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  • 日本のエッチな漢文の話まとめたやつ

    日本で書かれた、エッチな漢文まとめたやつです。 ちょっとでも漢文に興味を持たれる人が増えればと思い、ちょっとずつ訳してるやつです。

最近の記事

清少納言は一説に「清原諾子」なのか

清少納言は実は本当の名前ではなく、いわばあだ名であり、また本名は一説では「清原諾子」というということは、昨今いくつかのメディアを通してひろく知られるようになった。 角田文衞氏の『日本の女性名 歴史的展望』(国書刊行会 2006年)によれば、清少納言の実名と伝わる「清原諾子」は清原元輔なら付けそうな名前だとされている。 清原諾子という名前に関する言説を見ていると、「根拠はハッキリとしないものの、江戸時代の史料では清少納言の実名を『清原諾子』と伝えるものもある」と紹介され

    • 冷泉院の「あの話」について

      最近、大河ドラマのおかげさんで花山院や冷泉院に今まで以上にいろいろなお話を見かけます。後鳥羽院や後醍醐院のような有名な天皇に比べて、それほど知られていない天皇でもあり、平安時代が好きな私にとっては大変嬉しく存じます。 さて花山院と冷泉院は歴史好きの方々にとっては名前をよく知っている人も多くいらっしゃるかと思います。というのも、彼らはいわゆる「狂気説話」と呼ばれるエピソードが多く伝わっている天皇なのです。当然この2人が何かしらの理由によって、当時の「普通」とは異なるところが

      • (ある時代の、ある身分の)女性の名前のこと

        初対面の人とあえば、○○ですと互いに自分の名前から自己紹介をはじめる。そんなとき、僕は頭の中で、この人の名前をどう書くんだろうと自分のなかの音訓の知識を駆使してあてようと試みるが、これがなかなか難しい。 それは現代の人々の名前で用いられる漢字と、常用の漢字とでは訓が(ときには音も)かけ離れていることが往々にしてあるためである。 しかし、それはなにも今にはじまったことではなく、古来、日本において名前に用いられる漢字の読み方は尋常の読みとは異なっていたらしい。近世の考証随筆を見て

        • 【感想】宇治の宝蔵展をみてきました

          【感想】宇治の宝蔵展をみてきました 京の■■院にて、特別展示 宇■の宝蔵展が行われていたので、今回は博物館レポを書いていきます。 このあいだ、藤氏長者があらたに決まったのに伴って、先月、宇治入りが行われました。宇治入りとは新しい藤氏長者が宇治の■■院にむかい、宝蔵を確認する儀礼ですが、その際、いくつかの歴史学の学会からの強い要請があり、宝蔵の収蔵品の調査・研究に繋がり、この展示も実現したそうです。 わたしが展示を見に行った日は雨が降っていました。 ■■院の池に

        清少納言は一説に「清原諾子」なのか

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        • 日本のエッチな漢文の話まとめたやつ
          5本

        記事

          『令和紀抄 虎呂那事』という歴史書について

          最近、家の屋根裏を整理していたら『令和紀抄 虎呂那事』という歴史書がうちから見つかりました。奥書には「令和十五年正月写了」とあり、令和15年時にはすでに写本が作成されたものだとわかります。うちから見つかったのは写本のようですが、調べてみたところ、これより古い本は見つからず、成立、作者ともに不明です。何か、この本についてご存知の方がいらっしゃいましたら、情報をお願いいたします。 大変珍しいものに思われましたので、ここにその翻刻と訓読案を掲げてみました。 被改令和之後、疫癘

          『令和紀抄 虎呂那事』という歴史書について

          『名目抄』を読む ーお公家さんの教養を学ぶー

          史料を読むとなったとき、文章の読み方そのものも難しいですが、それと同じくらいそれぞれの単語の読み方も問題になります。 特に公家に関することにおいては、代々故実として伝えられた独特の読みも多く(このような読み方を「名目」といいます)、学習者を惑わせることも少なくありません。 洞院実煕によって編纂された『名目抄』はそんな知識の一端を伝える有益な故実書のひとつです。 『名目抄』は、ジャンルごとに分けられた故実にまつわる単語の読み方、アクセント、清濁などをていねいに伝えています。 序

          『名目抄』を読む ーお公家さんの教養を学ぶー

          美人局はなんで「びじんきょく」と読めないの?

          Twitterでは定期的に同じネタで盛り上がる。サイゼとスタバ(二郎系)はテッパンである。 ここ数日でn番煎じの盛り上がりを見せたのは、「美人局」の話題である。 「美人局」を「つつもたせ」と読めないことに対して、辛辣な批判を加えている人が少なくないらしい。 しかし、そもそもなぜ、「美人局」を「つつもたせ」と読めるのか、逆に「びじんきょく」と「読んではないけない」ことに理由はあるのか。 結論からいうと、私は「びじんきょく」とも読みうるのではないかと考える。 日本では、漢字

          美人局はなんで「びじんきょく」と読めないの?

          元暦二年のオーロラ事件

          元暦二年正月一日の空模様元暦二年正月一日、晴れ晴れしい空の下、鏡を見る例のごとく、元日節会、小朝拝が行われていた。右大臣九条兼実はそのときの様子をつまびらかに『玉葉』に書き留めている。尤も、兼実にとって、その時の儀式は不満があったようで、小朝拝のときに、大将九条良通はなんでか着座しないし、舎人以下の声は見苦しいしで、散々な思いを抱いている。しかしそんなことは些事にしか思えないような大事件が、この日に起きていた。 『吉記』正月一日乙酉 後に聞く。戌の時、蚩尤旗、東方に見はる。

          元暦二年のオーロラ事件

          日本のエッチな漢文の話③『大東閨語』9-18段

          9. 平将門の部下と平貞盛の婦 平将門、平政盛を襲ひて大いに勝ちたり。俘虜中、平貞盛(政盛が嫡子)が婦有り。年少くして色美なり。営中の軍士は之を挑めども婦は泣きて従はず。軍士強いて之を奸す。強陽奮然として鷹のごとく挙ぐ。深く入れ浅く出だす。攻撃甚だ雄壮なり。婦、此に於いて精神接せざることを得ず。腰を舞し尻を躍らし快適、色に形はる。既にして婦、先づ大いに精液を漏らす。軍士咲ひて曰はく「君が匪石の心、忽ち吾が㞗の為に転ずる所なり」といふ。婦、吁嗟として良や久うして対へて曰はく「身

          日本のエッチな漢文の話③『大東閨語』9-18段

          日本のエッチな漢文の話④『医心方』「九法」

          1. はじめに  古代において性交は現代のそれとは、また、別の意味合いを有していたことだろう。当時において、子孫を残すことの意味合いは頗る重く、他方、その方法によっては生命を長くするとも考えられた。そのため、中国では古来、より長生きをするための性交の仕方も編み出され、それはたくさんの文献に見えるところである。これは房中術と呼ばれ、日本でも受容されていたようである。古代の医学書『医心方』巻第28「房内」には、古代中国の書物を引用してたくさんの房中術を記録している。そんな中でも本

          日本のエッチな漢文の話④『医心方』「九法」

          日本のエッチな漢文の話③『大東閨語』1-8段

          『大東閨語』とは全31話の漢文の色話である。歴史上の人物に題材を取ったもので、絵入りのものである。作者は不明だが、古来太宰春台とも、頼山陽とも言われる。題名の通り、閨における男女のやり取りが描写されている。(随時更新していきます) 1. 光明皇后と玄昉 光明皇后の帳中に仮寝したまふや、釋の元昉、乃ち掌を以て后の股を敲けば、后、笑を帯び輒ち股を張かせたまふ。元昉、敢へて御せずして、俯して熟づく玉尻を視て、指を廻して之を弄ぶ。尻底を見れば津液生ず。笑ひて曰はく「硨磲の臀上、珊瑚

          日本のエッチな漢文の話③『大東閨語』1-8段

          種痘のおはなし

           現在私たちの周りには病気になる前から、その病気に対抗する手段が当然のように存在している。今、世界を悩ます悪疫の流行に対して、驚くべき速度で対抗手段のワクチンが開発されたことは記憶に新しい。しかし、長い歴史の中で、今のような状況がむしろ当然ではない。ここでは、ワクチンがいかにして登場していったのか簡単に歴史を見ていきたい   1. 天然痘の恐怖 ここ最近まで、大いに人を悩ませた病気の1つに天然痘が挙げられる。今でこそ、蟻田功氏らの尽力あって、WHO(世界保健機構)は、1980

          種痘のおはなし

          日本のエッチな漢文の話②「鉄槌伝」

          (前半に訓読文、後半に現代語訳と簡単な注釈です。) 書き下し文(書き下し文の()内は本文では小字で書かれた注です) 鉄槌伝 羅秦 前の雁門の太守 予は雁門の散吏にして過舎に閑居す。目を縑緗に寓し、心を文籍に遊ばしむ。鉄処士、名有りて伝無し。処士薬を嵩高に採り(嵩高山は仙霊神草多し)、身を袴下に潜む。老病痿躄にして出仕を好まず。是を以て前史欠きて録さず。夫れ以へらく我を生育する者は父母、我を導引する者は鉄槌なりと。陰陽の要路、血脈の通門なり。吁嗟吾が生に因りて出づる所なり。予見

          日本のエッチな漢文の話②「鉄槌伝」

          日本のエッチな漢文の話①『男女婚姻賦』

          (前半に訓読、後半に現代語訳の順番で載せています) 書き下し文 男女婚姻賦 大江朝綱  至りて剛き人は男、最も柔き人は女なり。彼れ情感の交ごも通へば、父母と雖も禁御し難し。始め謀介を使はして、功みに舌端の妙を尽くす。継ぎて倭歌を以てして弥いよ心機の緒を乱す。原ねみれば夫れ形を尋ねて見え難く、声を聞きて未だ相はず。思は切々として笑みを含み、語は密々として腸を断つ。棋樹は庭に在り、貞松に対ひて茂らんことを契る。嘉草は室に植え、金蘭を指して香らんことを期る。徒に観れば夫れ其の体は微

          日本のエッチな漢文の話①『男女婚姻賦』

          中国から見た本能寺の変で学ぶ漢文

          『明史』は清代に張廷玉によって編纂された史書で、その「日本伝」は倭寇の記事や南朝との貿易、勘合貿易、朝鮮出兵にわたる。ここではそのうち、織田信長がのちの豊臣秀吉と出会ってから、秀吉が朝鮮、中国に出兵しようと考えているというところまでの記事を用いて、文法事項を見ていく。なお現代語訳は末に載せた。(白文は藤堂明保ら訳注『倭国伝』講談社 2010年による、訓読及び現代語訳はこうくが施した) 日本故有王、其下称「関白」者最尊、時以山城州渠信長為之。偶出猟、遇一人臥樹下。驚起衝突。執

          中国から見た本能寺の変で学ぶ漢文

          『日本書紀』から学ぶ漢文

          日本史を学ぶ際には、当然漢文の知識が多く求められます。しかし日本史が好きな人にとって、中国の古典を読むのは易いとは言えない人もいるでしょう(というか自分がそれなので…… )ということで、日本で書かれた漢文から文法を学び、読解できるようになれればと思い、『日本書紀』の本文に沿って、漢文の文法の解説をまとめてみました。また文章がどんな中国の古典に拠っているのかと、補足情報を簡単に加えてあります。 『日本書紀』神代巻上 古天地未剖、陰陽不分、渾沌如鶏子、溟涬而含牙。及其清陽者、

          『日本書紀』から学ぶ漢文