平凡は武器である。
唐突だけど、私はティム・バートン監督が大好きだ。
「シザーハンズ」「ナイトメア ビフォア クリスマス」「チャーリーとチョコレート工場」「パイレーツ オブ カリビアン」「アリス イン ワンダーランド」などを手掛け、鬼才・奇才と呼ばれる彼が、彼の世界観が大好きで、尊敬していて、憧れている。(めちゃくちゃ詳しいマニアではないけれど。)
ついでに言うとジョニー・デップとヘレナ・ボナム=カーターも好きだからティム・バートン作品は最高オブ最高だ。
天才よりも、奇才が好き。
突き抜けている、狂気すら感じるような才能。
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私は奇才にはなれない。いたって平凡だからだ。突拍子もないような発想にも至らないし、突き抜けた狂気も持ち合わせてはいない。毎日のほほんと生きている。
一時は自分の平凡さを悔しく思ったり、情けなく思ったり、モヤモヤしたこともあった。本音を言えば、今でもないわけじゃない。
けれど、平凡は武器である。
世の中の大半が平凡だからだ。
みんなみんな平凡だからだ。
"みんな"の気持ちがわかるって、大きな武器だ。共感を呼べる。世の中で必要とされるものがわかる。改善点がわかる。
奇才と呼ばれる人の作り出すものは素晴らしいけれど、「わかる〜!」って感覚ではない。「おぉ〜すごいなぁ」だ。
例えば文章でバズるのは、共感できるものや心が揺さぶられるものじゃないだろうか。「なんだかすごいなぁ」なものは、一部の人に劇的に刺さりはすれど、一般的な感覚にはなかなかハマらなかったりもする。
奇才は一部の限られた人でしかないけれど、平凡は誰もが武器にできる。平凡を極めるか、平凡に自分らしさのエッセンスをうまく取り入れられるか。
そこが課題なんだけれど。
そんなわけで私は、やっぱりちょっと奇才に憧れつつ、平凡を楽しみたいと思うよ。
たまに自分の平凡さになんとも言えない気持ちになるから、忘れないように。忘れないように。
平凡は、武器である。