目の前の絵画は感想なんて聞いてきやしないのに
わたしがKUNIBIKIに携わるよりずっと昔から、
絵画作品に対してこんな疑問を思っていました。
「なんで植物とか風景とか描くのだろう?芸術って爆発なんじゃないの?」と。
しかし、KUNIBIKIで1人の作家と出会い、考え方がぐるりと変わりました。
KUNIBIKIのエントリーメールに添付された1枚の作品写真。
ファイルを開いて、思わず声が漏れたのを今でも覚えています。
まるで写真のように美しく、緑が目に飛び込んでくるような。
この作品を手掛けたのは、伊藤遥さん。
実はあとで知りましたが、わたしと同い年で隣町の出身でらっしゃいます。世間狭い。
観るというより眺望する感覚
わたしは昔、美術館がどうも苦手でした。
しーんと静かな場所だからか
・「わたしはどう見られているのだろう」と周囲の目が気になる。。
・感想を求められたら、それっぽいことを答えないといけないのかな。声も響きそうだし、。
とビクビクしながら鑑賞することもしばしばありましたから。
しかし、美術館とは何かの試験会場でもなければ、
なぞなぞの回答を強要させる野蛮な施設でもありません。
ましてや、作品に興味のある人しか来ないため、鑑賞者の一挙手一投足をいちいち気にかける人もいないのです。
考えすぎでした。
美術館とは、本来リラックスできる場所なのだと思います。
KUNIBIKI'19では順路から巡ると、初めに伊藤さんの作品と出会うよう配置しました。
わたしは伊藤さんの作品を観るときに、眺望するような感覚になります。
風景画に対して眺望なんて、安直かもしれませんね。
でも、ずーっとぼーっと眺められる時間って、人生で結構大切だと思うんですよね。
だから鑑賞者の方にも
「あまり深く考えすぎず、ぼーっと眺めながらゆっくりして行ってくださいね」
という、メッセージをKUNIBIKIの最初に送りたかったのです。
よかったら、
KUNIBIKI'19を順路から巡ってみてくださいね。
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