「ジェンダー・クライム」天童荒太著 文藝春秋
中年男性の全裸遺体が発見されるところから始まるサスペンス小説。
主人公・鞍岡は昭和の価値観のままのベテラン刑事。柔道のオリンピック候補になるほどの体育会系。
事件を一緒に操作する若い刑事は、鞍岡の先入観や男女観を、いちいち指摘して修正を求めてくる。
例えば、鞍岡が何気なく使う「奥さん」を、「どうなんでしょう?」とか、
「ご主人は・・」を、「他人が、女性の配偶者を、ご主人と呼ぶのは、侮辱になる」
などと指摘するのだ。
それは当たり前の指摘ではあるのだが、体育会系・昭和な家父長制