おすすめの書籍
このページではがん領域の勉強におすすめの書籍をご紹介します。
ここ数年でたくさんのがん領域の専門書が発売されました。類似しているものも多いため、大きな本屋さんが近くにある方はぜひ実際に中身を確認して相性が良いものを探してみてくださいね。
レジメンについて学ぶなら
いきなり体系立てて勉強するよりも、出会ったレジメンをその都度調べることで知識の下地を作っておくと後々の勉強がスムーズになるので、最初の1冊におすすめです。
がん化学療法レジメンハンドブック(羊土社)
辞書としての使い方が向いていると思います。構成薬剤や投与スケジュール、代表的な副作用がレジメンごとに掲載されています。とにかく掲載数が多いことが辞書的に使う上での利点。それゆえ分厚いのですが…笑
がん化学療法レジメン管理マニュアル(医学書院)
第3版から第4版への改訂でかなり掲載数が増え、分厚くなりました。レジメンハンドブックとの違いは、有害事象の発現タイミングがグラフ化されていること、介入例が掲載されていることです。ケーススタディを兼ねたい方にはこちらもおすすめです。ぜひハンドブックと見比べてみてください。
がん種ごとに体系立てて学ぶなら
ある程度、レジメンに慣れてきたら、がん種ごとの疫学・診断の流れ・レジメンの使用順を学んでいきましょう。ガイドラインはどんどん改訂されていくので、あまり古い書籍を購入しないように注意してください。
臨床腫瘍薬学(じほう)
とても分厚い本ですが、疫学や診断から掲載されているため、日常業務での自然習得に限界のあるような初学者の方におすすめです(第1版は正直、誤植が多くて辛かったのですが、第2版は改善されたはず…)。レジメン情報も載っていますが、各レジメンの注意点が都度掲載されているわけではないのでご注意ください。
がん診療レジデントマニュアル(医学書院)
なんとなく治療の流れがわかっている方はこちらスタートでもよいかもしれません(ほとんどがん領域に触れていなかった当時の私には難しかったです)。代表的なレジメンも掲載されていますが、副作用情報は載っていないので、治療の位置づけを確認する目的で使用することが多いです。
副作用対応を学ぶなら
これまで紹介した書籍にも副作用対応は掲載されていますが、副作用ごとに対応を検索したいときはこの手の書籍が便利です。
フローチャート抗がん薬副作用(じほう)
その名の通り、副作用の対応がフローチャート形式でまとめられています。
全職種向けのため最初は情報過多に感じるかもしれません。フローチャートは見やすいと思えるかどうかが大事なので、ぜひホームページの立ち読みから中身を確認されてみてください。
がん化学療法ワークシート(じほう)
フローチャート抗がん薬副作用に比べると内容はコンパクトです。
がん種別の情報も少し載っていますが、私は主に第3章の副作用対策ページを参照していました。この書籍の大きなポイントは付録に服薬指導シートのデータがついていること。薬局内でのモニタリングフォーマットにするのも良さそうだなと感じています。
まとめ
3つのジャンルに分けてご紹介しましたが、もちろんすべて購入する必要はありません。内容が被る部分も多々あるため1冊で十分という方もいると思います。それなりの値段しますので、まずは1冊、何か試してみてはいかがでしょうか。わくわくしてきたら私のように買い漁ってみてください(笑)