仕事や作業が進まない心理学的な原因と対策法【ツァイガルニク効果編】
仕事や作業をしていても、なかなか捗らなくて困ること、ありませんか?
「好きな作業ではないのでやる気が起きない」
「疲労や眠気で頭が働かない」
などありますが、実はそれとは別に、「頭の中のモヤモヤ」がやる気を低下させている可能性があります。
今回は、あなたのやる気や作業効率を下げている頭のモヤモヤ「ツァイガルニク効果」の内容と対策法をご紹介します。
ツァイガルニク効果とは
「ツァイガルニク効果」は、完了していない物事が記憶に残りやすい心理のこと。
終わっていない仕事や作業、用事などのことが頭の中で意識的、または無意識的にモヤモヤと残り続け、脳内のリソース(資源)を奪っている状態を差します。
例えば仕事であれば、
現在取り組んでいる作業以外に、頼まれた別の作業があったり、客や取引先とのやりとりが終わっていない
など、完了していない作業や物事があるときに発生します。
ツァイガルニク効果のメリット
ツァイガルニク効果は一見悪いことのように思えますが、実は良い効果もあります。
「あと少しで作業や勉強が終わる」となったとき、キリが良いところまでやろうとする心理が働くので、目標達成のモチベーションを上げてくれる
締め切りがあると「ここまでに終わらせよう」という目標意識が高まるので、作業効率が上がり、作業時間の短縮に繋がる
など、「完了させたい」という気持ちが働くので、やる気やモチベーションを上げる効果があります。
また、わざと中途半端にすることで残りが気になり、ダラダラする時間を減らす効果もあります。
ツァイガルニク効果のデメリット
一方、中途半端のまま終わっていたり、悪い方向に働くと、生産性を大きく下げる要因にもなります。
やり切れなかった作業を次回に持ち越すことで、気になったりストレスになって、効率やモチベーションが下がる原因になる
マルチタスク(同時並行)で作業を行うと、常に終わっていない作業があることで集中できなくなる
など、脳やメンタルの負担になることで、やる気やモチベーションの低下だけでなく、作業効率を下げる一因にもなります。
ツァイガルニク効果の対策法
ツァイガルニク効果には良い面も悪い面もあるので、デメリットになる物事を減らし、メリットになる使い方を意識すると効果的です。
目標設定をする
あらかじめ「ここまでやる」と達成可能なレベルの目標を決めておけば、未完了の状態を無くそうとし、目標に到達しやすくなります。
また、あえて「今日はここまで」と事前に設定しておくことで、悪いツァイガルニク効果を働きにくくすることも可能です。
同時並行をやめる
マルチタスクはツァイガルニク効果が悪いほうに働きやすいので、シングルタスク(一点集中)で作業を行い、一つ終わらせてから別の作業に取り組むと、パフォーマンスが下がりにくくなります。
頭の中から一旦取り出す
やるべきことが頭の中に残っている状態を一旦取り除くために、メモやスケジュール帳でやることを書き出しておいて、忘れても問題ない(簡単に思い出せる)ようにしておくのも効果的。
心配になる物事を頭の外に出しておくと、別の作業に取り掛かっているときに脳のリソースをすべて注げるようになり、悪い方向にツァイガルニク効果が働きにくくなります。
普段からツァイガルニク効果が良い方に働くタイプの方であれば、そのままで問題ないでしょう。
一方、悪い方に働くタイプであれば、積極的に対策法を実践すると、モチベーションや作業効率アップに繋がるので、ぜひ自分に合った使い方を試してみてください。
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