IME を使用しない漢字の直接入力 (バージョン 1.2.0 の新機能)
IME を使わずに漢字を直接入力する、AutoHotkey v1 用のスクリプトを作成しています。
はじめに
単漢字入力システム (direct-input23.ahk) をバージョンアップしました。本記事は、バージョン 1.2.0 で追加された機能に関する情報です。
システム全体の説明やインストール方法については、「バージョン 1.1.0 の記事」を参照してください。
追記:2024/11/16
本記事の公開時、かな変換のホットキーを ^o、^i と記述していましたが、正しくは「!o」と「!i」です。たいへん失礼いたしました。下記、訂正済みです。
バージョン 1.2.0 で追加された機能
ひらがな・カタカナ、英数字の入力支援
入力内容の一部にカナが含まれるような場合に (たとえば「サメ子」さんとか)、IME を ON にしなくても入力できるようになりました (ちょっと操作にクセがありますが覚えると速いババーンと思います)。
かな・カナ入力
ひらがな・カタカナ用の辞書を用意して、未変換の入力 (バッファに入っている部分のみ) を一括でかな/カナ変換します。
使い方は、
furuo--to
のように英数入力した状態で、ひらがな変換 (初期状態では「!o」) またはカタカナ変換 (同じく「!i」) のホットキーを入力します。この場合は、
ふるおーと (カタカナ変換の場合は「フルオート」)
に変換されます (同梱の辞書の場合)。
この例を入力する際、漢字辞書の方に「fu」や「fur」の登録があるとその時点で 漢字 変換されてしまい、カナ変換できません。その場合は 1 文字目にアルファベット以外の文字 (プレフィックス) を入力して辞書のエントリにマッチしないようにしてください。デフォルトの状態だと、アルファベット以外の文字として数字キーとピリオド、ハイフン (マイナス記号)、およびカンマが使えます (カンマは本バージョンで追加したばかりなので確実です!)。
,samixtuto
のように入力すれば漢字変換をキャンセルできます。かな・カナ変換では、バッファの先頭にあるアルファベット以外の文字をすべて無視しますので、これをカタカナ変換すると、
サミット
になります。カンマの分、入力が 1 文字増えてしまいますが、打ち直しなどが発生する可能性を考慮して、常にプレフィックスを付けることをお勧めします。
変換はカナ専用の辞書に基づいて、バッファの先頭から最短マッチを繰り返して一括処理されます。この辞書は direct-input23.ini ファイルの [kanaDictionary] セクションで「dict=」に続けて指定します。
語句 (文字) の登録は漢字辞書と同じように、読みと語句を「=」で繋いで指定しますが、
a=あ,ア
i=い,イ
のように、ひらがなとカタカナをカンマで区切って記述します。読みの文字数に制限はありません。入力スタイルに合わせて編集してご利用ください。また、エントリの数も任意ですので、同梱の辞書で変換できない文字がありましたらエントリを追加してお使いください。
英数字入力
未変換状態の (バッファに入っている) 文字列をそのまま確定します。
かな変換でも使用したように、入力の 1 文字目にカンマを使用して漢字変換をキャンセルします。バッファに文字列が入っている状態でもう一度カンマを入力すると、バッファ先頭のカンマを削除した上で、現在の入力内容を確定します (バッファから追い出します)。
たとえば、「in」や「inf」が漢字辞書に登録されていても、
,infinity,
と入力すれば
infinity
を確定できます。
確定と同時にバッファはクリアされます。また、1 つ目のカンマを入力した時点でもバッファをクリアしますので、カンマを続けて 2 回押すとバッファをすばやくクリアできます。
メモ: この機能ではカンマを出力できません。カンマの入力が必要な場合は、IME をオンに切り替えて入力してください (F1 モードもご利用ください)。
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