がん患者さん対応への苦手意識を軽減するために
今日もお疲れさまです!
専門薬剤師同士で話していると必ず出てくるのが「がん患者さんの服薬指導が苦手な薬剤師って多いと思うんだよね」という話題。かく言う私も大の苦手でした・・・。でも、どうしてがん患者さんの服薬指導は苦手だと感じてしまうのでしょうか?ダメダメだった当時の私を思い出しながら、ちょっと辛口で原因と対策を考えてみたいと思います。
苦手理由① レジメンが把握できない
使用されている薬が分からないとそりゃぁ服薬指導は苦戦します。でも、病院が情報くれないから仕方ないと開き直っていませんか?レジメンを確認する手段はたくさんあります。諦める前に1つずつ試していきましょう。
患者さんに聞く
病院の明細書を見せてもらう
マイナンバーを活用する(当日情報は表示されないが、過去の情報から把握できることもある)
患者さんに許可取って病院に問い合わせる 等
苦手理由② 他にも患者情報が少なすぎる
「がん種」「進行状態」「予後」など処方箋だけでは得られないことも多々あります。こうした情報を患者さんに聞きづらいというのも苦手意識が生まれる背景の1つだと思います。ですが、他の疾患のときはどうでしょう。重症度や検査値が把握できなくても、それなりに服薬指導できていませんか?(これがよい状態とは言いませんが)。どこかで、情報が少ないことを「できない言い訳」にしていないか、考えてみてほしいです。
こうした情報が分からなくても、使用薬剤さえ分かれば副作用マネジメントはできます。分かるところから勉強していくことで、いずれこうした情報も推測できるようになり、患者さんとも話しやすくなってくると思います。
苦手理由③ 副作用が多すぎる
いったい何に重点を置いて話せばよいのかと思いますよね。そんなときはレジメンハンドブック等の書籍に頼ってしまいましょう。値段が高いと思うかもしれませんが、5000円くらいで苦手意識が減るなら安くありませんか?店舗の薬剤師で割り勘購入してもいいと思います。
あとは、副作用の伝え方に悩むこともあるかもしれません。ただ、他の薬と決定的に違うのは、患者さんも「何かしら副作用が出る」「それでも治療しないと命に関わる」と認識されていること。だとすれば、逆に「副作用が起こること前提」で話せるので、「起きた場合の対応策」とセットで説明できるようにすることで、患者さんの不安も軽減することができるでしょう(対策もレジメンハンドブック等に書かれています)。
苦手理由④ 自信がないから話せない
例えば、患者さんに「吐き気どうですか?」と確認して「つらい」と言われてもどう答えていいかわからないから確認できず、当たり障りない会話だけして終わらせてしまう・・・そんな経験ないでしょうか。情けない話、私は大有りでした。
最初から何でも答えられる薬剤師なんていません。ただ、成長する人には「自分の中で答えられないと思ったことは調べる、相談する習慣」があります。仕方ないと言い訳にしてそのまま放置しては何も変わりません。その場で答えられなかったことは後で患者さんに電話させてもらったり、遠回りしながらでも「わからない」に向きあっていくことが大切だと思います。
まとめ
抗がん剤って難しい!そんな風に思っているとしたら、それは幻想だと思います。確かに危険な副作用が多いので、「怖い」「苦手」と思うのはある意味自然なことだと思います。ですが、「みんな苦手だから仕方ない」という言い訳も生まれている気がしてなりません。分からないことを調べてコツコツと理解を深めていく過程は抗がん剤に限らず同じです。おそらく、その種類の多さに圧倒されて「難しい!無理!」と拒否反応が出ているだけ。そう思うだけでもちょっと頑張れそうな気がしてきませんか?
もちろんすべて覚える必要なんてないです。大切なのは「この薬知っている」という感覚を持てるようになること。それだけでもグっと苦手意識は減ると思います。勉強方法は以下の記事も参考にしてもらえたら嬉しいです。これを読んでくれたあなたが一歩踏み出せますように・・・!