見出し画像

全国非営利法人協会はデータドリブン組織をなぜ目指すのか


法律や会計税務サービスなので文系だらけ

当社はサービスの性質上、法律の専門家など文系出身のメンバーが多く、数学的な素養を持つ者はほとんどおりません。筆者自身も文系出身ですが、これまでデータを読み解き、データに基づく意思決定なんて当たり前にできていると勘違いしていました。

しかし、社内で立ち上げたデータドリブン委員会での勉強会を通じて、自分がいかに勘と経験に頼って意思決定してきたかを痛感し、大いに反省させられました。国立大出身者がよく私学出身者はダメだなんて言うのは単なる偏見ではなく、数学的な基礎がないということを指していたのでは?と妙に納得してしまったわけです。

データドリブンとは何か

ちなみにデータドリブンとは、経営者やリーダーの個人的な意見や勘・経験ではなく、客観的なデータを基に意思決定を行うことを指します。これにより、組織の運営や戦略立案において、より正確で再現性のある成果を得ることが可能になります。


データドリブンを当社が目指す理由

当社がデータドリブン組織を目指す理由は、主に3つの点にあります。

1. 成功の再現性と失敗からの学び

データに基づく意思決定は、そのプロセスや結果が明確に記録されるため、成功した施策を他のプロジェクトや部門でも再現することが可能です。一方、失敗した場合でも、データ分析を通じて原因を特定し、納得感を持って次の改善策につなげることができます。これは、勘や経験に頼るアプローチでは得られにくい利点です。

2. 経営者やリーダーの個人的な意見よりデータを重視

組織がデータを重視することで、意思決定のプロセスが透明になり、客観性が高まります。個人的な意見や直感に基づく判断は、主観的で偏りが生じる可能性がありますが、データに基づく判断はそのリスクを最小限に抑えます。これにより、組織全体での納得感が高まり、一致団結して目標に向かうことができます。

3. 顧客に提供する価値の向上

データを活用することで、顧客の行動やニーズを深く理解し、より個別の状況に合わせたサービスを提供できます。顧客からのフィードバックや利用履歴を分析し、その結果をサービスに反映させることで、顧客に提供する価値を一層高めることができます。これにより、長期的に顧客と信頼関係を築くことができます。


数字なら新人も経営者と同等

勘と経験をベースにすれば、新人は絶対に経営者や上司にかないません。しかし、数字がベースなら立場の上下など関係なくなります。データに基づく意思決定は、個人の偏見や思い込みを排除し、より客観的で効果的な戦略を立てることができます。私たち経営陣が率先してデータドリブンなアプローチを採用することで、組織全体の意識改革を促進したいと考えています。


執筆者略歴
桑波田直人(くわはた・なおと) 全国非営利法人協会専務取締役
昭和50年生まれ、早稲田大学社会科学部中退。在学中に出版社に就職し、平成14年に全国公益法人協会編集局に入職。初代編集局長の川崎貴嗣に師事し、月刊誌『月刊公益法人』『非営利法人』編集長、『公益・一般法人』創刊編集長等を経て現職。公益社団法人非営利法人研究学会では常任理事・事務局長として公益認定取得に従事。編著に『非営利用語辞典』、編者として『公益法人小六法』シリーズ他担当編集書籍多数。



いいなと思ったら応援しよう!