『自由研究には向かない殺人』からの三作を読む③
『自由研究には向かない殺人』からの三作。
最後の一冊、『卒業生には向かない真実』を読み終わりました。
どうぞ感想文にお付き合いください。
※ネタバレ注意
大学入学直前のピップ。
彼女の身の回りに、ストーカーの仕業と思われる出来事が起こります。
匿名のメールや、自分の家の前に置かれた首を切られたハト……
それらが6年前の連続殺人の被害者に起きたことに似ていると気づいたピップは、調査に乗り出しますが……
『卒業生には向かない真実』のピップは、もう『自由研究には向かない殺人』の頃の彼女ではありません。
PTSDに苦しみ、違法なクスリに頼り、さらにストーカーの被害に悩まされ……
また、SNS上での名誉棄損でも訴えられています。
ピップの母も、捜査に乗り出すピップに不安そうです。
そりゃそう……
一作目の被害者、アンディの真の目的が分かったのも驚きでしょう。
彼女もまた、戦う女の子だった。
ピップはそれに救われ、勇気を奮います。
第一部と第二部でのストーリー展開の違いも注目です。
ストーカーの謎を解き明かす第一部から一転、第二部では……
やがて重要な決断をするピップ。
本当に、彼女は変わってしまったのだなあと思うと同時に、もうYAではない……とも思ってしまいました。
彼女の覚悟、ぜひ見届けてください。
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