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肉屋のおじさんの危ない冒険

エーリヒ・ケストナー著『消え失せた密画』読みました。
ケストナーといったら、『エーミールと探偵たち』や『飛ぶ教室』などの児童文学が有名です。
しかし、こちらは大人向けミステリー。
どんなものかと思ったらそれはもう面白くて……

キュルツさんはベルリンの肉屋さん。
ある日突然我慢がならなくなって、できるだけ遠出をしようとコペンハーゲンへやってきました。
そこで、高級な密画を運ぼうとする女性にその手伝いを頼まれ……

この作品の魅力は、なんと言ってもキュルツさんの喋り方。
自分のことを「わっしゃあ」と呼ぶ、とぼけた喋り方が可愛いのです!
小松太郎さんの訳の素晴らしさがなせる技でしょう。

そして登場人物が織りなすどたばた騒ぎ。
キュルツさんは人がよく、こんな人に密画を守れるのか……と思ってしまうのですが、周りの悪党や巻き込まれた人びとも大概ちょっと抜けている。
スリルもありますが、ちょっぴりおかしくて面白いユーモアミステリーとなっています。

キュルツさんの愉快なひと騒動、ぜひ読んでみてください!

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