桂馬は斜めに動く
ノートPCの天板に貼るステッカーは、所有者の美的センスが、残酷なほどに試される。
それはまるで、夏休みの読書感想文が、とても良い出来だからと、クラスメイト皆の前で、読んでみなさいと突然言われたかのようなものだ。
スタバでドヤ顔するには、少なくとも本人には(理想はそこの女性店員にも、あわよくば向かいの女性客にも)、満足のいくものにしておかなければならないだろう。
ステッカーを、あえて無秩序に貼るか、オーソドックスに整然と貼るか。もしくは一枚だけさりげなく貼るか。 そして、どんなステッカーを貼るか。空間は有限だが、可能性は無限だ。
個性は、天板上で圧縮され、店内で解き放たれる。ロレックスもMacBookも、それの前では、いとも容易く魅力が霧消する。
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