広告振り返り:~11月総括編~
・11月の広告のあらすじ
・古参勢の復活が散見される
放置少女、ドラゴンエッグ、あべりょうなど、知る人ぞ知る広告古参勢が蘇ってきたのが11月の目立ったニュース。特にあべりょうって未だに広告をやって音楽を告知していたんだって思ったんですけど、案外他の人は広告を見かけていたのかな?
年末も近づいてきたこのタイミングでもう一回広告をしておこう、という発想自体は結構分かりやすい思想。とはいえ広告をする媒体にXが選ばれなくなってしまったのは時代の流れを感じますね。昔はTwitterだけ見てれば面白い広告を山ほど見られたのに……
・ルーキー級の注目タイトル
・ドラゴンエア:サイレントゴッズ
ドラゴンエアは2023年9月に初登場したタイトルなんだけども、ダンジョンズ&ドラゴンズコラボ広告のクオリティが全体的に高かった。
今時の広告には珍しく真実を伝えた映像が多く、映像もカッコいい。合格と言わざるを得ない内容だ。
ところでバルダーズゲート3と言いドラゴンエアと言い、日本にダンジョンズ&ドラゴンズが改めて普及し始めている感じがありませんか? 2023年を境に改めてダンジョンズ&ドラゴンズ関連の作品がもっとやってくるかもしれませんね。
・文明と征服:EOC
これまた比較的広告が真面目勢……に見えて、中国の会社が「時が来れば、中国文明は剣のごとく他の文明を一掃し世界を征服出来るはずだ!」なんて告知しているメッセージ性の強さが特徴。
SPOTLIGHT ENTERTAINMENTこと、旧4399が割合真面目な広告をやっているように見えて、メッセージ性を強める事で隠し切れない広告性を見せつけているのがたまらんのですよ。
4399っぽい広告に関してはモリノファンタジーに任せていく、っていう方針転換だったら結構アツいです。
・ミドル級の注目タイトル
・オタ恋
オタ恋は新シリーズを多数出した上にネタ広告もウケて、とかなり勢いがあった月だったと言える。特にスカイダイビングシリーズに関しては、空の上にいる人物を2名描くという生成AIではあまり表現しないような絵柄に積極的にチャレンジしているのが良いですね。
どうしても現状生成AIで作られる画像っていかにも生成AIだと分かるような大喜利的なテイストになるか、グラビアアイドルの模造品みたいな作品が多いじゃないですか。その点オタ恋はカップルという大テーマの中で色々な画像を作っているのが本当に興味深いんですよね。
生成AIで金を儲けようとするとどうしてもグラビアとか安上がりなイラストとかになってしまうので、こういうユニークな開拓を続けてくれるような広告は続けてほしいなと思います。
・勝利の女神:NIKKE
NIKKEは1周年という事で色々な広告を出していたが、テンプレ流し込みから凝ったボス紹介まで何でもやっていたのが面白いですね。特にクオリティの高い広告から突然テンプレ流し込み広告になった時の落差は他に無い笑いが出てきますよ。
こういうテンプレ流し込み広告はカードゲームのオリパ広告くらいじゃないかなあと思っていたんだけども、広告は自由。大手ゲームだろうとテンプレに直接ぶち込んで広告したって良いじゃない!
他の広告も大体見どころのあるい出来になっており、見飽きないバリエーションを提供しております。何だかんだ地力があるんだよね。
・ライト級の注目タイトル
・Meta Quest 3
推しの子コラボ自体は2023年の一大トレンドだったとはいえ、ここまで衝撃的な絵面を作ってきたのはMeta Quest 3くらいのもんでしょう。なんだこのアバターは。
別に初期顔アバターでも、それだけで広告するなら普通でしょう。しかしそこで推しの子の顔と並べたのはちょっとすごいよ。最初にキュウリにはちみつをかけたらメロンの味になる事を考えた人くらいすごい。
その後は戦略を変えたのか、アバターを出さない広告をメインにしたのもえらい。何ならこの広告すら話題取りのために計算づくでやった可能性が高いんじゃないかなと思います。散々行われた推しの子コラボ広告の中でも一際異彩を放つ広告で好きです。
・ハイエナ
テレビドラマの広告なんだけども、ここまで広告感の無い広告も出来るんだ、という驚きがありましたね。こんなん普通の投稿じゃないですか。
やっぱり広告かどうかを判断する材料って、動画の場合露骨に商品名を押し出しているか、あるいは投稿本体にリンクがあるかどうかを見るじゃないですか。そこでこの広告なんだけども、投稿本体にはリンクが無くてツリーの先にリンクがあるんですよね。プロモーション投稿の仕様としてツリーの先は現状見られないから、プロモーションの文字や#PRが無ければ普通に個人の投稿だと見まごう出来。
それで画像の方もちゃんと見れば登場する役者名を紹介している辺り、最低限の広告的要素がある訳ですよ。世の中広告が嫌われていると言っても、ここまで広告感を抜いてくるとは思っていませんでした。
・マスター級の注目タイトル
・Royal Match
王様をいじめるパズル広告として広告をしていたRoyal Matchだが、その残虐性を隠し切れなくなりつつあります。特にこの火災から助かったと思ったら水に溺れる広告はひどいでしょ。溺れかけた王様が天井を叩く様とかデフォルメしきれないグロさがあるよ。
過激な事をして耳目を集めるのは変な広告の常套手段ではあるけども、割と王様に対してにじみ出る殺意を隠し切れなくなってるんですよね。ここまで色々な殺し方をやろうとするのは前世で王家に一族皆殺しにされたみたいな怨念がこもってそうだし、あるいは王様を痛めつける事に快楽を覚えている可能性がある。
異様に凝った殺し方で目を引いてくるんだから、失敗系広告と言うのもまだまだ奥深いジャンルだと思います。適当に失敗している広告は見習え!
・おねがい社長
実はおねがい社長も生成AIを使っている広告としては古参勢ではあるんですよね。ゲーム本編に採用している絵が生成AIで出やすい絵柄とたまたま近かった、というラッキーパターンとはいえ、そのチャンスをしっかりと活かせるのはさすが古豪と言った所。
1年間のコラボ回数も何だかんだ他のゲームよりずっと多く、かなり頑張って広告をしている事を感じさせます。かつてTwitter広告だった頃にトップだった社長が見られないのはちょっと残念ではあるが、時代が変わればTwitterはXになるのだ。ショート動画系の広告になったら昔みたいな茶番広告よりもエロ推しの方が目立つんだから茶番はやめようと、スッパリこれまでの定番を捨てられるのもすごい。
なんだかんだ2023年を振り返った時に、常に社長は広告を出したり、コラボを告知したりしていた訳です。他の広告よりもよっぽど継続して、しかもクオリティを高めているんだから大した広告ですよ。こういうのを見ると少し姿を見なくなったからと言って、安直に「アイツは過去の人だよ」みたいな評価をするのは危ないなあと思わせられる。
・2023年11月のMVP
2023年11月のMVPは『オタ恋』です。
オタ恋のスカイダイビングシリーズ、電車オタクシリーズ、室内デートシリーズと、それぞれ生成AIを新しい使い方で活用して、それで話題を取って成果を出している辺りが本当にすごい。ありきたりな使い方じゃなくて独自性ある使い方をしっかり貫いているのが好印象なんですよ。
2023年はオタ恋の年だったなあと思うくらいにはハイクオリティ、かつ生成AIなのにここまで独自性を持って一年目を突っ走ったって素直にすごいと思いますよ。12月は有名作品のパロディとかも増えてきたけど、結局パロディ以外の事もやりながら広告を続けているんだからその偉業は色あせない。
自分はかなり真面目に感動しました。