母の記憶(1)~アルツハイマー病の診断と共に~
画像は「みんなのフォトギャラリー」からお借りしました。これ、わたしには夕日に見えるのですが、水面を見ると朝日のようです。どっちかな。
この不思議な場所にいつか行ってみたいと思います。
アルツハイマー病と診断された日に
まぶしい陽の光の中を
今日、母の検査結果を聞きに、
電車を乗り継いで出かけました。
遠いのですが、
信頼できる病院を見つけました。
どれだけ遠いかというと、
電車を二度乗り換えるくらいです。
交通費二人分、バカになりません。
でも、いい先生を見つけるのは、
なかなか困難で、
混み合うところがほとんどです。
静かにさりげなく
先生は若いですが、
話しぶりは落ち着いていて、
中年の風格です。
血液検査には問題がなかった、と。
そうだろう。
あるとしたらMRIの方だ、
たぶん、言われる、
予想していたわたしは、
「MRIをとっておいて、
よかったと思う点がちょっとありまして」
やっぱり。
先生の口調はずっと変わらず、
「脳梗塞になるかもしれないものが少しと、
あと、萎縮ですね、
アルツハイマーの所見ですね、
で、お薬はと言いますと、」
いつの間にか話は薬のことになっていて。
「お薬があるにはあるのですが、
あくまでも進行を遅らせる薬であって、
効果も出る人と出ない人がいまして、
これはもうご本人さんの意向で、
どうするかはお決めいただくことに」
えっ!!!
自分で決めるとは
父の場合
驚きました。
父が診断された時には、
アルツハイマー病の、
「ア」の字も言われず、
いきなりアリセプトを出されました。
これも驚きますが、
選択の余地があるということに、
もっと驚きました。
薬を飲まないという生き方がある。
薬で助けられているわたしには、
考えられないことです。
でも、使うかどうかは、
考えてみると、確かに、わたしも、
主治医と話し合って決めている。
断ったことはないけれど、
説明は丁寧にしてくれていた。
よかった。
母の場合
あまりにもあっけない告知で、
最近はこうなのかなぁと思いました。
父が診断を受けた時には、
ショックで大騒ぎしたものです。
あの時は、友達に怒られました。
たいへんなのはあんただけじゃないって。
言わせたわたしが悪いのです。
でも今回は予想していたので、
ショックは受けませんでした。
ショックを受けた母の気持ちを、
どうフォローすればいいのか、
こっちの方が問題でした。
今のところは
母はアリセプトを断りました。
しかも「わたしは認知症じゃないと
思っているから、いりません」
などと言い放ったのです。
いるやろーーー!!!
とも言えず、
従いました。
自覚のあるアルツハイマー病の人って、
あまりいないのではないかと、
狭い世界に住むわたしは思います。
テレビのドキュメンタリーでは見ますが、
友達の友達くらいの距離でも、
聞いたことがありません。
それほど少ないのだと思います。
認知症という診断もゆっくりしましょうって
病名と治療との関係は
よくわからないのですが、
アルツハイマー病の所見があるのに、
認知症かどうかの診断を、
時間をかけてしましょう、と言われて、
うーん、そういうもん??
という状態になりました。
今度、わたしの診察で聞いてみます。
ちなみに、わたしの主治医は、
高齢につき、
もう初診患者を受付けていません。
長生きしてやー、と、
患者の誰もが思っています。
【シリーズ:母の記憶】でした。
このシリーズでは、
アルツハイマー病と診断された母について、
未来のこと、過去のこと、たった今起こったこと、
様々なことを書いておきたいと思います。