☀️ フリーターの今日(2)
バイト先の最寄り駅から数分歩いたところに、
その地域で最も安いであろうスーパーがある。
一人暮らしを始めてから地域のスーパーはくまなく確認し、また実際に各地で買い物をしてみたが、
そこが1番安い。
ダントツ、飛び抜けて、他の追随を許すことなく、ほど段違いに安いわけではない。
総合的に、全部ちょっとずつ結構安いのである。
恥ずかしい話、一人暮らしをするまでは
本当にお菓子コーナーとお惣菜コーナー、アイスコーナーにしか興味がなかった。
それが今では、
1番好きなコーナーは冷凍食品コーナーである。
と、言いたいところだが、どのコーナーも好きすぎて1番を選ぶことができないほど、スーパー自体を好きになってしまった。
スーパーの魅力を一言で表せ、と言われたら、
俺はなんと答えるだろうか。
おそらく、
「カオスである」点。
ではなかろうか。
カオス
英語:chaos
カオス(英: chaos)またはケイオスとは、「混沌」を意味する英語である。無秩序で、さまざまな要素が入り乱れ、一貫性が見出せない、ごちゃごちゃした状況・様相を形容する表現として用いられることが多い。
weblio 辞書 より引用
https://www.weblio.jp/content/%E3%82%AB%E3%82%AA%E3%82%B9
今更カオスの語義を調べたところでこの情報社会、知らない人は少ないのではと思うが、念のため再確認しておく。
混沌。
無秩序、一貫性のない、ごちゃごちゃ。
宇宙を表すときにも用いたりするような言葉である。
それでは、
スーパーはカオスであるか?という問い。
入り口には果物、野菜、少し進むと魚、肉、
調味料や加工食品、お菓子、冷凍食品、飲料、
ジャンルごとに区画されているのが一般的で、
そう、整然としているのだ、スーパーは。
ならば、「スーパーはカオスであるか?」という問いは、解に行きつかないのではないか?
否、カオスである。
あまりにも分類別に商品が、情報が綺麗に並ぶゆえに、
ある程度進むと、
「あ、あれカゴに入れ忘れた」
「カップ麺コーナー通り過ぎちゃった、戻らないと」
「ゴーヤチャンプルー作ろうと思ったのにゴーヤ見てないじゃん」
などとなってしまう。
そして人はスーパーを縦横無尽に巡る。
人々が欲望と共に、
準備された食材を選出しては、棚に戻し、
あるいは買うかどうかで目の前で悩み続けたり、
お菓子でごねる子供を親が見放したり、
そうしてカオスなスーパーが生まれる。
これがスーパーの魅力である。
しかし、俺は別にこの魅力のためにスーパーに行くわけではない。
生きるための食材を買いにスーパーに行くと、このようなスーパーの持つ魅力に出逢うことができるのだ。
HUNTER×HUNTERで、ゴン=フリークスの父親とされるジン=フリークスもこう言っている。
オレが欲しいものは今も昔も変わらない。目の前にない『何か』だ。
『HUNTER×HUNTER』冨樫義博
目の前にない何かを求めて、今日も俺はスーパーに行く。
haru