見出し画像

莫言を読もう

皆さんは、中国文芸書、読んでいますか?
私は中国SFはいくつか読んでいるのですが、中国文芸書はなかなか……
そんな私が唯一読んでいる作家、莫言の『白檀の刑』をご紹介します。

舞台は清朝末期の一九〇〇年。
山東省の膠州湾一帯を清朝から租借したドイツは、膠州から済南に通じる膠済鉄道の敷設に手をつけました。
その線路で真っ二つにされることになる高密県一帯は騒然。
ドイツに対する民衆の抵抗を組織した孫丙という男が捕えられ、娘の眉娘が高密県知事の銭丁に命乞いにいくのですが……実は眉娘は銭丁の思い人(!?)
さらにさらに、孫丙を”白檀の刑”で処刑しようとしているのは、眉娘の舅、趙甲。眉娘の亭主の小甲が助手を務めることに……
なんだか、訳が分からなくなってきましたね。
でも、大丈夫!とも言えないんですよねえ……
とにかく、パワーがある作品なので、元気がある時に読んでいただきたいです。

私が好きなところは、「頭部」の第一章。
眉娘の語りです。
これがまあ名訳で……!
語りがなんともつるつるとなめらか、ハキハキと語られているようで、ああ、美しい!と思ってしまいます。
また、文中に出る歌!
これもまた見事で……莫言さんの原文を読んだことはないので、比べることはできませんが、恐らく吉田富夫さんの訳で魅力が増しているのではないでしょうか。
是非皆さんも読んでみてください!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?