見出し画像

「Bar VOGUE」 in oita


  • 大分市中央町 レコードが溢れるバー VOGUEがオープン!


2022年4月オープンされたVOGUE。

 今回株式会社センスが、デザインを担当させていただきました。オーナーである代表 中村氏は、数年前からレコードに囲まれたバーを作りたいと、構想を考えており、その構想を形に落とし込んだ空間がVOGUE。

  

  • 「過去と未来がアシメトリーに交差する」




 大分市都町にバー ザンジバーでスタートした中村氏。愛する音楽を主軸にお酒を楽しむ空間を模索し、完成したのがザンジバーでした。
その後、音楽ライブに特化したクラブ フリーダムを完成させ、多くのイベントを展開。たくさんのアーティストが出演し、若者にもアーティストにも愛される空間として、17年間という歴史を誇り、現在も最前線で音楽を発信中。


 私が、中村氏と出会ったのは、そんなさなか、2015年のフリーダムのリノベーションが始まりだった。もともと音楽制作を仕事としていた私が、音楽も理解している人に空間も任せたいと依頼をいただいた。

 その時は、驚いたし、自分も通ったフリーダムだったので、心が躍ったことは今でも記憶に刻まれている。2015年、打ち合わせをしていくなか、ポップアートの象徴的存在 アンディーウォーホルを中村氏が敬愛している一つのきっかけから、ウォーホルのアトリエである銀色一色に塗られたファクトリーを敬愛なるオマージュとして提案した。

 この空間からいろいろなアーティストが生まれたこともファクトリーと重なる部分が多くある。大分にも素晴らしいアーティストがたくさん存在し、そんな彼らは、今でも本当に素晴らしい音楽を世界に届けている。

 2020年にもその第二段として、さらなるリノベーションを依頼をいただき、ダンスホールのさらなる最適化を図った。そんな17年間、音楽家、ユーザーに愛されているフリーダムもいろいろな進化を遂げてきた。

 昔は、今みたいにネット配信などもなく、さらにCDが主流とされる前は、レコードが世の中のトレンドだった。中村氏は、そういった時代のなかで、レコードを買い集める少年だったようだ。三度の飯よりレコードに費やすそんな話が少し懐かしい。一枚の値段は、1000円だったらしい。今では月額1000円払えば、世界中の音楽がスマートフォンで聴ける。場所も取らないし、DJもレコードを背負って、クラブに行くことも無くなったのだろう。



 そんな時代を経た中村氏は、あの時代は今思えば、貴重な時間だったし、そのDJとしてのスキルは今考えると逆に新しいと彼は語っていた。
今、このデジタル時代の素晴らしさは言うまでもないが、そんな中で過去のアナログ時代を知ること・楽しむことも大切ではないかということだと思う。なによりそんな時間が贅沢なのかもしれない。

 そんな中で、過去と未来がアシメトリーに交差することにより、昔は良かったと思い出話で終わるのではなく、「過去を知り未来を作る」というキーワードが、雲に隠れた太陽が雲から顔を出したときのように光のシャワーなって降ってきた。

  • デザインへと落とし込むこと


 今はインターネットの普及によりデザインのトレンドは皆どれも似たりよったりとなってきている。ハッシュタグの恩恵だと思うが、おしゃれなカフェと調べれば、テンプレートのようなデザインがソートされる。

 そのなかで失いかけているものは、個性だったりする。道をそれることを恐るというか、ぽいなかにもそのオーナーの個性を形にするのが、私たちデザイナーの仕事だと思う。よくあるのは、自我が強すぎて、クリエイター側の脳内回路がかなり凝り固まっているケース。

 とにかく作品ライクに考えたい。

 私はデザイナーとして最高責任者として身をおくが、他スタッフはすべてパタンナーと私は思っている。とにかくパース通りに現実の空間を再現する作業は簡単に見えて、すごく難しい。だから、そこにコミットしているメンバーは本当に職人だと思っているし、リスペクトしている。

 万が一、ぶれるとすべての計算が狂う。その狂いは少しでもあれば完成後に大きく爪痕を残す。

 オーナーが、こうしたいと思いがあるときは、そのオーナーがデザイナーだと思う。だから、私たちプロはすべてパタンナーに姿を変え、ポジションを全うする。

 しかしながら、プロはプロ。私たちは、長年の経験の中で、難しさを理解しているのは、「照明」「家具」などがある。照明は図面では表現できないので、かなりの注意が必要になる。

 VOGUEは二つの顔を持ち、照明を極限まで落とし、白色1色で彩ったどことなくアナログをイメージをする雰囲気もあれば、青やレインボーなど中村氏が海外で見きてきたバルのような顔も持っている。

 空間は、黒と白にアシメトリーに分離され、黒の部分にレコードやアナログDJブースなど過去を表現し、白色の空間は、現在・未来を表現している。


  • 1928年から始まったストリートに未来を描く


 VOGUEは場所を選定する上で、あえて歴史あふれるストリートを中村氏は選択した。1928年 前身である糸園マートからスタートし、今では注目のストリートとして、立ち並ぶテナントは、満室となっている。

 そんな場所だからこそ、過去と未来が交わるのではないか。と考え、大分エリアでは、古くなったストリートに、若い人たちやいろいろな方々が和気藹々と楽しんでるこのストリートは、本当にすごいと思う。


 是非、一度、足を運んでいただけたらそんな嬉しいことはありません。
いろんな世代に愛される場所VOGUE、そして中村氏の今後の展開にも目が離せないし、追いかけていきたい。

Bar VOGUE

〒870-0035 大分県大分市中央町1丁目4−22さくらやビル1階
tell 080-3977-0823
start 17:00 end 23:00 (last order 22:30)
holiday  Monday

いいなと思ったら応援しよう!