この間、患者さんに言われた一言が私の看護師としての原動力を思い出させてくれた。 「おかげさまで勇気が出ました。決めたよ、手術する」 患者さんはそう言って初めて笑顔を見せてくれた。 私も約10年前に病いを患い、手術を含む治療をした。看護学校3年の秋だった。 やっと看護師になる夢が叶うと思っていた矢先の出来事で、病気を宣告された時は頭が真っ白になり数週間はふわふわ浮いた気持ちで自分だけ違う世界にいた。違う世界に居つつも治療は始められ、現実は進んでいっていた。 そんなふわふわ
患者中心の意思決定って言うけどね。 結局のところ、医療者中心の意思決定になる。なぜならそんなに医療的知識を一般の人は持っていないし、医療者でも診療科が違えば全然わからない疾患ばかりだから。 それに日本は国民皆保険で医療費を気にせずに高度な医療を受けられる。だから諸外国に比べ、今行われている医療にどれくらいの金額がかかっているのかと言うことに対し関心が低いし、お金のことを考えながら医療の選択をする人は少ない。幸せなことなのかもしれないが、反面、意に反した寝たきりや後遺症を生
私がやりたかったことを今やらせてもらっているはずなのに、最近とても苦しく、悲しくなることが多くなった。 何故だろう… ACPという名前が一応ついているけど、結局のところ患者さんのライフストーリーを聞かせてもらっているだけ。 ただ、それはとても尊いことだと常々思っている。 でも回数を重ねれば重ねるほど、人生の物語を知れば知るほど苦しくなることが増えた。 約1時間私は目の前いるに患者さんが今までどんなふうに生きてきたのか話を聞きながら想像をする。 そして大切にしている