広告振り返り:~11月総括編~
・11月の広告のあらすじ
・広告の治安がドブ底に落ちた
これまでも散々広告の底が抜けた! モラルが無くなった! と言われる広告界隈ですけども、11月はもうすごかった。素人のエロfantiaに誘導する広告が大量に流れ、詐欺広告が溢れ、広告でのウソもいつも通り多かった。
正直2024年は広告の底が抜けたと言うよりも、底が抜けた先に存在するさらなる闇の世界でのバトルに時代が移ったような気がします。バラモスが大魔王だと思ったら実はゾーマという大魔王がいたみたいな話で、エロも詐欺も何でもありの無法地帯になりつつあった。
結局12月終盤の今ではエロ広告も落ち着いたけど、11月って過去を類を見ないほど広告が終わってた印象。
・Xにて一般人の広告が増加
上の自称にも多少付随する出来事だが、企業でなく一般人の出した広告も増えたのが11月の大きな特徴と言える。
どうもXプレミアム会員の不具合か何かで一般の方の広告が多数出るようになったとか、それ以外にも普通にXで広告したい人が増えたとか、そういう色々な憶測が出ていたが、結局12月後半にはこの辺の一般人の広告も適度な量に減ってきた印象がある。やっぱりテストだったのかなあ。
・ルーキー級の注目タイトル
・宿命ファンタジー
俺は広告で見たいのは真っ当なメッセージや手抜きゲームじゃない、やっぱりウソのゲーム広告なんだ! という人にはこれがオススメ。盾サーフィンならぬ盾スケボーでステージを走り回り、存在しているか知らない転職ルートを紹介され、高低差のある地形でモンスターを狩りまくるってあるあるなのかナイナイなのか分からない物語を伝えてくれる。
こういう昔気質の魔剣伝説ライクな偽広告ってもう本当に見かけなくなってしまったんだよね。それを見たいなあ、と思っても見られない時代なので、真面目に変な広告を見たい人にもこの汚い広告の時代は苦しいよ。普通にスーツを着て歩いている往来に突然全裸の男が現れるからビックリするのであって、皆がウンコを投げつけて回ってる通りで全裸の男がいても何も面白くないでしょ。最低限のモラルがあるから、モラルの無い広告が面白いんだ。そういう事を強く思った年末だったなと思います。
何はともあれ宿命ファンタジーは全部ウソなんだけど、楽しいウソというのが世の中あったじゃないか、というのを思い出させてくれる広告でした。面白いウソすら無くなったら現代社会つまらないぜ。
・星の翼
星の翼はいわば機動戦士ガンダムエクストリームバーサスライク、2on2のPvPという珍しいジャンルのゲームなんだけど、そういうゲームを告知する上で本家ゲームのトッププレイヤーを招聘して案件を投げる、何ならゲームセンターで稼働している隣にポスターを掲示してもらうってやり方は中々破天荒だと言えるのではないでしょうか。
ジャンルをパクってるだけだから大丈夫なんだろうけども、この類の話題ではいわゆるパルワールドがポケモンをパクった! というネタで紛糾した2024年に堂々と「俺たちはガンダム勢に星の翼を牽引して欲しい」とでも言いたげな広告戦略を堂々と完遂したのはすごい事だと思います。無料300連ガチャやしょうもない紹介用茶番のような広告の基本戦略も踏襲しているし、かなり面白いタイトルだった。
まあ今は許されてるだけでもうちょっと売上が高くなってきたらバンナムサイドが動き始めるんじゃないか、みたいな話も考えられるけど、そういう展開があり得るかも分からないですしね。そもそも最近のトランジェント実装⇒大会前緊急下方で謝罪文を出していて、その前から新キャラを出しては環境が壊れているエクバ本家よりも頻繁に調整を入れている星の翼の方がゲームとして出来が良い、みたいな主張は一理あるようにも思うし。
・ミドル級の注目タイトル
・iN2X
これまでAI美女を作るチャットアプリ広告は数多く出て来たけども、iN2Xは継続して広告をリリースする事によってクオリティが上がっているのが目に見えて分かるのが良い。
最初に見かけたのは8月だったんだけども、これは単にキャラクターを紹介するだけの内容なんですよね。それに対して改めて11月の広告を見ると、実際にキャラを選ぶところから始まってキャラ設定をする例も見せるし、チャットする様子を見せる、そして紹介もAI音声とアバターによって行う徹底ぶりなんだから、演出のレベルが明らかに上がっている。
一回ウケた物を擦るようになり始めた広告は正しい反面、やはりマンネリを感じてしまう所があるんですよね。しかも悪い広告の場合、よそのウケた広告を何も疑わないでパクって沈没していくパターンが実に多い。その点iN2Xは少しずつ改善していて、どんなアプリか分かりやすくなっているのが良いんです。
・いちか
11月X広告腐敗の象徴とも言える一作。とうとう個人のエロ広告がはびこる末世になってしまったし、ここから12月初頭まで特に興味も無いエロ広告が大量に放映されるようになってしまったのは広告に対するモチベを失う一個の原因になっていたと思います。
この辺の広告は単にゾーニング不足なのもそうだし、世の広告に対して無知な人間がたかだかアニメ調美少女が街中に掲示されているだけでぎゃあぎゃあと騒いでいるのが全部嘘っぱちになってしまうのもひどい。
結局この辺はXの広告システムが良くなかったんじゃないか、という暫定の雰囲気が出たまま風化しつつあるが、youtube、Instagram、facebook、X、全ての広告に何かしらの問題を抱えていて、こういう広告を消すためにプレミアムに登録しよう! というのを回答にしているのが本当にひどい。
俺が本当に一回広告と言うシステムを終わらせた方が良いなって思ってしまったのはこの広告が初めてです。告知が入る代わりに無料で使って良いよってモデルは歪みが隠しきれなくなってるよ。
・-FUSHO-浮生
浮生は萌え萌え子供が登場! というテーマでまるで人間の子供をペットのように扱う広告が個人的にツボに入ってしまいました。世の女性の中では子供に対して異様に入れ込んでしまったが故の悲劇譚が見受けられる訳ですが、ある意味で子供を他の親よりも優れた存在にしようとしてペットのように扱ってしまっている親ってそれなりにいるんじゃないですか。
子供の人生を育成ゲームのように扱うよりはゲームで消費しろ、というのはいくらか健全に見えるが、いくらか健全というだけであんまり褒められたもんでは無いと思います。こういうメッセージを広告で堂々と放映するんだ……とちょっと引いてしまいました。
・ライト級の注目タイトル
・リプトン
関暁夫を出演させてリプトンのティーパックを陰謀論に組み合わせただけで面白いに決まってるんですよね。シンプルに発想賞。
正直都市伝説ってこれくらいのノリでちょうど良いと思うんですけど、最近の陰謀論はメッセージが重くなりすぎたせいか見ていて疲れるんですよね。リプトンのティーパックとピラミッドの隠された関係性を見出すとか、それくらいで良いんだよ。
大体出だしの「リプトンの袋はもう開いてる」だけで超面白いじゃん。これ一本でもう全部解決している。
・ドカ食いダイスキ! もちづきさん
ドカ食いダイスキ! もちづきさん自体2024年のヒットタイトルだけども、原作に沿ったテーマの無料プレゼント企画を行い、広告自体はギリギリ健常者っぽく見えるビジュアルに仕上がっているとか、恥を隠している千切りキャベツを剥がしたら原作のちょっと怖い要素が出てくるとか、細かく原作を再現した野外広告になっていた。
原作に沿ったマーケティングってこれですよ。野外広告も単にやりゃあ良いってもんじゃなくて、こういうちょっとした面白さをやってくれる広告を皆見たいと思います。
・マスター級の注目タイトル
・Temu
Temuはインパクトのある茶番広告をやっているのはもちろんだけど、PayPayポイントのプレゼント企画もゲームの無料ガチャ広告とはちょっと格が違うよなって思います。無料200連ガチャよりも無料でpaypayポイントを1万円分くれた方がうれしいよなあ!
その上でいつものショッピング画像広告もいっぱいあったし、少しずつ表現を変えて飽きないようにしているのも良い心遣いですよ。長期的に広告を見せるとなると、やっぱりちょっとずつ表現を変えてくれないと飽きる。自分のように広告ばっかり見ている人間じゃなくても、多分皆思ってると思うんですよね。
結局Temuはずっと広告だらけで2024年を走り切ったし、すごいタイトルでした。
・2024年11月のMVP
2024年11月のMVPは星の翼です。
かなり特殊な例だと思うんだけども、ガンダム勢を取り込むための広告プランという意味では相当上手にやっていたと思うし、現に赤ヘビア、スローネツヴァイ、トランジェントと、とんでもない機体が出ては不具合調整と称した下方修正とか謝罪文込みの緊急調整とかやっている本家エクバから上手い事人を引っ張れたんじゃないかなと思います。その中でリグ・コンティオだけそれなりな感じだったのは何なんだろうな。 星の翼みたいな緩やかだけど壊れた選択肢をぶつけられるゲームが好きな人もいるだろうし、オバブみたいな壊れた選択肢をぶつけられるゲームが好きな人もいるだろうけども、新作を出した時にちゃんとお客を奪おうという意思がある広告だったと思います。後はバンナムが突然訴訟に動きだしたりするのかみたいな所は若干気になるけど、現状しなさそうだしね。