もいくつかリリースしていますが、
兵役中ですから活動は全くしていません。
もちろんMAMAの現場に参加できるはずもなく。
それなのに、大賞をかっさらっていったんです。
これにはもうARMY(BTSのファンダム名)恐るべし……となりました。
(いや、私もいまだにARMYなんですけどね)
詳細は長くなるので省きますが、BTSの受賞にこだわるARMYが
土壇場で他のメンバーに分散されていた票をジミンちゃんに集めたとか。
とにかくARMYの戦略勝ちだったようです。
戦略って一体どこの誰が練って、号令かけるんでしょう。
BTSの投票を呼びかけるアカウント、どれもすごい人数のフォロワーがいらっしゃいますが、どうやって運営しているのやら謎すぎる。
まあとにかくBTSに賞を贈りたいと願うARMYの心意気、熱、
そして組織力にはあっぱれとしか言えません。
ARMYの母数が多いのは言わずもがなです。
でも、私のようにライトなARMYも多いんです。
特に今年はみんな兵役中なわけで、その間は他のグループを楽しんだり、投票したりしてる方は少なくないはず。
大賞受賞にこだわる気持ちはそんなにないよ、ってファンもたくさんいたのは間違いない。
でも、それ以上に「BTSは今もなおNo.1だ」と世に知らしめることに
強くこだわるARMYがたくさんいたんですよね。
ARMYがすごいのか、こんなファンダムを作り上げたBTSがすごいのか。
とにかくアーティストもファンダムも、相変わらずモンスター級の威力を持っているという事実を世に知らしめる結果となりました。
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おかげで兵役中でも不在をあまり感じない。
本人も受賞にはかなり驚いたようで……笑
このファンによる投票文化、音楽番組がほぼ毎日あり、
必ず1位が決まるKポップならではのものですが、
それに近いものが日本にも定着しつつあります。
ボーイズグループ戦国時代と言われる今、
初週1位を取るためにファンダムは死に物狂いで走る
日本ではチャートといえば、CD販売数だけを競うオリコンチャートでしたが、
「グローバルに活動したい!」と公言するボーイズグループが増え、
そんな彼らのファンダムが重要視するのはビルボードジャパン。
アメリカのビルボードとライセンス契約を結んで、
独自の指標でチャートを発表しています。
ここ数年は、このビルボードジャパンで新曲発売初週に1位をとることが、ステイタスとなっています。
この1位、人気があってもCDの売り上げだけで達成することはまず難しい。
ファンダムが総力を結集して、全ての指標を上げていくことが重要です。
私も正直、完璧に把握できてはいないんですが
CDの売り上げ枚数以外に、ストリーミング、
ラジオでのオンエア数など複数の指標によって1位が決まるので、
新曲が発売されるとファンはCDを買うのはもちろん、
時に家族のスマホやPCを総動員してMVを回し、ストリーミングを続けます。
私は特に自分が応援しているグループではなくても、
ビルボードジャパン1位取得のために、ファンダムが必死で動く様子をX上で見ているのが好きです(ヒマ人か)。
だって、すごい不思議なんですよ。
いくら一つのファンダムとはいえ、ほぼSNS上での繋がりしかないはずなのに、
「MVの視聴回数が足りないからもっと回して!」とか
「どこどこのストリーミングが2位に落ちたから
手の空いてる人はそっち行って!」とか声を掛け合って、
「ファンダム」と言う確かな形を持たない言葉というか、
かたまりというか概念?が、
「初週1位」という目標を達成するために、
まるで一つの生き物のように有機的に動くのがわかるんです。
CDもどこかのお店が売り切れたりすると(みんな複数枚購入は当たり前)
「○○店にはまだあると確認取れました!」とか
情報もどんどん共有していく。
強いライバルと発売日が重なろうものなら、
もう死に物狂いの戦いが展開されます。
この戦いは精神的、物理的、そしてもちろん経済的にも
パワーが削られ、消耗が激しいので
ついていけず脱落する人、「疲れた、もう嫌!」と逆ギレする人も出てきます。
それをなだめる人もいれば、「やってられないよね……」と若干ネガティブ側に煽る人も出てくる。
そんな小さな争いが起きる一方で、淡々と数字や状況をアナウンスし続ける方もいて……
やらせ一切なしの、ノンフィクションの戦いですから、
正直、下手なドラマ見ているより面白い。
なんというか駅伝とかそういうスポーツを観戦しているような興奮を感じます。
一番の見どころはやはり結果発表ですね。
ビルボードの集計締切までファンダムが死に物狂いで駆け抜けて、
数日後のチャート発表で1位が取れ、TLが歓喜の声で溢れていると、
全然関係ない私までも
「〇〇(ファンダム名)よかったね、頑張ったもんね……」と
胸が熱くなってしまいます。
1位を逃してしまい、ファンダムが悲嘆に暮れていたりするのを見ると
私の心まで引き裂かれたような気持ちになるんです。
ちょっと部活みたいです。ある種の青春ですね。
幾つになっても参加できる青春がそこにあります。
よくアイドル、アーティストの皆さんはファンに
「僕たちを信じてついてきてほしい」と言うけれど、
現代のファンはもはや推しと共に走る、伴走者です。
ついていくというより、後押しする、時にはすごい勢いで引っ張る存在。
漠然とイメージするなら、推しがグライダーでファンダムは風です。
推しが上昇気流に乗って自走できるようになるまで、
風を送り続けるために走るのがファンダムです。
体力がなくなるまで、体力を支える気力がなくなるまで
ファンダムは息絶え絶えになりながらも風を送り続けるのです。
これはファンの母数が多いことも大事なんですが、
「推しに1位を取らせる」という目標のためにどれほど能動的、積極的に動けるファンがいるか
これがとにかく重要です。
ただ曲を聴いて「いい曲!最高!」と喜び、動画を見て「かわいい、最高!」と浮かれているファンが多いだけじゃダメ。
「この子達を世に知らしめたい!」「この子達の夢を叶えたい!」という使命感を持ったファンが必要なんです。
あと最近は「たくさんの喜び、癒しを与えてくれるから、恩返しをしたい」という気持ちで必死になるファンも多いですね。
だからこそアイドル、運営側もたくさん動画を配信したり、SNSへの投稿を行います。ほんとに一昔前のアイドルと比べたら、今のアイドルはやるべきことが多い。
日々セルカ撮って、チャレンジやって、VLOGも撮って、サイン会やらミーグリやら……。練習やレコーディングにもカメラが入ることも多い。
正直、これを全部やらなくて済んだら少し休めるんじゃないかな?と思いますが、
こういったことを多くやってこそ、ファンとの絆が深まるのも現実です。
今まで思うような結果が出ず、報われないまま疲れ果てて、音もなく縮小していくファンダムもたくさんいました。
そうなるとアイドル側にできる策は少ない。
だからこそファンダムが熱を持っているうちに、アイドルは走りまくるしかないんですよね。休暇とか言ってられないわけです。
ファンダムをどう大きく、強くしていくか、ある程度の方法論はあると思いますが、まだ「これだ!」という正解があるわけではないので、
どの事務所も模索しながら、行なっている状況だと思います。
もはや推しとファンダムはチーム。
でもファンダムは諸刃の刃でもある
ただ、昨今ではファンダムの支える力が大きいが故に
ファンダムの意見がアイドルの活動に大きな影響を与えすぎると言う弊害も見受けられます。
事務所がファンダムの意見に抗えずになんでもかんでも従ってしまったり
(最近ではファンダムの反発でメンバーが脱退にまで追い込まれたグループも)
プライベートでまでアイドルを追いかけて、動画を回したり、
直接会える機会にメンバーに小言を言うファンもいたりします。
一部の方ではあるけれど
「これほど支えているんだから、これくらいOKでしょ」と言う
傲慢さを感じることもあります。
でもそんな勘違いが生まれてもしょうがないと思ってしまうくらい
活動においてファンダムの存在感が大きいのが現状なんですよね……。
アイドルを支えもするけれど、傷つけることもあるファンダムのコントロールはこれからの事務所側での大きな課題だと思います。
さて、私が現在はまっているいるTXT……、
彼らのファンダムMOAがより「強い」ファンダムになるためには
どうすればいいのか。
ひとりのファンとしてしっかり向き合って、
考えていきたいと思います。
・・・・・
と、こんなノートを用意していたら、きましたよビルボードの投票が!
「Best K -pop Fan Army」と言う投票ですね。
現在トゥバちゃん達は大差をつけられての3位!
ああ、ライバルに愛しのBTSもいるけれど、今回はトゥバちゃん達のために走ります。無限ポチポチ系、これこそファンダムが死ぬ気で走ると
奇跡が起きるタイプのやつです。
奇跡が見たい〜、トゥバちゃん達の驚く顔が見たい〜、
喜びに溢れた笑顔が見たい〜!!
スビンくん不在の中、4人で走るトゥバちゃん達のパワーになるように、
最後まで駆け抜けますよ〜! 頑張る!