見出し画像

「“ずっとみんなで楽しく遊ぶ”組織であり続けること」がコウダプロの企業目的

5月6日に行われたボクシング・井上尚弥選手のスーパーバンタム級 世界4団体統一王座の防衛戦、ご覧になりましたか?

ルイス・ネリ選手に6ラウンド、テクニカルノックアウト勝ちし、4団体統一チャンピオンとして初防衛に成功する偉業を成し遂げました。

井上選手はPFP(パウンド・フォー・パウンド)ランキング世界1位だそう。PFPとは簡単にいうと、全17階級あるボクサーに体重差がないと仮定した上で、最強選手をランキング化したもの。世界トップってすごすぎます。

井上選手のほか、メジャーリーグで世界的スターとなった大谷翔平選手など、グローバルで活躍する日本人の話題が多い中で、「日本国内のムード、暗くない?」という話から、本日の朝礼はスタートしました。

私も今の日本のムードは明るいとは言えないと思います。

***

こんにちは、プレスラボの池田園子(@sonokoikeda)です。昨年より、月1回「コウダプロ朝礼レポート」を担当させていただいています。

前回(2024年4月)の朝礼noteはこちらから。
https://note.com/koudapro/n/nfa5a924a2d76

それでは朝礼レポートをお届けします。


やる気と戦意を失い、負けムードに包まれた今の日本


今日も口火を切るのは社長の幸田さん。「今の日本社会」をこう見ている、という話をしてくれました。

フランスの人口統計学者であるエマニュエル・トッド氏が2022年6月、『第三次世界大戦はもう始まっている』という本を出版して話題になったのをご存知でしょうか。

幸田さんも第三次世界大戦という言葉を持ち出し、まるでそれが起きているかのように、今の日本は内部破壊が起きていて、大きな国難に晒されていると指摘します。

さらに、国全体を包み込む負けムードを感じるともいいます。確かに、メディアが取り上げるのは暗い話題が多く、日本が凋落していく様が強調される印象があります。

「でも、今は何も起きていないじゃないですか。第二次世界大戦後のように、街が焼け野原になったわけでもありません。それなのに、やる気と戦う意欲が国全体から削がれている。そんな状況を見ていて、僕は『情けないこと言うんじゃないよ』と思うわけです」(幸田さん)

幸田さんはむしろ日本ほどチャンスがある国はない、と考えているそうです。その理由は大きくふたつ。

・少子高齢化の加速が影響する人口減で、衰退していく国のように見えるため、他国からビジネスを展開する先として狙われづらい
・日本語という強力な非関税障壁の存在がある

確かに、ビジネスを仕掛ける側としては「規模感も小さくて、生産年齢人口も減っている地域を対象としてもうまみはない。もっと可能性がある地域をターゲットにしよ〜っと」となるのは当然です。

良くも悪くも「海外から注目されていない」「グローバルでの存在感が薄くなっている」状況がプラスに働くということですね。

「目立たない」「地味である」というのは、ライバルを油断させるうちにこっそり勝つ戦略にもなり得るのでしょう。


江戸〜戦後のパワフルだった日本を振り返る【大人の歴史学び直しコーナー】


「日本ほどチャンスがある国はない」と言い切る幸田さんは、先述した理由のほか、日本が困難や逆境を乗り越えて浮上できる根拠は歴史からも見えると言います。

近代日本史を振り返ってみましょう(ここ数回、「大人の歴史学び直し」コンテンツのようになっていますが、私としてはとても有意義です!)。

江戸時代〜江戸はロンドン、パリを超える100万人都市だった

約260年にわたって続いた江戸時代。日本史において最も長く続いたのは平安時代(399年)ですが、江戸時代はひとつの政権が長続きし、大きな戦乱もなかったことから、「平和国家」とも称される点に特徴があります。

「長く続く」には確固たる理由があることが伺えます。

江戸後期となる1800年頃、江戸の人口は100万人を超えました。海外の大都市と比べてみると、その規模感が伝わるはずです。たとえば、北京の人口が90万、ロンドンが86万、パリが54万といった具合でした。

都市が拡大するにつれて、江戸幕府が江戸市中に置いていた遊郭を日本橋→吉原へと、街から離れた場所へと移して行ったことも象徴的です。


明治時代〜鉄を作り出せる、力のある国へ成長

明治時代は1868年に始まって45年続きました。1867年の大政奉還〜翌年の明治政府誕生にかけて起きた明治維新の頃、日本の人口は3,340万人程度だったそう。現在の4分の1ほどです。

当時の日本は豊かとはいえず、産業もほとんどありませんでした。欧米の列強に追いつき、追い越すために、国は富国強兵政策を唱え、産業を成長させて生産力を増やそうとします。

外貨を稼ぐ手段は当時、生糸くらいしかありませんでした。その頃、鉄を製造できる国=力のある国、勢いのある国という位置付けとなり、官営の製鉄所として1901年に八幡製鉄所が操業をスタートしました。

日本の人口の話に戻します。人口が1億人を超えたのは、明治維新から100年後の1967年。日本の人口は100年で約3倍に増えたのです。

厚生労働省の「人口動態統計速報」(令和5年(2023)12月分)によると、2023年の出生数は75万8631人で過去最少、死亡数は159万503人で過去最多。

人口の自然増減数は「-83万1872人」で過去最大の減少幅となったことを思うと、当時の人口増の凄まじさを感じられるはずです。

明治期の躍進が人口増、国としてのパワーアップに大きく貢献してきたことは間違いないといえます。


戦後〜好機を捉え、輸出拡大。高度経済成長を遂げる

第二次世界大戦後(1945年)、日本は焼け野原と化しました。そんな中でも先人たちは絶望することなく、苦しみを乗り越えて、戦後復興を果たしていきます。

戦後不況に陥っていた日本が経済成長を遂げるきっかけとなったのは、朝鮮戦争(1950〜1953年)の特需が発生したことでした。

アメリカ軍から日本企業に対する発注が急増し、輸出が飛躍的に伸びたことで、日本経済は1951年に戦前水準を超えたのです。このことが1960年代の高度経済成長への足がかりになりました。

ここまで歴史をざっくり振り返ると、日本という国・日本人はとてつもなく巨大なパワー、エネルギーを持っていたことが伺えます。そのDNAを受け継いだ私たちも、強さを秘めているのは間違いありません。


組織に属する人の幸せが増えていくのは当然


現在と歴史を踏まえて、ここからはコウダプロの未来の話です。

ここまでお伝えしてきた前提がある中で、コウダプロは組織として何ができるのか? どう行動し、何を実現したいか? を幸田さんはここ数日考えていたそう。その頭の中をシェアしてくれました。

現在、コウダプロでは組織をさらに良くしていく目的で、コウダプロ憲法 1条(コウダプロの企業目的)を改正する準備を進めています。

コウダプロの企業目的
第一条
コウダプロは、事業活動を通じて、顧客・パートナー企業・社員・経営者の幸福を増大することを企業目的とする。
企業目的に反する事業は、儲かる事業だとしても実施しない。
企業目的に反する上に儲からない事業は、考えるまでもなく実施しない。
この企業目的に反する者は、コウダプロのメンバーではない。
https://kouda-pro.co.jp/constitution より引用

当初、「関係者の幸せを増大させる」ことを1条の改正案として検討していたものの、疑問を懐くようになったという幸田さん。

迷いが生まれた理由について、幸せという概念に似た「健康」を挙げ、「幸せも健康も、そのもの自体が目的にはなり得ないから」と言います。

「健康=どうでもいい」と思う人はいませんが、「健康=生きる目的」とする人もいません(探せばいるかもしれませんが、大抵の人は健康であることを重要だと考えつつも、健康維持を人生最大の目的として生きる人は少なそうです)。

また、全ての組織は、関わる人たちの幸せの増大を「前提」としていると、幸田さんは気づいたそう。

「その証拠に『我が社は安定しているけれど、幸せにはなれないですよ』『健康にはなれないですよ』みたいなことを言う組織は存在しませんよね」(幸田さん)

そんなことを言う企業の担当者を想像してちょっと噴いてしまいましたが、確かに「うちに入ると幸せにはなれませんよ」と予告する企業とは出会ったことがありません(笑)。新卒時にも転職時にも。

組織に関わる人たちが幸せで健康でなければ、組織を組成する意味はないことを、どんな組織も無意識的に分かってはいるのです。

たとえ、ブラック企業であっても、「うちに入社してきた人間を全員不幸にしてやろう。ウヒヒ」といった狙いを意図的に持っているわけではないのです。

明文化されていなくても、「そこに所属する人々が幸せであること」という想いは、当たり前のこととして存在していると考えられます。


「ずっとみんなで楽しく遊ぶ」組織を維持したい


ここで質問タイムです。

「学生・社会人の生活はどっちが楽しいと思う?」と聞かれたとき、一般的にはどちらを挙げる人が多いでしょうか。

コウダプロ独自の調査によると、一般的には「学生」と答える人が多いようです。理由としては「社会人と違って責任やノルマがないから」「気楽で自由だから」といったものが寄せられる傾向があります。

そんな人に、「では、社会人になっても気楽で自由でいればいいのでは? それは難しい?」と聞いてみると、「気楽で自由でいたら、食べていけない」と返ってくることがあります。

それは世の中がここまで発達しても「マルクス主義」から逃れられない人が多い証でもある、と幸田さんは指摘します。

「コウダプロは『働かないと食べていけない』『生きていくために働かなければいけない』マルクスの指摘の外にある組織でありたいし、メンバーがうちの特徴として挙げてくれている、仕事をしていて楽しい、成長する、組織の中で意見を自由闊達に伝えられる、飽きない、物心共に豊かでいられる、などを実現する組織であろうとしています」(幸田さん)

こういった在り方(企業目的)をコウダプロ憲法1条で言語化すると、「ずっとみんなで楽しく遊ぼう」が降りてきたと幸田さんは話します。

そして、そのために作ったコウダプロという「箱」を守り、維持し続けていきたい、とも言います。


しなやかに変化していける組織は強く、魅力的だ


そろそろまとめに入ります。

「ずっとみんなで楽しく遊ぼう」は全組織が掲げると、そこに関わる皆が幸せになる理想的な考え方だと思います。

組織や人々、時代が変わっていく中で、コウダプロという箱を維持し続けるために、コウダプロも変化し続けていくのでしょう。

組織の最高法規であるコウダプロ憲法をアップデートする点で、大きな変化も厭わないコウダプロ。改めて、柔軟性のある魅力的な組織だなと思わされました。

Text/池田園子



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?