友人への贈り物
今日は夜の配達人。
深夜でなく夜。
夜にはまだ人が多い。
特に男女である。
ほろ酔い加減にも見える人がちらほら。
その中を自転車を漕いで、郵便局へ行く。
明日は、予定がいくらか詰まっていて、忙しいというほどでもないが、予定が立たない。
いつ外に出ようかと悩んでいるうちに1日が過ぎそうなのである。
だから、急遽夜に自転車で出かけた。
今日は散歩ではない。
用事があるのである。
友人に贈り物をするのだ。
僕の友人ではない。
僕は友人と呼べる人はまぁいないと言ってもよい。
知り合いはいくらかいる。
薄い付き合いである。
深く付き合うのは一人で良いと昔から考えていた。
小学校の頃は、友達たくさんできるかな、というようなことをよく聞いたせいか知らないが、友達が欲しかった。
人並みに友達と呼べる者はいた。
中学校では、何故か勉強のできる友人が多かった。
勉強ができないのは僕一人であった。
高校になると、勉強のできる友人は、皆進学高に行き、部活動の部員が友人だった。
陸上部であった。
弱小だった。
史上最低とも言われた。
下級生にも完全になめられていたようである。
高校も卒業し、行くあてもなく浪人し、何故か美術大学に行くことになり、高校の友人とも縁が切れた。
縁が切れたというか、縁を切った。
自分の初めて興味を持ったことの話が出来なかった。
まぁ、それでも違う分野の人間とも付き合えば良さそうな者だが、必要がなくなってしまった。
なんとなく昔の話をすることに飽きてしまって、宇宙に通じる話を聞かせてくれる人ができた僕には、興味がなくなってしまった。
寸暇を惜しんで、その人の話を聞いて、また僕も少し話をした。
1秒もその他の人と話をする気にはならなかった。
そうしているうちに、色んな人と縁が切れた。
縁が切れたが、たまにバッタリ出会うことがある。
そうすると、別に喧嘩別れをしたわけでもないので、普通に挨拶をし、軽い近況などを話す。
相談事などはないが、いろいろ大変なこともあるんだろうと、察せられることも耳にしたりする。
別に次に会う約束もしない、そういうことに話が行かない。
返って、一個人として話をしているようで、簡単な話のなかに面白さを感じたりする。
また、そういうバッタリ出会うことに喜びも感じる。
相手が妙な顔をしている時も、意地悪く楽しんだりすることもまた面白い。
そんなことを考えながら、@ayumi884 の友人にプレゼントを送った。
台湾への荷物である。
関空が使えないため、荷物の到着が遅れると、郵便局員さんに言われた。
別に構わない。
プレゼントはいつ届いても良い。
なんだか、僕の友人にプレゼントを送ったような気分になった。