#ドローン
遊覧飛行 #008『風を受けて』
#ドローン
せっかくの休みの日でも、風が強いと、ドローンは飛ばせない。機体がたったの400グラムなので、大体、風速4メートル以上あると機体をうまく制御できない。そういう日は仕方がないので、諦めておとなしく帰るのだが、片付けをしながら、往々にして俺の頭の中では、幽霊船の話が想起される。
遊覧飛行 #007『みーちゃんとなーちゃん』
#ドローン
みーちゃんとなーちゃんは双子の姉妹で、二人とも、とても愛らしく、驚くほど聡明だ。
双子にしては、それほど顔立ちは似ていないが、まあ、一卵性双生児特有の不思議で面白い共通項はたくさんある。
遊覧飛行 #006『半鐘』
#ドローン
まだ俺が小学生だったころ、ここには半鐘が掛かってた。
半鐘とは、町内で火事が起きた際に、ジャンジャン叩いて辺りに知らせる釣鐘のことである。
幼き日の俺は、いつかあそこによじ登って、鐘を連打してやろうと企んでいた。ところが、である。小学三年生のころ、気がついたら、いつの間にか取り外されていた。
もちろん、今では無用の長物であり、実際に使われる場面も見たことはないのだが、だから
遊覧飛行 #005『命名』
#ドローン
ウイスキーで、アリゲーターというのがある。
これは、銘柄ではなく、ウイスキーの種類の一つだ。
樽の内側を強火で焼いて、炭化させる。その樽で寝かせたウイスキーをそう呼ぶ。
火で焼くと、樽の内側には亀裂が生じる。それが、まるでワニのウロコのように見えるところが、その呼び名の由来なのである。そうしてできた酒は、色が濃く、スモーキーで、ピートの香りをより一層際立たせる。
遊覧飛行 #004『話しかけてきた男』
#ドローン
「映画が好きなんですか?」
と話しかけられた。
馴染みのバーで、一人、飲んでいる時にである。
その店は、大きなテレビがカウンターの奥に備え付けられていて、いつも古い映画が映っている。それを観ながら、静かに飲むのが好きで、たまにふらりと行くことがある。
その日は、トーキー時代のチャップリンがやっていた。
これはまったくの蛇足なのだが、チャップリンの『街の灯』は
遊覧飛行 #003『スペック』
#ドローン
バイクに夢中だった時期があった。
その頃は、日本で売られているバイクならば、ほぼ全ての車種のスペックをそらで言うことができた。あれは何年式で、排気量はいくつ、車重は、というように。
好きこそ物の上手なれとは良く言ったもので、凡人の脳みそでも、使いようによっては、思わぬ力を発揮するものである。
さて、シリーズ三回目は、遅ればせながら我がドローンのスペックを。
サイ