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『社長失格』

現代のビジネス界で「成功」とは何か。そんな答えを探している途中で、”素晴らしい書籍”と称される『社長失格』に出会った。株式会社ハイパーネットの創業からの破滅的な終焉まで、板倉雄一郎氏が心の内をさらけ出したこのノンフィクション作品は、ページをめくる手が止まらないほどリアルで圧倒的だった。

ハイパーネット:夢と挫折の間で

1991年、板倉氏はハイパーネットを立ち上げた。革新的な電話を利用した懸賞広告のビジネスからスタートし、大手銀行を含む多くの資金提供を受けるまで、成功の先には無限の可能性が広がっていた。しかしその輝きは、国際的に自己資本比率が低い日本の銀行の貸付政策変更やインターネット広告事業の低迷により、次第に暗くなっていく。

主要人物たちの影と光

その中で、著者の筆には多くの魅力的なキャラクターが描かれている。iモードの第一人者として知られる夏野剛氏は、ドワンゴの取締役としても活躍。彼の鋭い勘と交渉術が、ビル・ゲイツとの会談や金融機関とのやり取りで繰り広げられるシーンは息をのむほど…..
また、ハイパーネットの困難な時期に登場する孫正義氏の圧巻の交渉力も必見。彼の物腰の柔らかさと決断力は、ビジネス界の巨人の名に恥じないものだと感じた。

学びの宝庫

『社長失格』はただのビジネス書ではない。筆者の経験に基づく実際の出来事、人間関係、契約体系の甘さ、銀行やベンチャーキャピタルとの交渉など、実体験でしか知り得ない知識が溢れている。

"ヒトは企業の最大の財産。中小企業にとっては、最後は金じゃない、ヒトだ。”

この書籍の中で展開される壮絶なビジネスの世界は、読者に多くの教訓と考える機会を与えてくれると思う。是非読んでみて欲しい。

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