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アスレティックトレーナーとは?PART.1

こんにちは、アスレティックトレーナーの小林幸平です。
今日は、アスレティックトレーナー(AT)という仕事・資格についてご紹介します。


JSPO-ATについて

まず、日本でアスレティックトレーナーと聞くと、
私は日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー(JSPO-AT)を思い浮かべます。
この資格は日本スポーツ協会が発行している民間資格で、協会のホームページでは以下のように定義されています。
JSPO-AT は、以下4つの役割に関する知識と実践する能力を活用し、 スポーツをする人の安全と安心を確保したうえで、パフォーマンスの回復や向上を支援する指導者です。
1. スポーツ活動中の外傷・障害予防
2. コンディショニングやリコンディショニング
3. プレーヤーの安全管理と健康管理
4. 医療資格者に引き継ぐまでの救急対応

(引用元:公益財団法人日本スポーツ協会ホームページ https://www.japan-sports.or.jp/coach/tabid879.html#:~:text=%E3%83%BB%E5%90%84%E7%A8%AE%E5%8F%96%E7%B5%84-,JSPO%2DAT%E3%81%A8%E3%81%AF,%E3%82%92%E6%94%AF%E6%8F%B4%E3%81%99%E3%82%8B%E8%B3%87%E6%A0%BC%E3%81%A7%E3%81%99%E3%80%82)
 

BOC-ATCについて

私はBOC-ATC (米国アスレティックトレーナー資格認定委員会公認アスレティックトレーナー)という資格を保有しています。一般的にATCと呼ばれる資格で、アメリカでATとして活動するために必須の医療資格です。
 
BOC-ATCは以下の5つの職業領域について教育を受け、さまざまな現場で実践しています。
1. 傷害・疾病の予防と健康の促進 (Injury/illness prevention and wellness Promotion)
2. 検査、評価、診断 (Examination, assessment, and diagnosis)
3. 応急処置と救急処置 (Immediate care and emergency care)
4. 治療的介入 (Therapeutic intervention)
5. 医療管理と職務上の責任 (Healthcare administration and professional responsibility)

(引用元:一般社団法人ジャパン・アスレティックトレーナーズ機構(JATO, Japan Athletic Trainers’ Organization) https://jato.or.jp/about2/) 

2つのATの資格を紹介しましたが、現場ではJSPO-ATもBOC-ATCも同じような業務内容を求められます。
ですが、ATCには以下のような特色もあります。
 
1. BOC-ATCはアメリカでは医療資格として認知されており、大学院修士課程の認定プログラムを修了しないと受験資格を得ることのできない資格です。プログラムに入るためにも試験があり、受験資格をもらえる人数が限られています。
 
2. BOC-ATCはアメリカの大学でしか受験資格を得ることができず、授業や試験は全て英語で受けなければいけません。なので、国内で活動しているATCは英語を武器に活動されている方が多いです。(外国人選手やコーチとのコミュニケーションや海外文献からの最新情報など。)
 
3. ATCのプログラムの過程で、座学と並行して日々の実習もこなさなければいけません。週12-15時間程度(多い時は20時間)。僕の場合は、2年間で約1200時間の実習を経験しました。実習場所は大学内のスポーツチームや近隣の高校、スポーツクリニックなどです。実習の量が圧倒的に多いのもアメリカのAT教育の特徴です。学生時代に数多くの現場で経験を積むことができるため、資格をとってすぐに即戦力として働くことが多いです。
 
4. BOC-ATCはアメリカの資格なので、日本では特に資格としての効力はありません。また、JSPO-ATは日本のスポーツ現場に向けて作られている資格なので、日本の現場の需要にはより適しているかもしれません。
 
5. 日本国内ではBOC-ATCの資格は有効ではありませんが、アメリカでは医療資格として認知されているため医師の指導のもと、怪我の検査・評価・診断及び復帰までの治療的介入をすることができます。国内では制限されてしまいますが、アメリカで診断や治療、競技復帰判断などの経験を積めることは一つの武器になると思います。
 
5. 英語で解剖学などを学んでいるので、日本語の解剖用語が苦手な人もいます。手根骨(手の小さな骨)や足部の細かい筋肉の名前はパッと出てこないことがあります。
これは私の場合なので、しっかり完璧に勉強されているATCの方もたくさんいらっしゃいます!
 

まとめ

ATはJSPO-ATやBOC-ATCの定義でもあるようにスポーツ現場での活動に特化しています。スポーツ外傷や現場での対応に強い資格で、スポーツチームや選手に帯同することに適しています。
 
他の資格などでトレーナー活動をされている方もいらっしゃいます。最近はトレーナーという名称を避け、ATや理学療法士(PT)、ストレングス&コンディショニングコーチ(S&Cコーチ)など役職を細かく分けて呼ぶ傾向にあります。それぞれの資格・役職に特色と強みがあり、知識や専門分野も多少異なります。最近のプロチームでは、初期対応はAT、リハビリはPT、トレーニングはS&Cコーチなど役割を分担しているチームも多く、より専門性が求められるようになってきました。
 
これから、“トレーナー“を目指す方には、具体的にどのような”トレーナー“を目指したいかによって、専攻を選択してもらいたいなと思います。スポーツ現場でのメディカルトレーナーとしての活動を目指す方にはATを取得することをお勧めします。また、プロの現場では鍼灸師や理学療法士、柔道整復師などの医療資格と合わせてATの資格を保有されている方も多いので、しっかりとリサーチをしてみてください。
 

少し長くなってしまったので、2部構成にしました!
PART.2では、アスレティックトレーナーの具体的な仕事についてご紹介します!

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