2021-22 欧州リーグ考察 #12 〜UELグループD編〜
みなさん、こんにちは
コチャTVです。
欧州リーグの考察を行なっていこうと思います。
今夏の移籍市場ではリオネルメッシやセルヒオラモスといった世界的にも有名な選手の移籍が相次ぎ、欧州サッカー市場のみならず世界的にも衝撃を与えました。
この移籍市場を経て、欧州サッカーの戦力図には大きな変化が加わりました。
今回は、UEFAヨーロッパリーグに出場する全32チームの移籍市場を見ていこうと思います。
今回の記事では、グループDを見ていきたいと思います。
なお、市場価格などはtransfermarktを参考にしました。
UEFAヨーロッパリーグ2021-22 グループわけ
(引用元はUEL公式サイト)
グループD
グループDは以下の4チームです。
オリンピアコス(ギリシャ/ギリシャ・スーパーリーグ1位)
フランクフルト(ドイツ/ブンデスリーガ5位)
フェネルバフチェ(トルコ/スュペル・リグ3位)
アントワープ(ベルギー/シュピラー・プロ・リーグ3位)
①オリンピアコス
オリンピアコスです。
オリンピアコスはギリシャ国内を代表する名門です。1930年からの約90年間の間に46回もギリシャリーグのチャンピオンに輝いています。国内のライバルチームはパナシナイコス、AEKアテネ、PAOKあたりでは無いでしょうか。
オリンピアコスには日本人選手が所属したことはありません。しかし、今夏の移籍市場ではFCバルセロナBに所属している安部裕葵選手の獲得オファーを出してという報道もされましたが、実現することはありませんでした。
安部選手は、今季のFCバルセロナBで登録外となっており、Jリーグへの復帰も報じられていますが、冬の移籍市場でもアタックする可能性もありそうですね。
個人的には、FCバルセロナに在籍するよりも出場機会に恵まれると思いますし、UELなどへの欧州のコンペティションにも出場できるので、移籍が実現すればいいなと考えています。
現在ギリシャリーグには、日本人選手が1人所属しています。PAOKに所属する香川真司選手です。
開幕戦で決定的なチャンスを外してしまって以降、出場機会にはなかなか恵まれていませんが、欧州での実績十分な香川選手であれば、再度レギュラーを獲得することは可能でしょう。
過去に、ギリシャ1部に所属した選手としては、梶山陽平選手、小林大悟選手、坂田大輔選手がいます。
中でも、梶山陽平選手は下部組織時代から所属していたFC東京から、ギリシャの名門クラブであるパナシナイコスに移籍しました。背番号49として、トップ下やボランチで出場していましたが、個人技に頼るサッカーをパナシナイコスがしていたため、梶山選手の持ち味が最大限発揮されることはなく、半年間のみの所属となりました。
梶山選手はその後、半年間大分トリニータへ期限付き移籍した後にFC東京に復帰しました。2018年の夏にはアルビレックス新潟に期限付き移籍しますが、怪我などにより出場機会には恵まれず同年11月に現役引退を発表しました。
現在は、FC東京の普及部にてコーチをしています。
今夏の移籍市場に目を向けると1番大きいのはセビージャから加入したトーマシュ・ヴァツリーク選手では無いでしょうか。
夏に行われたEUROにもチェコ代表の守護神として出場し、数多くのビッグセーブを見せました。
今季も早速レギュラーとして活躍していますので、オリンピアコスの守備に一層強固になっていることは間違い無いでしょう。
オリンピアコスの目標は国内リーグ制覇になるでしょう。
パナシナイコスやAEKアテネなどのライバルチームもいますが、戦力的にはオリンピアコスが頭一つ抜けています。
そのため、現実的な目標として国内リーグ制覇が挙げられると思います。
②フランクフルト
フランクフルトです。
フランクフルトは、ここ近年で急速に力をつけているクラブです。
もともと、ドイツ1部リーグの常連チームではありましたが、近年はUELなどの欧州コンペティションへの出場も継続的にしています。
ブンデスリーガを過去に制したことは1度だけです。しかし、それは1958-59シーズンで半世紀以上も前のことです。また、2017-18シーズンにはリーグカップを制覇していますが、その前のタイトルは1987-88シーズンのリーグカップでのタイトルで、トップリーグでのタイトルは約30年ぶりでした。
過去には、2部リーグへの降格も経験しており、1997-98シーズンには2部リーグを制覇しています。
フランクフルトには、日本人選手が2人所属しています。
元日本代表キャプテンの長谷部誠選手と、日本代表の鎌田大地選手です。
長谷部選手は、クラブのレジェンドというより、ドイツサッカー界のレジェンドといっても問題ないでしょう。
今や、ブンデスリーガでプレーする選手の中で最年長選手となりました。システムなどによっては、出場しない試合もありますが、プレーだけでなくクラブの精神的支柱としても欠かせない状況です。
日本代表では、ボランチとして長い間プレーしていましたが、フランクフルトではボランチではなく一列後ろに下がって、リベロなどでもプレーをし新境地を開拓しています。
彼は、引退後もドイツに残って、指導者の道を歩み始めることが濃厚とされていますが、彼のかけがえのない経験を今後の日本サッカーにも活かしてほしいと思います。
次に、鎌田大地選手です。
鎌田選手はサガン鳥栖でプロ入りをして、背番号24を背負って一年目から試合出場をつみました。その後、フランクフルトに移籍しますが、主力にはなることができませんでした。
しかし、「有望な若手選手」であったことから日本企業が保有しているベルギーのチームのシント=トロイデンに1年間の期限付き移籍しました。
その1年間で圧倒的な活躍をし、2019年の夏に国外クラブへの移籍の噂もありながらフランクフルトへ復帰しました。
その後は、主力として活躍し、ブンデスリーガにおいてもリーグ屈指のアシスターとなりましたし、実際に昨シーズンで考えると鎌田選手のアシストの数はドイツ代表のミュラー選手とほぼほぼ同数でした。
実際に今夏の移籍市場ではイングランドのトッテナムやイタリアのACミランへの移籍の噂がありました。しかし、鎌田選手が移籍を望んでいなかったということもあり、移籍は実現しませんでした。
今季は、ブレンビーから有望なデンマーク人MFのリンドストーム選手や、ACミランからノルウェー代表のハウゲ選手を獲得しました。ポジション争いが激しくなることは明確ですが、その中でもレギュラーを獲得し、来年はさらなるステップアップ移籍を実現してほしいと思います。
今季のフランクフルトは低迷しています。
新しく監督に就任したのはデンマーク人のグラスナー氏ですが、昨シーズンまではヴォルフスブルクで監督をつとめていました。
彼は、ヴォルフスブルクで監督をする前は、RBザルツブルクやFCリーフェリング、LASKなどオーストリアのクラブで指揮を取っていました。
低迷していたヴォルフスブルクでは2シーズン指揮を取って、欧州のコンペティションにも出場できるまで浮上させました。
しかし、戦術の浸透度が低いのか、今季は7試合で指揮をとって1試合平均勝ち点は0.71となってしまっています。1試合平均勝ち点が1を下回ると降格争いという風に言われていますので、0.71は降格圏内と言えるでしょう。
戦力的には、欧州のコンペティション出場権を確保しなくてはならない戦力ですので、今後の浮上に期待したいところです。
なお、グラスナー監督の評価は以下のサッカーキングの動画でも確認できます。
③フェネルバフチェ
フェネルバフチェです。
フェネルバフチェは、トルコを代表するチームで19度トルコリーグの王者に輝いています。しかし、近年はガラタサライやベシクタシュが国内リーグタイトルを獲得しており、フェネルバフチェが最後にリーグ王者に輝いたのは2013-14シーズンです。
カップ戦やスーパーカップのタイトルからも離れており、近年は無冠状態が続いてしまっています。
そんな、フェネルバフチェは今夏の移籍市場で北京国安から韓国代表のキム・ミンジェ選手を獲得できたのが大きいのではないかと思います。
彼は、ユベントスからの関心などが報じられており、期待の星でしたが移籍金が高くなかなか移籍が実現しませんでした。そのなかで、今夏の移籍市場ではフェネルバフチェと北京国安で合意にいたり、ついにキム・ミンジェ選手が欧州でプレーすることとなりました。
しっかりと、スタメンの座を確保していますので、今後の活躍次第ではさらなるステップアップもありえそうですね。
フェネルバフチェは今夏の移籍市場で新たなエースストライカーの獲得を目論んでいました。
結果的には、RBザルツブルクからベリーシャ選手を獲得しましたが、当初はシント=トロイデンに在籍する鈴木優磨選手の獲得を目指していました。
鈴木選手自体が、トルコリーグよりも上のリーグへの移籍を希望したため、実現はしませんでしたが仮に実現していればフィネルバフチェ史上初の日本人選手となっていました。
他にも、ポルトガルのサンタ・クララに所属する守田英正選手にもオファーを出したそうですが、サンタ・クララの希望額1000万€に対し、フェネルバフチェの提示額は500万€ほどであったそうで、合意には至りませんでした。
今季のフェネルバフチェのカギとなる選手はエジル選手では無いでしょうか。
エジルはトルコ出身選手ではありますが、ドイツ代表として活躍しました。レアル・マドリードやアーセナルでも活躍した経験があるスター選手ですが、アーセナルで構想外となった後、フェネルバフチェへ移籍しました。
32歳とベテランの域には達していますが、攻撃センスは錆び付いておらず、今季もフェネルバフチェで攻撃のタクトを振るうこととなりそうです。
フェネルバフチェはそろそろ国内リーグを制覇したいところです。
戦力は、ガラタサライなどに比べると若干見劣りしますが、戦術などによっては逆転可能な戦力差です。
個人的に、エジル選手は好きな選手でもあるので、早いうちにもう一度カップを掲げる姿が見たいということもあります笑
昨シーズンまで上海上港を率いていたポルトガル人のペレイラ監督の元、欧州の舞台でどのようなパフォーマンスを見せるかも注目したいところですね。
④アントワープ
アントワープです。
アントワープは過去に4回ベルギーの国内リーグを制覇していますが、それは1928-29シーズン、1930-31シーズン、1943-44シーズン、1956-57シーズンのみで、最後の優勝からは60年以上経っています。カップ戦に目を向けると、2019-20シーズンに約30年ぶりに制覇しています。
そんな、アントワープには日本人選手が1人所属しています。
東京オリンピックにも出場した三好康児選手です。彼は、小柄な体格ながら、ドリブルで相手を剥がし、試合やチャンスを作ることができる選手です。
先日のヘンク戦ではスタメンで試合に出場し、ゴールという結果も残しました。アントワープで主力に定着すれば、上位リーグへのステップアップ移籍もあり得ますので、期待したいところです。
今夏の補強に目を向けると、インテルからフリーで獲得した元ベルギー代表のラジャ・ナインゴラン選手は貴重な戦力になりそうです。
昨年度は、カリアリに所属していましたが、金銭面で折り合いがつかずカリアリへの完全移籍はなりませんでした。
結果的に、アントワープに移籍をしましたが、アントワープはUELという欧州のコンペティションに出場するので、結果的にはカリアリよりも高いレベルでのプレーを見ることができそうです。
アントワープがベルギーリーグを制覇するということは正直考えにくいです。ベルギーには、アンデルレヒトやヘンクなどの強豪チームがいることに加え、ベルギーリーグはリーグ戦の後にプレーオフ的なものを制して初めて「優勝」となるので、シーズンを通して力を発揮しなくてはなりません。
そのため、ベルギーリーグを制するには豊富な選手層が必須です。
そういう面で、アントワープは厳しいと思います。
まとめ
今回は、UEL2021-22のうち、グループDに関してみていきました。
グループDはフランクフルトが頭一つ抜けています。しかし、「弱小」と呼べるようなチームはありません。フランクフルトは、現在調子が悪いのでこのままだとUELに力をかけている場合ではないかもしれません。ただ、逆にそのようになった時に、このグループの面白さは増すと思います。
最後に
今回は、記事を見つけていただきありがとうございます。
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