わたしを一歩進めさせてくれた作品がある
作家ファーストの展覧会を開催したい
KUNIBIKIへわたしが参画した当初から、ずっと願い続けてきたテーマです。
KUNIBIKIでのわたしの役目といえば
作家さんからの要望と、グループ展の公平性との間に立ち、会場をつくることでした。
いい意味でも悪い意味でも、作品頼りの展覧会に
毎回、作品のクオリティは素晴らしく、来場者の満足感も、アンケートから伺うことができ
開催自体への安定感、安心感は自信を持てるようになりました。
しかし、開催を続けるにあたって、心境の変化がおこります。
「作品をより際立たせる会場づくりができていない。作品以上の歓びを感じられない空間へ、作品を飾る価値はあるのか?」
毎年開催前に葛藤があり、この悩みから抜け出せずにいました。
公平性という約束をやぶる
前回のKUNIBIKIが初参加になる作家 近藤顕さんから要望された展示レイアウトを見て、悩まさせられることになります。
元々こちらから提示していたエリアからハミ出ていたので、場所の確保から検討がスタート。
彼の作品を少しでも活かせる場所はどこだ?と考えるようになり
彼の作品の鑑賞方法について研究し、以下のように考えつきました。
・作品の前に立ち、ゆっくり鑑賞して欲しい
・ライトな鑑賞者より、じっくり鑑賞してくれる方に観てほしい
・作品と出会えた喜びを感じて欲しい
ということで、
入り口からは絶対に見えない場所であり、他の作品から隔離された場所である、
部屋の片隅に配置させていただきました。
作品露出の観点で言えば最低な場所だったかもしれませんが
彼の作品を見つけて喜んでいただいた方も多く、個人的には満足しています。
KUNIBIKIで展示してくださった彼の作品
ずっと眺めていると、描かれている模様が動き出すかのように見えてきます。
彼の真意とは違うかもしれませんが
幼い頃、雲を眺めていたのを思い出しました。
しかし、自然を眺めるのとは違う
先日紹介した伊藤さんの作品とはちょっと違う感覚になるのも、
面白さであります。
近藤作品がこれからも生み出され
町の中で出会い、それを喜ぶ日を楽しみにしたいと思います。
作れ、近藤。
VRで彼の作品が鑑賞できます。よかったらどうぞ。
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