【予告】メディア流ゲストNo.2 石戸諭氏 毎日新聞からバズフィード、そしてフリーへ 新進気鋭のノンフィクションライター…その素顔とは?
さて、第2回目となる「メディア流」を先日放送しました!今回のゲストは、元毎日新聞記者で現在、フリーのノンフィクションライター石戸諭(いしど さとる)さんです。皆さんもテレビのコメンテーターとして目にする機会も多くなったのではないでしょうか?今回は予告編というよりも、石戸さんとの回顧録のような内容をお届けします。
出会いは…暑い暑い2013年の真夏
石戸さんとの出会いは8年前の参院選。まだデータジャーナリズムなどという言葉が聞き慣れない時だった。当時、石戸さんは毎日新聞の大阪社会部だったと記憶しているが、参院選に合わせて東京で「参院選」特集を担当されていた。その頃の私(村上崇)は、スタートして間もないインフォグラフィックを事業化するべく渋谷のマンションオフィスで外国人(イタリア人とフランス人)たちと模索する毎日を過ごしていた。そんな時、毎日新聞の担当の方から一本の電話を頂いたのが、石戸さんとの出会いのきっかけだった。
「参院選のインフォグラフィックって作れますか?」
参院選に関するTwitterをデータ解析してインフォグラフィック化する
2013年あたりはクラウドやビッグデータというキーワードが急速に浸透している最中。メディア業界にも「データジャーナリズム」という言葉が生まれ、イギリスのガーディアンやUSのニューヨーク・タイムズなどはこぞってデータを可視化した特集記事を発表していた。
その頃、毎日新聞は攻めていた。かなり攻めていた。参院選関連のツイッターのビッグデータを分析してインフォグラフィックで表現するというのだ。しかし、それが攻めている、ということではない。スタートして間もないベンチャー企業に問い合わせ、当時、当社で働いていた来日間もないイタリア人とフランス人にインフォグラフィック制作を託した、ということが「攻めている」のだ。当然、僕たちも問い合わせをもらった時は大きなビッグチャンスが到来したとばかりに「OK!No Problem! たくさん実績があるのでおまかせください!」と受注させていただいた。(今だから言えるがインフォグラフィックの制作実績と言える実績は片手ほどでした…すいません。)
その後の修羅場が待っていることも知らずに…。
(当時作成した参院選ツイッターデータのインフォグラフィック)
石戸さん「すごい形相で事務所に乗り込んでくる事件」
当たり前だが、新聞社は毎日締め切りに追われている。その事は頭ではわかっていたし、私もテレビ生放送の帯番組でディレクターをやっていたので時間に追われる緊張感はわかっていたつもりだ。しかし、今回は勝手が違う。事業開始間もないインフォグラフィック制作の仕事であり、しかもクリエイターはイタリア人と入社2ヶ月のフランス人、そして私も、インフォグラフィックに関してはディレクションくらいで手を動かしたことはない。そんな中、毎日新聞社としてはかなり力を入れた参院選ビッグデータ特集のインフォグラフィックを任されることになったのだから、生きた心地がしなかった。
そのプロジェクトを統括・リードしていたのは、我らが石戸隊長。石戸さんのするどい目線の入った記事と共に我々が制作したインフォグラフィックが日々掲載されていくのは実に誇らしかった。
イタリア人もフランス人も、スピーディーに対応してくれ、必死で石戸隊長についていった。おかげで1ヶ月の間、石戸隊長に夜中に呼び出されたり、デカイiMacを毎日のように竹橋の本社に持っていっては、また渋谷の事務所に持ち帰るという日々が続きはしたが、何本かあったインフォグラフィックは締め切りに遅れることなく紙面やWebで無事掲載されていった。
そんな特集のラストの日、今までの総集編をドカンとデカくやる、ということで徹夜して気合いを入れたインフォグラフィックを納品し「後は掲載されるのを待つだけ」というタイミング。「今日はピッツァとワインでカンパイデスネ」とイタリア人とフランス人と共にマンションの一室で帰り支度をしていた時だった。
ピンポーン
とチャイムがなった。そこには、我らが石戸隊長が文字通り「すごい形相」で仁王立ちしており、「急いで直してくれ!」とズカズカと事務所に乗り込んできたのだった。
マンマ・ミーア!
その後の記憶はもう曖昧だが、とにかく石戸隊長がガンガンに修正指示を出し、イタリア人とフランス人が「クレイジージャパニーズ!」と(きっと)心の中で叫びながら、必死で要求に応えた。そしてファイルデータを書き出したフラッシュメモリーを渡すと、怒涛のように石戸隊長は新聞社へと戻っていった。(→この内容はラジオでも少し話しています)
あれから8年、ただの一度も石戸さんとは会っていなかった。
こうやってラジオ番組で8年ぶりに再会して、あの頃の話が出来るとは実に感慨深い。今、石戸さんのYouTube用の動画を編集しながら、当社にはもういないイタリア人とフランス人、そしてあれから沢山納品してきたインフォグラフィックを思い返しながら、甘酸っぱい思い出に浸っています。
まもなく石戸諭さん出演の動画を公開します!どうぞお楽しみに!
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