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あさのかお、生まれて初めてのようなね
子どもたちの声がする方へ
行ってみました
そこには誰もいませんでした
涼しそうなお顔のあなたが
いるだけでした
さはさはと咲いていました
左にひだりに巻き付きながら
だいじょうぶだからと
むずかしいことは忘れようと
上にうえに上ります
日が沈み夜の暗さが
ひと花咲かせてくれます
明日も咲きますか
もうひとつ咲かせてくれますか
ささやかな朝のはじまりに
*****
空が高くなって夜も長くなって
きつかった暑さも少しばかり
緩まってきました。
糸の切れた風船のように
舞い上がる気持ちになります。
朝顔は
秋の季語を持つ夏の一日花。
朝顔にとって、咲くことは
一日が一生にあたるのですね。
一度きりの
おはよう、を思います。
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-正岡子規-
明くる朝も、そして
また明くる朝も
よい一日がはじまりますように―