⑥腰上まであるロングヘアがショートになるまで【ヘアドネーション体験記】
こんにちは。高校5年生です。
シャンプー台に移動したところから、今回のお話は始まります。
美容師さん「お座りくださ~い」
私「く……靴のまま良いんですか」
美容師さん「あ、そのままで大丈夫ですよ~」
思い出して今すごく恥ずかしくなっているのですが、私はこんな愚問を美容師さんに投げかけておりました。当たり前ですよね。靴を脱いでシャンプーしてもらっている人、少なくとも私は見たことがありません。
ゆっくりと椅子が倒されていきます。
「顔にタオルかけますね~」
「はい」
「洗っていきま~す」
「お願いします」
黙りっぱなしは無視しているみたいで嫌なので、美容師さんが何か言うごとにいちいち返事しておりました。今思えばちょっとうざかったかもしれません。
シャンプー、めちゃくちゃ気持ち良かったです。お湯の温度がちょうど良くて、さすがプロだなと感動しました。
シャンプーの後は回転椅子に戻り、いよいよカットです。
ここで予想していなかった事態が起こります。カットしてくださる美容師さんは、先程眼鏡を取ったときに見た若い女性ではなく、店長さんと思われる男性美容師さん。眼鏡を取った後なのでどんな方なのか全く分からないまま、挨拶を済ませてカットに移ります。
聞かれた場合に備え、前髪はどうするか、横髪はどうするかなど色々決めてはきたのですが、美容師さんは30センチと少し切り、ショートヘアにするということだけ聞いて、すぐメジャーで髪の毛の長さを測り始めました。ええっ?!どういう髪型になるのかよく分からないまま、髪の毛はいくつかの束に分けられ、ゴムで結ばれていきます。さすが賛同サロン、インターネットで調べたときには「メジャーや髪ゴムは自分で持って行きましょう」と書かれているものも多く、一応一通り持ってきていたのですが、私が出さなくても全部してくださいました。
「切る前に写真撮りますか?」と聞かれ、2枚私のスマホで撮っていただきました。顔が写っているのでご紹介できず残念です。
「じゃあ切っていきますね~」
直後、ザクザクザクとハサミが入る音がしました。ザクザクよりももっと鈍くて重い音がしましたが、オノマトペが見つかりません。ぼんやりとした視界の中で、目の前に切られた髪の毛が並べられていくのが見えました。頭が軽くなった感じがせず、「本当に切ったの?」という感覚です。
そこから美容師さんは私にテンポよく話しかけつつ、あっという間にショートヘアを完成させたのでした。
「眼鏡かけて見て良いですよ」とお許しが出て、眼鏡をかけたその瞬間。鏡の中には想像していたよりもおしゃれなショートヘアが映っていました。
「どうですか?」
「すごい……良いです」
言葉が出ないくらい、雷に打たれたのかと思うくらいびっくりしました。中学時代、美容室で髪を切ってもらい、眼鏡をかけた瞬間「あ~……やっぱり似合わない……」とテンションが下がっていたあの頃が嘘のようにしっくりきていたのです(中学生のときの美容師さんごめんなさい)。
マスクをつけていたからか、自分で言うのもあれですが普段より少し美人に見えました。雰囲気だけなら、フジテレビの山﨑夕貴アナみたいな感じ。ちょっと美化しすぎましたかね。
老けて見えるのではないか、似合わないのではと心配していた数ヶ月分の不安が一気に吹き飛びました。
希望も何も言っていないのに似合う髪型にしてくださって、美容師さん、すごすぎます。
以上、「⑥腰上まであるロングヘアがショートになるまで」でした。
最後までお付き合いくださって、ありがとうございました。
それでは、次の投稿でお会いしましょう!