見出し画像

息子の美術系高校受験 ~美術予備校~

美術予備校は技術を習う場所だけではなく、情報が手に入ります

美術予備校入校

「あの美術予備校に通いたい」
鉄は熱いうちに打てというし、ほとんど自己主張しない息子の希望は叶えてあげたい。
帰宅して妻と相談し、すぐに入校手続きを始める。

当たり前のことだが美術予備校はお金がかかる。
受講費・教材費・交通費・食事代など。
高校受験が終わり、美術予備校に通ってデッサンが上手くなったかと聞かれたら悩んでしまう。
全く知識がない状態から50点程度までは技術が上がったが、テレビでよく見るようなデッサンの巧さにはならなかった。
息子がデッサンを好きではなかったのが理由かもしれない。
だが、美術予備校に行ったのは正解だったと思う。

美術予備校入校が正解だったと思う理由

では、そんなに技術が上がっていないのに美術予備校に通ったのが正解だと思えたのはなぜか。
それは美術予備校が「情報」を持っているから。
・志望校の合格ライン
・特色検査で過去に出題されたモチーフ
・自分がどのくらいのレベルなのか
喉から手が出るほど欲しい情報はこの3つだと思う。
合格ラインがわかれば対策も安心もできる。
特色検査の対策がし易くなる。
情報は精神の安定に繋がる。

余談だが息子の代から受験形式が変更されたり、出題されるモチーフが前年までとは違う難しい物になったりしたが情報はそれなりに役に立った。

美術予備校の不満点

美術予備校の良い面ばかりを紹介したが、不満点ももちろん存在する。
説明会では「練習した絵を持ってどんどん相談に来てください」と言われたが、実際には「次の授業まで時間がないから」と断れることも多かったし
授業の最後に講評が行われるのだが、やはり「時間が無いから」という理由でデッサンに対してアドバイスが貰えないことも多々あった。
これでは高い受講料を払って通う意味がない。
次に繋がらない。

また、授業中のデッサンに関するアドバイスがふんわりとしていて分かりにくかった。
「うーん、もっと黒くしたら?」と言われ、黒くすべきは影をなのか、モチーフ全体なのか分からないなど。
本当ならば講師に対し、「黒くすべきはどこですか?」と質問すれば良いのだが、人数が多いので他の子にアドバイスをしてる講師に聞きにくかったのもあるのだろう。
こういう部分で息子のコミュニケーション能力の低さが仇になってしまう。

美術予備校に通えば上手くなるのか

本気で集中して受講すれば美術予備校に通っているだけで上手くなるのかもしれない。
息子の場合は美術予備校に通って、自宅で多少練習をして5・60点の絵になった程度。
デッサンは受験にあわせて60分から90分で描く。
これはかなりの集中力が必要で、メンタルが強くないと出来の振れ幅が大きくなる。
美術予備校では絵を描くしかないが、自宅では気が散りやすいので非常に難儀した。ほぼ強制的に描かせていた。
なので、美術予備校に通っただけで絵が上手くなることはほぼ無い。

そして何よりも大切なものは子供のメンタル。
受験前の年末では本当に美術系高校を受験するのかと疑うような出来のデッサンだった。
不安や疲労が色濃く出る精神状態では何が正しくて何が悪いのかもわからないくなるんだと思う。
出来が悪い→不安になる→出来が悪い→不安になるの悪循環。
非常にバランスが難しいけれど、一番に子供の精神面を考えなければならい。


美術予備校に通うことが正解かはわからない。
少なくとも子供の高校受験が初めてで、特殊な進路を選んだ子供を持つ私たちには正解だったと思える。

いいなと思ったら応援しよう!