その20:三つの宝(2)
私は70年の人生の大半64年間剣道を修行した。そのことによって人生の意義をかなり大きなものにした。剣道そのものは、『松籟庵便り(15)』で説明したように、日常生活とは大きく掛け離れた動きの連続で、教えて貰わなければ生涯使うことがない動きである。礼儀作法以外は、今の時代に生きるために必要なことだとは決して言われないものだと思う。それを何十年も修行しているのは、端から見れば異様なことと言っても不思議ではない。そういうことを64年間続けて来て一番幸せに思うことは「友」を得たことで