APACCの試験って、どんな問題?
どんな問題が出題されるのか知ることは、求められていることを勉強することに繋がると思います。ただし、そこだけ覚えればよいわけではなく、周辺情報と紐づけて理解しながら勉強していかないと中身のない薄っぺらい専門性になってしまいますのでご注意を!
◎補足
私が受験したのは2022年度です。出題傾向はときどき変わるようですので、あくまで参考として御覧ください。例題を交えつつ紹介しますが、私が思いつきで作成したものですので、この通りに出題されるとは限りません。誤解ないようお願いします。
レジメン選択の流れはマスト
すべてのガイドラインを購入するのは無理なので、がん診療レジデントマニュアル等の書籍も活用しながら勉強しましょう。大腸がん、乳がん、肺がん辺りは早期に最新版がWeb公開されますので、Webも活用しましょう。
ポイント①治療の段階を考える
周術期、進行再発(一次、二次・・・)、維持療法など、各治療の段階で使用できるレジメンには決まりがありますので、まずはそこを覚えましょう。患者さんの治療歴を考える上でも重要なポイントです。
例:大腸がんの術後補助療法で推奨されるレジメンを2つ選べ
①CAPOX
②CAPIRI
③Cape単独
④FOLFOX+BV
⑤FOLFIRI+RAM
➡正解①③
イリノテカン、分子標的薬は術後補助での使用は推奨されていない
ポイント②個別情報による分かれ道を押さえる
遺伝子変異の有無、HER2やPD-L1といったタンパクの発現状況、患者のPSや年齢など様々な因子で使用可否が分かれる薬剤も増えてきました。ポイント①の基本の流れを押さえつつ、こうした分かれ道も一緒に見ていくようにしましょう。
例:RAS変異型、再発大腸がんの一次治療で推奨されるレジメンを1つ選べ
①CAPOX+BV
②FOLFOX+Cmab
③FOLFIRI+RAM
④FOLFIRI+Pmab
⑤レゴラフェニブ
➡正解①
Cmab、Pmabの使用が推奨されるのはRAS野生型
RAM、レゴラフェニブは一次治療での使用は推奨されていない
内服薬ももちろん出題される
各薬剤の細かい質問は点滴製剤より内服薬のほうが多かったように思います。外来での管理が重要になるため、必然といえば必然かもしれません。
ポイント①副作用
副作用に関しては、『添付文書の重大な副作用』とRMPの『重要な特定されたリスク』は見ておくとよいと思います(この2つは内容も重なっているものが多いです)。
例:オシメルチニブの重大な副作用を3つ選べ
①間質性肺疾患
②QT間隔延長
③ざ瘡様皮疹
④下痢
⑤肝機能障害
➡正解①②⑤
③④は発現頻度は高いが、重大な副作用には分類されてない
ポイント②相互作用
『併用禁忌』はマストだと思います。その他は、『胃内pHの影響』と『CYP3A4の影響』を受けやすい薬剤が多いため、試験でも出題されやすいように感じました。
例:薬剤とその併用禁忌の組み合わせについて正しいものを1つ選べ
①クリゾチニブ ロミタピド
②オシメルチニブ カルバマゼピン
③ロルラチニブ リファンピシン
④アレクチニブ イトラコナゾール
⑤エルロチニブ オメプラゾール
➡正解①③(②④⑤は併用注意の組み合わせ)
ポイント③食事の影響
内服薬ならではの特徴ですよね。食事により血中濃度が上昇するのか、低下するのか、影響まで覚えておきましょう。
例:食事により血中濃度が上昇する薬剤を選べ
①アファチニブ
②ダブラフェニブ
③エルロチニブ
④カボザンチニブ
⑤パゾパニブ
➡正解③④⑤(①②は食事により血中濃度低下)
その他
正直、書ききれません(笑)そのくらい網羅的に出題されますし、幅広く勉強することが求められます。上述した内容含め、王道だなと思ったのは以下のポイントです。
標準治療の流れ(レジメン選択基準)
適応
相互作用、食事の影響
副作用、DLT
作用機序(標的分子、作用点)
疫学(死亡数・罹患数のがん種順位、リスクファクター)
一方、出題割合は低いですが、私がそこまで見てなかった!と思ったポイントもご紹介しておきます。
エッセンシャルセミナーAの概論部分で出てくる承認試験等の情報
検診やワクチンといった予防に関する内容
高額療養費制度
FNやHBV再活性化など副作用に関連するガイドライン
まとめ
専門資格の勉強は、テストに出るポイントだけ効率よく勉強して合格しても何の意味もない世界ですが、どういうことを勉強すべきなのかという意味で参考になればいいなと思っています。ある意味、この試験勉強に耐える精神力、忍耐力みたいなものが求められているのかもしれません。おそらく就職してからこんなに勉強したことないぞ・・・という時間を迎えると思いますが、その時間は今後の自信に繋がりますので、息抜きしながら頑張っていきましょう。