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広告振り返り:~1月総括編~



・1月の広告のあらすじ

・期待の新タイトルが大量登場

 2024年1月と言えば、やはり星矢ジャスティスは欠かせない。web広告から野外広告まで119作という最高クラスの攻勢を見せ、2023年のnonnotooの148作という広告数には一歩及ばなかったものの明らかに日本を支配していたほどの広告ラッシュを見せた。
 しかし1月の広告はそれだけではない。あの最強でんでんをリリースしたQCplayが送るコレクション広告の雄、ぽちゃガチョは53作の広告を確認しているし、露骨なジャンプキャラが登場するピン抜きパズル広告をやったスターフェイトはX-ヒーローで昨年も騒がせていて、シュールなCG広告をやっている闇の戦争:ミステリーレジェンドはかつてムーンライズ:領主の帰還というゲームで似たようなシュール系広告をやっていた。
 ぼちぼち今売れているゲームの後継作となる作品をリリースしよう、という時期が2024年1月に重なったのだろう。とはいえ、それを考慮してもこの広告ラッシュは過去最強と言って良いかもしれない。ここの所ずっと過去最強と書いている気がするが。

 この類の中で過去からの刺客二大巨頭のうちの一つは職場少女fighting。職場少女fightingは45作広告をリリース。これはおねがい社長の新作タイトルだから今後も期待大だ。
 特に職場少女fightingに関しては広告を見るYAKISOBA内で簡単なレビューを掲載しているので、内容が気になる方はこちらも是非確認して欲しい。

 もう片方の二大巨頭、キノコ伝説はこんにちワン!ヒーローをリリースしたJoy net Gamesの新作で、1月の時点から52作の広告を出す好スタートを切った。本番は2月の「キノキノは遊ばない」「キノコは勇者や」のリリース後なのだが、本番前からこのアクセルの踏み抜き具合はすさまじい。
 その他にも妙にエロティックな男が出てくる恋と深空、完全新人ながらハチから犬を助けるゲーム広告を24作だしていたマジックカードなど、あまりにもパンチの強い新人の揃った月だったと言える。

・オリパ広告が増加

 オリパの広告も多かったのが1月の特徴と言って良い。前々からオリパの広告自体は見かけていたが、特に1月は多かった。しかもパチンコの新台入替みたいなノリで字体は太いし、金色と虹色でビカビカしているしでこれまでのとりあえずがんばリーリエ置いとけばオリパ広告になるんでしょ? という広告スタイルから一つ大きな転換点を迎えたような気がします。
 オリパ自体も金銭と引き換えにオリパを引き、PSA10という大当たりが出たらカードショップに持ち込んで換金するという三店方式もどきが始まっている都合上パチンコと現代オリパの類似性はぼんやり感じていた人もいるとは思うが、それがバッチリ露呈したような形になります。
 PSA10を大当たりに据えたパチンコ系オリパだけでなく、大当たりで未開封BOXが手に入るという過去の常識で行くとおかしなオリパも散見されており、ポケモンカードの遊び方がよく分からなくなりつつあります。そりゃアプリ版ポケモンカードゲームという普通の遊び方をやりやすくするようなゲームを出すよなあと思いました。
 オリパ広告が増加した理由は子供のお年玉狙いだと思いたいけど、この広告を見るに大きなお友達向け感は否めない。

・国内でのAI議論が活発化

 ワコムが変なドラゴンの絵を広告に使ったのをきっかけに、AI使用に関する是非だとか著作権的な問題だとかが喧々諤々の議論になっていたのが1月。これは触れておかないといけないでしょう。
 とはいえ現実問題として、いくらデータが児童ポルノで汚染されてるとかプロは使えない代物だとか言う議論をしている間にも広告では様々な形で生成AIが使用されている点は変わらず、もうネットのおしゃべり程度の議論よりもエライ方々の回答待ちって感じがします。
 とりあえず自分のAIに関する話はオタ恋の件とかで書いてるのでここでは書きません。

・ルーキー級の注目タイトル

・ぽちゃガチョ!

 ぽちゃガチョ! は下町ドリームをリスペクトしたであろうコレクション系広告に可愛らしいキャラを合わせると言う黄金パターンを開拓し、見事に話題を獲得したのが印象的。この辺の広告のバランス感覚はかつて最強でんでんで一世を風靡した時に身に着けたんじゃないかなと思います。
 また全体的に文字を少なく、イラストを大きくしようというレイアウトにしているように見えるのも特徴の一つ。広告と言うと無闇に文字を並べたくなる所をガチョウのかわいさ勝負に特化しており、結果として可愛らしい、分かりやすい広告にしたのは見事です。
 ミニキャラを素直に可愛らしく表現するお手本として要チェック。

・闇の戦争:ミステリーレジェンド

 素直に映像が面白い広告としてはコレ。全体的にスピード感が無くもっさりしており、エロがあり、適度な失敗がある。
 今回は広告のやり方が面白いとか優れているとかそういうタイプの評価が多い中で、素直に見ていて楽しいってタイプの映像ではやっぱり闇の戦争が安定して面白い。その割に復仇の竜・葉というキャラの紹介映像はやたらカッコよく、映像センスのキレが光る良い広告です。
 娯楽として見る広告に最適。

・職場少女 Fighting!

 職場少女fighting!はおねがい社長を送り出したIYAGAMEの最新作なんだけども、IYAGAMES特有のエロ推し、コラボ広告に加えて放置少女のエッセンスを加えているのが特徴。ベースになる作品を上手にパクったなあと思います。
 その上でこのアンナの紹介広告は穏便なキャラ紹介と見せかけて突然怖めの要素を入れてみたり、本編に登場しない3DCG要素で訴求してみたりと放置少女がやっていなかった事も開拓しているのが良いんですよね。その上パクリ先も放置少女だけでなく超次元彼女やカジュアルゲームの要素を取り入れているんだから、IYAGAMESの構えている手札がいかに潤沢かが分かる(自前で3DCGを出している辺り、ひょっとして次は3DCGの新作を作っているのかも?)。
 これもまたIYAGAMESの広告ノウハウの蓄積になるし、ここで試した事が次の新作の広告に活かされるんだ、という所が今回の職場少女fightingで明らかになりました。あくまで自分の集めた広告だけかつ自分の主観もあるから正確なデータでは無いけど、大体3:1=パクリ:新規くらいの割合で広告をやってる気がする辺り、これからが楽しみですね。

・キノコ伝説 勇者と魔法のランプ

 キノコ伝説はシンプルに2023年のトレンドを強化して殴るスタイルであるのが特徴だ。
 無料1000連ガチャに対する無料3000連ガチャ、プレゼント三種の神器である「PS5」「Switch」「最新型iphone」に世界旅行ペアチケットのプレゼント追加、パクリにならない程度のパクリを入れたタイトル画像広告、生成AIを活用した広告の量産。これらは2023年でやっていた広告を単純に強化して出しているのは2023年総合振り返りを読んでくださった方にはすぐ分かると思う。
 それに加えて1月のキノコ伝説は独自の強みとして『キノコは勇者や』のようなキャッチーなテーマソングと、R18詐欺要素を加えて完成させたようなイメージ。ここから2月に入ると東雲うみコラボで「キノキノも遊ばないが出て来て、投稿1ヶ月で既に150万再生を突破した広告ソング『キノコ勇者』が控えているのだから、スタートダッシュはほぼ完璧な滑り出しだったと言える。2024年を代表する広告になり得る出来。

・聖闘士星矢 レジェンドオブジャスティス

 ここまで様々な戦略を持って広告を出してきた新規勢であるが、聖闘士星矢はもっとゴリ押し。大量に広告をやればどこかで引っ掛かるだろうと言う極めてシンプルな「解」を見事に実行した。合計119作という自分の数えも確認出来た範囲だけだから、おそらくもっとやってる。
 人間なら誰しも一回は思うと思うんですよ。もうメチャクチャ金かけて大量に広告を出しまくった方が変に凝った事するよりも効率的なんじゃないかと。しかし仕事となるとどうしても少ない予算で効果を最大化しましょうみたいな話になるじゃないですか。そこで同じ内容の広告で良いから大量に放映して知名度を得よう、という発想が出来るのがカッコいいね。上記の狩野英孝の広告なんて切り取る所や表現を少しずつ変えるだけで1月で17本もほぼ同じ広告を出してるんだから敵わないよ。
 これもまた昨年のnonnotooを見て参考にしたのかもしれないが、山手線ジャックもしているんだから影響力はnonnotooの比ではないし、類似の例で話題になった最強でんでんよりもヤバい。広告界隈のパワーインフレを如実に感じさせる一作でした。
 しかも面白いのが最近の変なトレンドに全然乗っていない事。1000連以上のガチャもやらず、生成AIにも頼らず、プレゼント企画も目玉がiphoneと聖闘士星矢のフィギュアで、当然他作品のパクリや露骨な誇張も無い。単純に展開力で勝負してきたのが本当にすごい。

・ミドル級の注目タイトル

・銃弾射撃

 銃弾射撃は物理演算を活用したような広告が良かった。
 シンプルな偽ゲーム広告なんだけど、こういうのを一番やりたいなって思わされた。とりあえず周りのビルをぶっ壊すだけのゲームとかやりたいじゃん。小難しい事を考えずに遊べそうなゲームとして、ちょっと興味を持ってしまいました。
 まあ実際には遊べないんですけどね。

・ウルフゲーム:ザ・ワイルド・キングダム

 獣人エロ広告で昨年話題を獲得したウルフゲームだが、今回はナショナルジオグラフィック風広告というアンツもまだ開拓していない生き物広告の新路線を切り拓いたのが良かった。そう言えば動物が主役なんだから、動物を主役としたテレビ番組を参考にしようとなるのは極めて自然な思考ですよね。
 結果だけ見ると残念ながらそんなに話題にならなかったし、ウルフゲームとしてはエロ広告を推していきたいような雰囲気を感じはするんだけど、かなり可能性のあるジャンルを見つけたなあと思います。ぜひ上手に発展させてほしいです。

・Temu

 Temuは著作権的に危ないんじゃねえかと感じつつもぼんやり違う雰囲気を見せる怪しいアイテム紹介と、王道のテレビショッピング風広告の二本立てで勝負してきました。
 広告数自体もそれなりにあったんだけど、何だかんだこういう怪しい商品と見やすいテレビショッピング広告ってのが見ていて楽しい。ショッピング広告でもナレーションが機械音声だったり、ボソボソ喋っていたりでイマイチ訴求されない例を見過ぎたんだけど、ハキハキ喋るテレビショッピングってやっぱり見ていて楽しいんですよ。
 実際に買い物すると個人情報が抜かれる以外は完璧な広告なんだけどな~

・ライト級の注目タイトル

・ラグナロクオンライン

 新年と言う事もあってか、そもそもネット広告の新人勢が勢いがあり過ぎて一般的な広告はあまりにも普通過ぎた。その中で特筆すべき広告は何だろうと思ったら、やっぱりラグナロクオンラインの22年目突入を告げる広告でしょう。紅白歌合戦の演歌歌手パートくらい雰囲気が違う。
 よそのゲームが1周年だ、半周年だで喜んでいる中で21周年を言われたら皆土下座するしかないじゃん。別に変わった広告でも何でもないんだけど、積み重ねた歴史でぶん殴られた感じだ。
 こんな広告をやるくらいだからまだまだやる気でしょうし、いっそ100年続くゲームみたいになったら面白いですよね。頑張ってください。

・マスター級の注目タイトル

・オタ恋

 オタ恋は相変わらず生成AIを活用した広告をやっているんだけども、この画像は他の生成AIを使った広告とはちょっと格が違うと思うんですよね。痛車のイラストが自然に入っているんだけども、これはどうやって絵を入れたんだろう。
 ワコムの一件からすっかり生成AI関連のテクニックがXのタイムラインで流れなくなってしまったので、一体どうやってこれを作ったのかが疑問なんですよ。もちろん人間に対して車が小さすぎるという所はあるけども、そこは分かりやすいツッコミどころとして残している可能性が高いでしょ。
 生成AIをコストカットや実験作品ではなく広告として使えているのは現状オタ恋だけだと思うのだが、果たしてこの領域に辿り着く広告が2024年に現れるのか。乞うご期待。

・ドット勇者

 そんな中ドット勇者も本格的に生成AIをやり始めたのだが、このイラストは何だよ。エロいようで全然エロくないしむしろ痛々しいんだけど、でもそもそもそれではないという脳が理解を拒むタイプの絵をよくぞ作り上げました。
 2024連ガチャと言う施策もシャレが効いてる上に既存のガチャ数からは上回っている辺りちょっと凝った調整なのだが、キノコ伝説に3000連ガチャをやられたのは間が悪かった。

・おねがい社長

 おねがい社長の広告のクオリティも盤石なもんだけど、職場少女とかち合いながらよくも秘書の靴下を選ぶ広告という新パターンを生み出したもんだ。その上で10連ガチャをやってランキング1位なんだから往年の社長を思い出しちゃったね。
 貴島明日香コラボ広告もさすがにコラボ先を立てた内容になっており、見ていて楽しい内容だったと思います。Tiktokでやっていた「正真正銘のマチョーならこのゲームは見逃せないぜ!」から始まる広告も安心感しかない広告だったし、ほとんどハズレが無い広告を出してくるんだからすごいよ。
 困ったら社長を見よう!

・2024年1月のMVP

 2024年1月のMVPはキノコ伝説です。
 単純に出来が良いのも勿論、2023年のトレンドを純粋進化させる形で最新の環境を考慮していたのが素晴らしい。その上でオリジナル要素としてのテーマソングや、ウソのR18紹介なども加えてきた。全体的にクオリティの高い広告だったと思います。

 ただ今回はMVPという言葉がおかしくなることを承知で、星矢ジャスティスもMVPとして指定したい。
 ゲーム広告における2023年のトレンドを一切無視して物量戦だけでぶつかっていき、山手線全域に広告を張り巡らせたその勢いは評価せざるを得ないだろう。
 今月は人によってはぽちゃガチョ!がベストだと感じてもおかしくなかったし、Temuや職場少女fightingも広告数、クオリティ共に高かった。2024年は波乱の幕開けになりそうだ。

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