外孫、内孫12

書こう書こうと思っていたことを忘れていた。
日々のことに追われると、それだけで毎日が過ぎてしまって感情が置いてきぼりになってしまう。
そんなことが積み重なると、時間も感情も忘れてしまって、気づいた時には疲労困憊ということにもなりかねない。
私は書くことで、日々のことに区切りをつけているんだと思う。

振り返るとなんてことないただの文字の羅列なのだけれど、私にとっては大切な場なのである。それは誰かの目に触れても触れなくても。

書きたいと言った時よりちょっと空いてしまったけれど、書きたいことがあった。それはヨシタケシンスケさんの「もしものせかい」という本についてだ。
2020年1月に販売された本。私が手に取ったのもその頃だった。
元々ヨシタケシンスケさんの書く絵や話が好きだった。その時は、友人とたまたま本屋さんに行って新作あるかなと思いながら、探していた。
見つけた瞬間、購入した。どんな本かも知らずに。ただヨシタケシンスケさんが書いたというのだけが購入した理由だった。

そのあと、友人と自分の家に帰って1枚1枚音読した。内容を知らなかったから。ぐっと涙を堪えた。

この時期にこの本に出会えたのは、私にとって幸せなことだったと思う。この本に出会えていなかったら、まだ苦しみの中にいたかもしれない。不安に押しつぶされていたかもしれない。

目の前から人でも気持ちでも何かが消えた時、失った感覚が強い。何かと引き換えに取り戻すことができないかと考えたり、自分がやってきたことを責める気持ちが生まれたりする。

でも、目の前から消えた事実は変わらない。
けれど、この本はそんなスパイラルから抜け出させてくれた。変わらない事実を無理にではなくて、私に合った形で受け止めさせてくれた本だった。

時々「もしものせかい」のことを考える。
生きていた頃から祖母はもしものせかいに行ってしまったのだと思う。この間、体ももしものせかいに行ってしまったと考えている。


何かまとめがあるわけではないけれど、
今日はここまで。

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