朝帰りの天使 (TAXI ミニドラマ 2)
大阪のホテル街のひとつ、谷町九丁目。
40歳くらいの男性と20代半ばの女性がご乗車。
男性は先に降車、女性をご自宅マンションまでお送りした。
男性が降りた後、
「住所言いまーす。南堀江◯-◯-◯、401号室でーす。お願いしまーす!」
部屋番号は言わんでええがな(笑)
「メガネなくしたんですよー。どこにもないの。さっきの人、新しいの買ってくれるって」
「タクシー代もらったけど、こういう時ってお釣り返したほうがいいんですかねー?」
キャッキャ笑いながら楽しそうにずっと喋っている。
幼稚園での出来事をママに話す子どものように。
無邪気という言葉が似合う、目をキラキラさせた女の子。イノセントワールドの住人か。
先程の男性とは初めて会ったらしく、車内でライン交換してお金を受け取っていた。
・・全然、イノセント違うやん。
そんなこんなで、マンションに到着。
「鍵、この中なんですよ。ちょっと待ってくださいねー」
カバンの中をゴソゴソ。
「あー、メガネあったーー!やったー!」
車から降りて、マンションのエントランスから大きく手を振ってくれた。子どものように。
周りを明るくさせる天性を感じた。
願わくば、ずっとそのキラキラの笑顔で幸せに暮らしてほしい。
そして、
陽の当たる坂道を登るその前に
またどこかで会えるといいな。
ご乗車、ありがとうございました!
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いただいたサポートは乗務中のコーヒー代、もしくは夜食代にさせていただきます。感謝を込めて、安全運転でまいりまーす!