0.わたし
2023年4月、
岐阜県の高山市に移住してきました。
移住してきた理由、
それは、高山でどうしても挑戦してみたかったことができたから。
2022年8月、友人との待ち合わせ時間まで時間があったのでふらっと立ち寄った、『フィンユールとデンマークの椅子展』。その時の私はもちろん、椅子やデザインの歴史、デンマークの歴史、そしてフィンユールという人がいったいどんな人なのか全く知らなかった。そんな私は「へー、なんかすご」「高そうな椅子…」と思いながら展示物を見歩いた。全く興味が無いわけではなく、小さい頃からモノづくりが好きだったこともあり、友人との約束の時間を忘れてしまうぐらいに見入っていた。
そして、私の人生を動かした椅子に出会った。
"人生を動かした"って大袈裟に聞こえるかもしれないけど、この椅子が私にきっかけをくれた。この先もずっと私の中で1番の椅子なのだろうと思う。
何がいいのか、どこがすごいのか、説明はできない。
ただ、たくさんの椅子がある中でこの椅子が特別に見えた。
友人とも解散して、家であの椅子のことを調べてみると、日本で製造しているところを見つけた。
それが、岐阜県の高山市のある家具製造会社。
当時の私は、新卒入社した会社で維持管理の仕事をしていた。仕事も楽しく、上司・同僚・社外の方も優しい方達ばかりで、ずっとここでこの人達と一緒に働きたいと思っていた。
けれど、入社4年目。異動や今後の方向性については考えなければならない時期。でも私は目の前の仕事ばっかに向き合っていた。私は自分の将来と向き合うことが苦手で、今しか見ようとしなかった。
自分の悪いところをひとつ見つけた気がした。
どうしよう。
小さなモヤモヤが生まれた。
「好きなことやったほうがいいよ。俺はもうできないからさ。戸澤ちゃんにはやってほしいな」
よく一緒に仕事をしていた大好きな先輩からの言葉。趣味の話で盛り上がっていたこともあり、その言葉はさらっと受け取った言葉。さらっと受け取ったはずだったけど、夏に出会ったあの椅子のことを考えてしまった。
自分にはむりな話だっての。
今も十分楽しいじゃん。
でも、、、
そんな思いは閉まっておいた。
そして、数ヶ月後。
それは突然だった。大好きな先輩は遠く遠くのすごく遠いところに逝ってしまった。相談しようと思った時には、もういなかった。
色んな気持ちに溺れて、泣く日が続いた。
朝が来た時、通勤時、仕事中、家に帰ってからも、色んな感情に潰されていた。
あの日もらった先輩からの言葉もずっと心の中にあった。
当時26歳独身の私は、よくある"今の安定した仕事と私生活"と"今の安定を手放してやってみたいことに挑戦する"を天秤にかけてどっちが良いなんて決めきれなかった。むしろ、後者に進んだ時の不安がたくさん思い浮かんだ。
でも諦めることが出来なかった。
でも気づいた。"諦めることが出来なかった"がもう答えだった。答えは出ていたんだと思う。
そして、面白いことに、私の周りには好きなことを仕事にしてる人、仕事にしようと準備をしている人が多かった。その人たちの話を聴いて、自分の話もした。いろんな人が私に刺激をくれた。そして、口を揃えてみんなが言っていた。
「なんとかなるっしょ」
一見無責任な言葉にも聞こえるけど、私はその言葉が強力な御守りだと思った。もうひとつ、冒険みたいに楽しまなきゃと言ってくれた人もいた。
決めた。
人生一度きりだもん。
正直、ノリだったり勢いかもしれない。だけど、いつだったか、いつの間にか、私の心の中で、じわじわと決心の完成形が出来ていた。出来たら、私は早い。自分の決めたことから逃げられないように、会う人会う人に新しい夢について語った。まだ退職も、高山視察すらも、何もしてないのに。そして、2023年1月から仕事の引き継ぎをしながら、あの椅子が作れる家具会社へ履歴書を送ったり、面接に高山に行ったり家を決めたり。
そうして、2023年4月1日から私の挑戦がはじまりました。
もうすぐで、挑戦のはじまりから1年が経つ。
ここに来るまでに色んなことがあった。
そして高山にきて、色んな人と出会うことができ、色んな経験をさせてもらっている。
気楽に話せる同世代の友人もできた。
私の行動が、新しい挑戦へのきっかけをくれたと言ってくれた友人、自分の夢への活力になると言ってくれた友人、大切な人達がそれぞれで頑張ってるから、毎日明日が楽しみで仕方がない。
うん、順調なはじまり。
好きなことをやってほしいと言ってくれた先輩。
私はこの道を選びました。
先輩の伝えたかった意味と違ってたら申し訳ないですが、考えるきっかけと勇気をくれてありがとうございます。今、楽しいです。今後の私の活動を見守ってて下さい。
私のnoteは、毎日ゆるーく奮闘する見習い椅子張り士の記録と、支えてくれる皆さんへの感謝の気持ちを書いていきたいと思ってます。最後に、尊敬する大好きな友人の言葉で【0.わたし】を締めたいと思います。