見え方
お腹が空いてごはんを食べに行く。
いろいろなシチュエーションで。
一人で食べに行くとき、カウンターに座ることが多い。
中華、洋食、寿司、ラーメン、タイ料理、いろいろ。
店の入口に設置されてるおすすめメニューの看板。
店内で、メニューが貼ってある壁。
机の上においてあるメニュー表。
そこから食べたいものを選んで注文する。
しばらくして料理が目の前に運ばれてくる。
見る。
満足するときもあれば、がっかりするときもある。
でも、ここにきてみて、注文しないとわからないこと。
どっちに感じても見ながら、食べながら味わう。
ふと隣りに座っているお客さんを見る。
イヤホンをしている。
食べている。けれど視線の先には立てかけたスマホ。
スマホでは動画が流れている。
手が勝手に動いて、料理を口に運んでいる。
料理を見ていないことに違和感を感じた。
いいとかわるいとかではなくて、違和感。
そうか、同じことをしていても見えていることはぜんぜん違う。
その人の記憶にいま食べている料理は残るのだろうか。
でも、私の記憶にだって残るかわからない。
そんなことが頭の中でうずまき始めながら、帰路についた。