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朝のちから
雨粒をつつくところんと落ちた。
前日の雷雨の雨粒が稲穂の上で遊ぶ朝。
こがね色に包まれてこくまろな朝。
寝不足なからだに
朝日はまぶしすぎることがわかっていても
秋めいてゆく空気を吸わずには
いられない。
ちょっとだけ、ほろ苦い味がしたけれど。
踏まれたり、刈り取られるだけの野草も
朝の舞台で輝いている。
朝日が当たるだけで
平凡な風景はドラマチックに変わる。
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子どもを連れないで、ひとり外に出てみた。
今日はゴミ出しのない日。
通勤通学時間にはまだ早い。
あえてそれをねらって。
そうしてまた朝日を背に来た道を戻る。
目を覚ましているだろうか、探してはいまいか
そんな心配をさせてくれる子どものそばに
こぼれた雨粒とこぼれそうなことばと
宿したちからを抱いて戻る。
明日はまた新しい朝が訪れる。
一日、いちにちがちからのかぎり
新しくて。