新課程学習 指導者の立場

本日もよろしくお願いいたします。
前回、新課程学習の概観を話しましたが、予想以上の反応があり、僕も少し驚いてます。やはり気になる内容だと思います。
今回は講師側に立って話したいと思います。
無料公開です。よろしくお願いいたします。

■英数で確認したこと

新課程用の塾教材をいくつか確認しました。そのときに僕が感じたことは、数学は例題などある程度は充実していたのでそこまで問題視はしてなかったが、英語は教材を少しだけ予習した程度では厳しいことがわかりました。なぜなら、英語の例文→簡単な解説→演習という形だったため、文法の詳しい解説・コアがされているものとされてないものの差が大きかった気がします。

ここから感じたことは、英語については市販でもいいので文法書などを理解できなければいけないな、と思いました。できれば高校内容の文法書があるとなおいいです。
特に中3を指導されるなら意識はしておくといいです。あと、問題点としては、実際の入試の出題形式がデータが少ないため、難度なども予想がつきません。もし、私立入試で新課程内容が出てるならば、それを参考にするのがいいかもしれません。その中で何が出題されやすいかを確認ください。

また、高校内容の基本問題を見るのもいいと思います。ですが、新年度から中学英語の先生は授業内の指示も全て英語でやらないといけないという縛りが出てくるため、これまで以上に予習・自分の学習が大変になります。それを踏まえて英語の活用についても指導をしなければなりません。

数学については大きな変更点はないものの、四等分位図や箱ひげ図が高校内容から降りてきます。中1内容の補足的な内容となるので、そこまで難しくはないと思います。問題についてもチャート式などで確認しておくといいでしょう。

■社会は歴史に注意

英数の注意点以外で気を付けないといけないのが社会です。その中でも新説が書かれている歴史については気を付けてください。例えば、聖徳太子(厩戸王)が推古天皇の摂政となった話が、以前の教科書では普通に書かれており且つ太字で書かれていました。しかし、新課程の教科書では摂政と書かれているものが半数に減り、書かれていても太字で書かれなくなりました。よって、重要な語句の変更も行われています。となると、従来のままの指導であるなら、重要度の間違いが起こることも想定されます
僕も今年の新課程から採択されている7教科書分を確認して、歴史名辞や人物などを確認して太字などの変更点などを整合しています(現在自分が検索している歴史の教科書が帝国と山川です)。
え、まだ検定教科書が届いていないのでは?と思いますが、現在は塾用のワークなどを参考に検索をしています。教科書検索はそののちになると思います(取り寄せが可能になるのが検定教科書の配布が終わったときなので、本格的な確認は早くても四月中旬以降となります)。

学校の先生が作成した授業プリントを使うことがほぼできなくなっています(標準版のテキストなどはその辺りがわかってないものがいくつかありました)。そのため、内容との整合を改めて行わなければならないため、学校の先生も授業教材作成は苦心することになると思います。

特に気を付けないといけないのが、次年度から山川の教科書を使う地域です。現在用語などを調べているのですが、従来の中学社会では使われなかった語句がかなり使われています。指導者としては教科書が変わる地域は改めて教科書などの確認をしておく必要があります。今までは重要語句として説明していたのに、途端に言い回しが変わっているなど気を付けないといけないところも増えてきています。これは社会だけでなく、理科でも同様のことが言えます。

地理や公民も最新の内容が記述されているものが増えていますが、特に気を付けないといけないのが、SDGsを関連させてくるところです。東京書籍の教科書を使っている地域(一部のみ東京書籍を採択する地域でも該当します)は特に気を付けてください。

■塾講師は特に注意がいる

学校の先生でも大変ですが、塾の先生も対応に追われることになります。その中でも特に対応に追われるのが小中学部中心の学習塾です。ほとんどの人は従来の中学内容までの内容は指導できても、新課程の指導については未知数になってくるため、一つ間違えると現場が混乱する恐れがあります。
しかし、高校では学習してきたことなので、本来なら何かしらの形で学習してきているはずです。そのため、まずは新課程で降りてきた高校内容の確認をしっかり行いましょう。できれば英語は文法書などを改めて見るのがいいと思います。間違っても教材だけですべてを理解することができないため、問題は解けたとしても、それをきちんと解説するには予習が必要になると思います。

ただし、高校内容の指導ができる場合は話が別です。中高接続の強みをしっかりと出していただけるといいでしょう。

僕も日本史については高校内容の説明ができるため、中学内容の歴史についてはその強みを活かしたいと思います。その上で、2022年から始まる「歴史総合」「地理総合」「公共」の科目にうまくつなげて指導しなければなりません。それを受けて、今後は地理や世界史、公民科目の土台作りのために中学内容が必要になるため、丸暗記推奨の指導は通用しないと思います(入試もそのような傾向になる可能性がある)。

指導者もこのようなことを意識できるように指導する必要があるので、授業の組み立て、思考力養成など様々なことを検討しなければならないので、授業研究などが大変になります。その辺も気を付けて授業準備等行ってください。僕も世界史や公民などに対応できるように学習を続けたいと思います。

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中学社会・日本史講師吉野@予備校講師
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