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「名」と「もの」の関係性を音から探った

 『皆川淇園とその仲間たち』 第3回

皆川淇園は「開物学」という学問を創始したことでも知られています。しかし「怪物学」と揶揄されたように、難解すぎたその理論は当時も一般に理解されたとは言い難いようです。

 開物学は「名」と「もの」の関係性を「音声学」や「韻学」の観点から明らかにしようと試みるものでした。例えば「仁」ということばが示す意味は 「仁」ということばそのものの中に隠されていると考え、ことばの意味とその発音との間の相関関係に着目しました。その独創的な理論は明解な体系を備えたものにはならなかったそうですが、弟の富士谷成章に大きな影響を与え、そして近代日本語学の礎となった山田孝雄へとつながっていったので す。私たちが学んだ国語とも決して無縁ではない淇園。今後より多くの研究がなされることを願います。

                           (勝治 真美)

                         【2014.3.15 嵯峨野文化通信 第195号】

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