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美しきネコ科猛獣
猫科猛獣が大好きです。
こう話すこと自体、滅多にないのですが、口にすると大抵「んん?」っと確認されます。「ネコ科猛獣」という単語がまず聞き慣れないようです。
猫が好きというのとは、少し異なり、トラやライオン、チーター、雪ヒョウなどの力強い野生の美しさがあり、生ける芸術です。
写真集も持っています。
ですが、販売されているということは、彼らの美しさは周知の事実であるということですね。
一体いつからネコ科猛獣に心酔したのか。
自宅で小鳥やウサギを飼っていた時に、頻繁に野良猫が狙いに来ていたので、子供の頃は猫が嫌いでした。
ある日、父が子猫を拾ってきて、最初のみ嫌がったものの、すぐにそのかわいさの虜になりました。最初は私が嫌ったので、父は家から離れた小屋に子猫をつれていき「夜はイタチが出るから襲われるかもしれないな」と私を脅しました。結局、心配になった私は、夜泣きながら自転車で子猫を迎えに行き、それから自宅で一緒に暮らすことになりました。
何がきっかけか、思い出せないですが、
その後、高校生くらいから、虎のキーホルダーを鞄に付け、部屋には実写ポスターを飾っていました。
・見た目の美しさ
・精神的な強さを求めてのあこがれ
自分も強くあらねばという思いもあり、見た目だけでなく精神的な支えとして大事な存在になっていました。
その美しさから毛皮が狙われ、絶滅危惧種になっていることを知り、ますますその境遇を憂うと同時に夢中になりました。
社会人になってからは、インドの僧侶が虎と暮らして世話をしているお寺に本気で行こうとしたりしましたが、当時は叶わず。
そんな時、当時20代の私は図書館司書の仕事をしておりました。他県の司書仲間と出張帰りに新幹線で、「私、ネコ科猛獣が好きなんです」とお話ししました。
すると「え~!私もよ。」との回答に驚きました。
さらに、「スマホの待ち受けは虎なんです」とお見せすると、「私もよ」と虎の待ち受け画面を見せてくれました。
本当に驚きました。
母親くらいの年齢の素敵なほんわかした女性でした。
話してみないと分からないものだなあと本当に驚いたことと、とてもうれしかったことを今でも鮮明に覚えています。
「好きなことはすきだと言おう」歌のフレーズが流れてきます。
LINEのアイコンをずっとマヌルネコにしていたのですが、最近TVで話題になり人気のようです。
ちょっと悔しいような。押しのアイドルが売れて有名になった時のファンってこんな気持ちなのだろうか。
人気が出たからといって、密猟が増えませんように、と祈るばかりです。
あの、おじいさんのような顔とずんぐりした体形が何とも言えません。
そういえば、高校生の時に留学先のホストマザーにマドンナが好きだというと、「彼女は怖いわ」と言われました。
私がトラやライオンの写真を見せ、美しいでしょうと言ったとき、実の母は「怖い」と言っていました。
今思うと、共通した強くあらねばならないという思いから、マドンナとネコ科猛獣の両方は強さへのあこがれからきたものであったように思います。
トラは単独行動で、群れを成さないんですね。孤軍奮闘。当時はそういう思いで自分を奮い立たせていました。
今も好きですが、昔ほどの熱烈な思いではありません。
私自身の中から「強くあらねばならない」という思い込みが消えたからです。
今はネコくらいがちょうどいい、のんびり癒される存在が心地よいです。
でも、トラネコが一番好きです。やはり、私には小さなトラに見えているようです。