こゝろ弾みます
拝啓
お元気ですか
お変わりございませんか
寒さが日に日に
ゆるんできたように思います
ふゆの寒さの価値を
ぬくもりのありがたさを忘れはしません
凍える地中で静かに眠ることの意味も
わかっています
けれども
わけもなく うれしくて
わけもなく しあわせで
こゝろもからだも
ふわふわしてくるのです
深く息をすると風の中に
ちいさな なにか が
うふふ うふふふ と
笑っているように聞こえます
なにか に なにか が
たくさんかくれていて
鼻のおくの方が
つん とします
空はいつの間にか やわらかくなり
空ごと 包んでくれるやさしい なにか
ほら また
こゝろと鼻をくすぐっています
ねえ
それは もしかすると
それは はる
はるなのですか
はるなのですね
はるの空の下
あなたとわたし ふたりで
お出かけしませんか
一年ぶりのよろこびを
たくさん抱えて
あなたに会いにゆきます
かしこ
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こちらはつながりです
手紙をしたためるわたし。
投函されるポストがあって
郵便局の配達員さんがいて、そして
受け取るあなたさまへ。
思いを込めた一通がはるの空にのって
ぽん ぽん ぽん 。゜。゜゜