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ハイター第一戦線から。
帰宅してひといき。
お腹を空かせた飼いうさぎにニンジンをあげたら、ゴロゴロ転がしながら一生懸命食べている。さっきと全然違う場所で悪戦苦闘している。かわいい。
食べ進めるうちに形状が安定してきて、食べやすそうだ。でも前足がすべる。フローリングはすべりやすいんだよね。ごめんね。
いつもと同じ宿直勤務なはずだった。いや、ちがうかもという予感はあった。収束したかと思われたウイルス性胃腸炎が底力を見せた。真夜中、嘔吐して呆然とする子どもを目の前にして、わたしはそれを悟った。
ものすごい感染力。恐ろしくて、何枚も何枚もゴム手袋を取り替えて、何度もハイターを希釈した。3年くらい前に受けた嘔吐物処理研修を思い返す。幸いなことに、今日までその知識を活用する必要に迫られなかった。健康第一である。
みなさん。
何より大切なのは、慌てず焦らず必要なものをきちんと全部揃えてから臨むことです。やれビニール袋が足りない、拭くものがないと思いつくたびに一度現場を離れるのは厄介だし、その度に装備を解除しないといけないのでゴム手袋が何枚あっても足りないのだ。
ゴム手袋とマスクを着用(使い捨てエプロンもあるとよい)。大ぶりのゴミ袋2枚。レジ袋たくさん。ハイターの希釈液(次亜塩素酸ナトリウム。2リットルボトルに作っておいたものと、スプレーボトルに入れたものと2種類あると便利)、大量のぼろ布(拭いて捨てる用)、新聞紙たくさん。これらをセットにしてバケツにでも入れておく。ゴミ箱か洗面器にビニール袋をかけて中に新聞紙を入れて、いつでも嘔吐できるようにしておく(ビニールを取り替える)。
大物(布団とかブランケットとか)が被害にあった場合にはそれを運び出すための入れ物も必要。45リットルのゴミ袋に布団を入れようとしたけれど、当然ながら入らなかった。汚れた箇所だけ覆うようにしてえっちらおっちら運んだけれど、かなり危険だった。むやみに移動させずに、その場で消毒まで完了させたほうがよかったのかもしれない。しばらくハイターまみれになるけれど。汚れを取り除いて、ハイターの希釈液に漬け込んで、洗濯機に入れたら完了。
以上、唐突な備忘録。参照する機会が今後ないことを祈らずにはいられないけれど。でも明日にでもまたやるかもしれない。恐るべしウイルス…
夜中に布団についた汚れをゴシゴシ落としながら、嘔吐物の入った袋を縛りながら、ふと思い出すのはあの日。狂わんばかりの胃を押さえながらゴミ箱を抱え、いましがた吐き出したものの臭いに鼻を歪ませる。つらかったな、胃腸炎。前後のことはよく覚えていないけれど、最悪だったあの瞬間は覚えている。
絶対感染するものかと歯を食いしばりながら、もう何度目か知れないハイター漬けをする。いつのまにか手の甲が赤くざらついている。スーパーの入り口で何の気なしに吹き付けたアルコールが容赦なく染みた。なんだか惨めだけれど、頑張った証拠だと労ってあげよう。
我が家のうさぎはお腹が満ちたのか、こちらに耳を向けながらじーっと一点を見つめて丸くなっている。かわいい。畳みかけの前足がふるふるしているのがなおかわいい。
みなさま、コロナにインフルに胃腸炎に…どうぞご自愛ください。