喫茶店の喫は喫煙の喫
喫茶店に行きたいのである。
喫茶店の喫は喫煙の喫だと思っている。
私と @ayumi884 はともにタバコを吸う。
愛煙家というかどうかはわからないが、二人ともにタバコなしで喫茶店には滅多と入らない。
しかし、昨日は @ayumi884 が体調不良であった。
一緒に出かけられない。
一緒に出かけられないから、出かけないというのは、相手に責任を負わせてしまうことだと知った。
優しいということではなかったのだ。
一人で出かけた。
深夜である。
喫煙の喫茶店と言っても、分煙では不満である。
そもそも私たちとて、赤ちゃんがいる横に座って、タバコを吸ったりはしない。
咳をしている人の横でも同様である。
分煙している喫茶店というのは、喫煙者を隅に追いやっている場合が多く、のんびりできない。
喫茶店には、のんびりしに行くものだと思っているので、のんびりできない喫茶店に行く理由はない。
だから、大手チェーンの喫茶店にも行かない。
そこへ行くと、昨日行った喫茶店は、完璧である。
席数は多く、完全喫煙であり、深夜2時まで営業している。
しかも、定休日なし。
正月などどうか知らないが、無休と店の紹介には載っている。
素晴らしい。
サンドイッチなどの軽食もあるようである。
また、ウィンナーコーヒーなどコーヒーの種類も豊富である。
ただ、蹴上というところにある。
千本三条にある我が家からは遠いようである。
しかし、深夜2時まで時間はある。
23時ごろに家を出た。
一昨日、かなりの遠出だったので、足が疲れていた。
御所の手前で少しへばり気味であった。
御所で休憩しようと思った。
@ayumi884 が好きな場所である。
目的地である蹴上、名前は知れども、場所は知らずで、地図は見てきたものの、感覚としてわからない。
相変わらず徒歩、昨日の疲れもあり、辿り着けるか不安になった。
しかし、思いの外、御所での休憩は良かった。
気候も良かった。
月の具合もよかった。
御所の雰囲気も良かった。
20分ほど休んで足はずいぶん楽になった。
名前しか知らぬ、蹴上に向かった。
そういえば、喫茶店の名前をおぼえて来なかった。
丸太町通をとにかく東に突き進んでいけば良い。
平安神宮を少し越えたあたりに店はある。
それだけで、肝心の店の名前をおぼえて来なかった。
おぼえにくい名前だな、と思った、そんな印象だけが残っていた。
御所は西側の南門より入って、東側の南門より出た。
出たところすぐで工事をしていた。
地面を掘り返している。
工事の兄ちゃん達が座って、スマホゲームをしている。
僕は東へ向かった。
川端通を超えた。
もうわからない。
だいたい京都に住んでいても、知らないところは多い。
車でもあれば少しは違うのであろうが、ない。
基本的には、ずっと家にいても苦にならないのが僕である。
見知らぬ場所をただひたすら東へ向かう。
大きい通りだったのが、だんだん細くなり、暗くなり、人も車もなくなり、静かになってきた。
嫌な雰囲気はしない。
人がいなくなった代わりに、草木がよく目に入る。
神社や、古びた寮、税金の不服申立てをする処、などがあった。
ある神社の中には、選挙ポスターが貼ってあり、少し戸惑った。
社寺仏閣と選挙ポスター、あぁ、場違いのようで考えてみれば、そんなこともないなと思った。
しかし、堂々としたものだと思った。
岡崎神社を越えた、どの辺りか知らない。
バス停はある、停留所の名前も見てみるが、一向にどこだかわからない。
ここが、丸太町通の何処かであることは知ってはいるが、わからない。
寺がある、寺の駐車場がある、なんだかわからない施設がある。
武道会館というところがあった。
とても大きい施設だった。
知ってはいてもわからない場所であるため、なんだか間違っているのかと疑問を持ち始めた頃に、喫茶店は見つかった。
はなふさ珈琲店イースト店という名前であった。
外観など、食べログで見ていたので、すぐにあそこだ、と思った。
客はいなかった。
50席ほどあって、客がいないので余計に広く感じた。
テーブルも割と大きかった。
おしゃれな店ではないが、清潔に保たれており、カウンターの中も整理整頓されてはいなかったが、マスターにとっては機能的であるようだった。
BGMに驚いた。
ジンギスカン。
「ジン・ジン・ジンギスカーン!」である。
知らない人はyoutubeで「ジンギスカン」と調べればトップに出てくると思う。
その後も同じような曲調の陽気で速いテンポの曲ばかりかかっていた。
CDラックがあったので、マスターの趣味らしい。
テーブルは大きく、木の簡素なもので、椅子も同じである。
丈夫そうではあった。
タバコの自販機も店内にあった。
テーブルには当然のように灰皿があり、ライターがそれ用の台に差し込んであり、立って喫煙者を待っていた。
店はマスター独りである。
常に忙しく動き回っている。
初老の男性で無愛想だが、ハキハキして動きは機敏である。
ライブ配信のカメラを見てもなんとも思わないようである。
しかし、「クラブハウスサンドイッチ」と僕に注文された時には、瞬時に振り返って時計を見た。
いま何時やと思ってるんや!、と思ったのか、なんだかわからないが、とにかく時計を一瞬見た。
1時である。
クラブハウスサンドイッチは作ってくれるようである。
ホットコーヒーも注文した。
「苦味と酸味と2種類あります」とテキパキ愛想笑いなく聞いて来る。
酸味の強いコーヒーは苦手なので、苦味のあるコーヒーを注文した。
独り男性が、湯上りのような格好で店に入ってきた。
ソファー席の一番奥に座った。
僕は一番手前に座っていた。
喫茶店に着くと、とりあえずは、ポケットに詰め込んできている、手帳と、ペン各種を取り出して、テーブルに置く。
タバコを吸う。
ライブ配信をしている向こうにいる @ayumi884 と少し話す。
少し描いたところで、注文の品が届く。
そういえば、朝起きれば腹部のエコー検査があるということを忘れていた。
数年前から、腹部を押すと痛いのである。
だんだん強くなってきているようなので、医者に行ったら「検査しよっ」と言われたので、やってみることにしたのだった。
朝食は抜かなくてはならない。
深夜は何時まで食べて良いか?と聞くと「3時ごろまでなら」と看護師さんが答えた。
「それから、消化しやすいものにしてください。」とも言った。
今は深夜1時である。
ただ、クラブハウスサンドイッチである。
ベーコンがこれでもかというくらいに入っている。
まぁ、帰り道も結構あるので、十分に消化するだろうと考えた。
美味かったが、一切れが大きい。
どうして食べたら良いかわからないハンバーガーのようである。
美味かったが、少し多かった。
他にどんなものがあるかもう少し、吟味すればよかった。
見た瞬間に決めてしまった。
マスターのペースにはまってしまったからかもしれない。
コーヒーも美味しかったように思う。
それよりは、サンドイッチを食べきることに懸命だった。
食べきった後にようやく、のんびり出来た。
手帳に絵を描いた。
@ayumi884 が出てきた。
配信の向こう側にもいてくれたが、絵にも現れてくれた。
長い距離を歩いてようやく出会えたような感じがあった。
絵に出てきた彼女は、いつか六曜社で喫茶した時の彼女であった。
独りだったがこれはデートだと思った。
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配信模様はこちら、御所より始まります。
奇特な方はご覧ください。
https://www.liveme.com/jp/v/15353813003649747283/index.html?live=1&kid=2
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